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中小企業経営者のための経営ワンポイントアドバイス(25)

公開日:平成21年12月18日
最終更新日:平成21年12月18日

 中小企業経営者のための経営ワンポイントアドバイス


 事業継続計画(BCP)とは??

Q.従業員10人程の精密金属部品製造業を営んでおります。大地震や新型インフルエンザ流行の話になると出てくる「事業継続計画」と言うのは何でしょうか。小企業でも必要なのでしょうか。教えてください。

A.大災害や事故に遭って、貴社の部品製造が突然中断すれば、被災地外や十分な備えがあって業務を継続出来ている取引先の事業活動に多大な損害を与えます。事業を営む以上は、緊急事態に遭遇しても顧客からの信用、従業員の雇用と地域経済の活力を守り続ける との心構えと準備は欠かせません。

中小・零細企業でも自社の現状に即して、企業同士の相互支援、商取引のモラル保持、地域との連携と公的支援の活用によって事業の継続や中核業務の早期復旧を実現させるための方法、手段等を取り決めた「事業継続計画(BCP)」を策定し、平常時から周到に準備・訓練しておくことが要求されています。それにより緊急時には、自社事業資産の損害ばかりでなく、顧客や仕入れ先企業の被害も最小限に留め得るため、取り組み自体が取引先からも評価されて信頼を増すことになります。

 業務を続けられなくなる程の緊急事態には、企業内の設備やITのトラブル、火災などだけでなく、震災や風水害等の自然災害、テロ攻撃や感染症パンデミック等によるライフライン、通勤、流通、情報の混乱などが想定されます。その状況下で限られた人員や資機材の範囲内で事業を継続させていかねばなりません。どの業務の継続・復旧を優先させるか、そのためにどうしておくか、の経営判断が BCPの入口 と言って良いでしょう。


国は2005年8月に「事業継続ガイドライン第一版」(2007年3月に解説書)を出し、先ず地震を想定することを推奨しています。中小企業庁は2006年2月に「中小企業BCP策定運用指針」を出して実施を促しており、東京商工会議所はNPO法人事業継続推進機構の原作をカスタマイズして<東京版「中小企業BCPステップアップ・ガイド」>を出しています。


<東京版「中小企業BCPステップアップ・ガイド」>は中小・零細企業でも計画策定が進め易いようにと、以下のように24ステップに及ぶ段階的なガイドを提供しています。この活用の際にも、国と中小企業庁のものも各ホームページから検索して、同時に参照してください。

先ずは、第一段階として「防災対策の実施」から始めます。

1.策定のための社内体制整備: 社内トップが主導し、幹部全体と少なくとも重要業務に関わる全員の参加が求められます。全社員が意識を持ち続け各自の役割・行動が出来るように進め、社内(将来は連携先も含めた)運営体制も長く維持するため、無理のないものを作ってください。

2.リスクの特定: 緊急事態(リスク)発生時に社員の安全、資産の保全、ならびに取引先への供給継続や地域の安定等を阻害する被害を想定します。自社の持つ建物・設備や入出荷と在庫の事情等、各社の独自性を基にした分析と、ハザードマップなど地域特性データも加味して、発生頻度と影響度の概略評価も行います。

3.代替拠点と情報共有: 緊急時には事業所内外の社員や取引先との連絡が取れることが重要です。本社がその機能を失った時を想定して、代替えの連絡拠点を決め、重要顧客にもお知らせしておくべきです。顧客や発注先に被害状況を知らせることで、お互いの損失の増大が防げます。

4.緊急時体制と指揮命令系統: 緊急時体制発動基準、本部体制と指揮命令系統ならびにトップやリーダー不在時の運用、安全確認と支援要請(災害時復旧融資制度も調査しておく)、取引先等への情報発信、被害状況確認と復旧指示、物資の調達と配分等ルールを決めて、訓練による情報共有を徹底します。等々と続き、参考となる仕分け表や解説で、策定作業を助けてくれています。

5.安否確認と緊急連絡網: 

6.避難・二次災害防止: 

7.情報のバックアップ: 

8.建物・設備の災害危険度と簡易対策: 

第二段階として、重要業務を認識して「簡略BCPを策定」する。

 ↓

第三(最終)段階として、「本格的なBCP」に向けて充実させる。

24.BCPの訓練と見直しと、自社の実態を把握・分析し、全社員の共通認識の上に立ってBCPを組み立ててゆけるようになっており、最後に策定したBCPが十分なものであるかを判定できる「チェックリスト」も用意されています。

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BCP策定については、災害対策基本法に基づく防災基本計画と、2009年5月の改正消防法にも反映されて、防災体制の整備、訓練、事業所の耐震化、復旧計画を奨めると共に、地域連携の強化を呼びかけています。既に充実した防災計画をお持ちの企業は、これを基に重要業務の抽出と、緊急事態時にそれらを継続・復旧するためのポイントを追加してゆき、発展的にBCPを作り上げるのがよろしいでしょう。


板橋区経営相談員(中小企業診断士) 萩原 徹

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