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中小企業経営者のための経営ワンポイントアドバイス(26)
公開日:平成22年1月15日
最終更新日:平成22年1月15日
中小企業経営者のための経営ワンポイントアドバイス
会社の種類について??
Q.現在、個人事業主として事業を行っていますが、順調に推移しているので法人化を検討しています。会社には株式会社のほかにもいくつか種類があり、LLCというものも最近出来たと聞いております。会社の種類とその内容や違いについて教えてください。
A.会社の種類については、2006年に商法が会社法になった際に大きく内容が変わりました。従来は、株式会社、有限会社、合名会社、合資会社があったのですが、この改正により有限会社は廃止され株式会社に一本化されました。また従来からある合名会社、合資会社に、新たに合同会社(日本版LLCとも呼ばれる)が加わって、これら3つは持分会社と呼ばれています。
1、株式会社
有限責任を負う株主から成る、最も一般的な会社です。所有と経営が分離しているので物的会社とも言われます。以前は資本金1千万円以上で、大規模な会社を営むのに適するとされていましたが、会社法施行に伴って資本金の規制がなくなり、1円から設立出来るようになり、起業もしやすくなりました。また「公開・非公開」、「大会社・それ以外の会社」、等の観点から各種の異なる規制が認められるようになっています。株式譲渡制限会社とは全ての株式の売買を制限している株式会社のことで、中小企業でこれを選択すれば会社経営にふさわしくない者を防いで安定化を図ることが可能で、取締役は1人から、監査役は任意、任期も10年まで延長出来ます。このように株式会社は個々の企業が自由に設計を選択できるようになり、柔軟性が増しました。
なお、有限会社は、会社法では廃止され、新たに設立は出来ません。ただ従来からあった有限会社は特例有限会社として継続が出来るようになっています。有限会社は中小企業にとっては利点が多かったのですが、それらの点が考慮されて引き継がれ株式会社に統合されたと言えます。
2、持分会社
合名会社、合資会社、合同会社の3つがあり、株式会社が物的会社と言われるのに対し、持分会社は人的会社(所有と経営が一致)と言われています。持分会社は3つの形態とも、株式会社に変更が可能となっています。
(1)合名会社は、「社員(出資者)は無限責任で1名以上で、内部自治が認められる」等の特徴があります。
(2)合資会社は、「無限責任社員と有限責任社員が各1名以上で計2名以上で設立、内部自治が認められる」等が特徴です。
(3)合同会社は、今回はじめて出来た会社類型で、「有限責任でありながら、組織の内部自治が認められていること」が特徴です。
メリットは[1]社員は1名以上で、有限責任(合名会社や合資会社と違い、社員は出資額の範囲までしか責任を負わない)、[2]内部自治原則(株式会社と違い、利益や権限の配分が出資金額の比率に拘束されず、取締役会や監査役のような機関の設置が任意)[3]社員による意思決定でスピード経営が可能、[4]設立費用が安い、等です。
デメリットは、[1]法人税の対象で決算書作成義務がある、[2]認知度が低い、等があげられます。アメリカ等で近年増加しているLLC(Limited Liability Company)をモデルにしているため、日本版LLCとも呼ばれていますが、アメリカ等では構成員課税(各社員に対して課税される)になっているのに対し、日本ではこの部分が異なっていて、法人に対する課税になっています。このことが、普及が遅れている理由とも言われています。
尚、合同会社と並行して導入された事業体で、法人格は有しない「有限責任組合(LLP=Limited Liability Partnership)」というものもあります。合同会社と同様に[1]有限責任制、[2]内部自治原則が特徴です。違いは、法人格がないこと、構成員課税であること、等です。また法人ではないので、持分会社のように株式会社への変更はできません。
従来の会社は、大きく分けると、株式会社・有限会社のように「有限責任」で「組織規律が厳格」なタイプと、合名会社・合資会社のように「無限責任社員が含まれ」「組織の内部自治」が認められるタイプの2つしかありませんでした。合同会社(日本版LLC)や、有限責任組合(LLP)が登場したことで、「有限責任制かつ内部自治原則が認められる」事業体が出来、創業やジョイントベンチャーなどでの活用が期待されています。また、株式会社も中小企業が選択しやすい内容に変更されており、会社の選択肢は大きく広がっていると言えます。
板橋区経営相談員(中小企業診断士) 石 川 政 和
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