仕事・契約・産業
中小企業経営者のための経営ワンポイントアドバイス(28)
公開日:平成22年3月17日
最終更新日:平成22年3月17日
中小企業経営者のための経営ワンポイントアドバイス
雇用を守るために(助成金等の活用)
Q.事業環境が厳しく、仕事が十分にない状況で、従業員が手持ち無沙汰な時間が多くなっています。このままでは辞めてもらうしかありませんが、経験豊かな従業員を手放すのは惜しいですし、会社に尽くしてきてくれた人に辞めてもらうのは忍びないと感じています。何か対応する方法はないでしょうか。
A.手を尽くしたとしても雇い続けると会社の存続そのものが危ない場合には、一定の条件で解雇という最終手段も考えなければなりませんが、従業員の生活や会社の今後を考えると、何とかして雇用を継続したいものです。
雇用継続の方法として、ワークシェアリングという考え方があります。全員がフルタイムで働くことから、少しずつ作業時間も給料も削ることに変えて、みんながお互いに我慢して耐えましょう、という考え方です。減った時間は、それぞれが別の仕事(アルバイト等)を行うことを許すことが前提です。
ただし、1企業や1業界が苦しい場合には検討できる案ですが、世の中全体の経済状況が悪い場合には副業を見つけるのも難しく、耐えるのも限度があるでしょう。もっとも現実的なのは、各種の助成金を活用することです。以下は、雇用保険の適用事業所であること(雇用保険料を納付していること)を前提に進めます。資格条件や手続きの仕方については、厚生労働省のホームページをご覧になるか、ハローワークでご相談ください。
中小企業緊急雇用安定助成金
売上高が減っていて、止むを得ず従業員を休業させなければならない場合や、出向させる場合、仕事がない間に教育訓練を施す場合に、休業手当相当額や教育期間中給与の4/5(条件により9/10)が助成されます。教育訓練の場合は、教育訓練費用として更に加算があります。厳しい状況の中ですから、休業させるという選択もありますが、今後の会社の立ち直りを考えると、教育訓練をする機会だと前向きに捉えて、従業員の能力向上を図るのも良いのではないでしょうか。
板橋区では、出前経営支援事業(社会保険労務士派遣)を行っています。手続きをするための前提知識や、状況確認、進め方などについて、ご相談に応じます。休業等を考えている場合には、お申込ください。社会保険労務士が事務所まで伺います。
同様の制度で、有期雇用労働者(期間契約社員)や派遣労働者(派遣を受けている)については、残業削減雇用維持奨励金というものがあります。
育児・介護雇用安定等助成金
経営環境が厳しい中では、従業員の側としても育児や介護のための休業を取るのが難しく、辞めざるを得ない雰囲気になることがあります。制度を整備し計画に基づいて育児休業や短時間勤務を認める事業主に対して、助成金が支給されます。
高年齢雇用継続基本給付金
事業主ではなく労働者本人に支給されるものです。60歳から65歳まで、一定以上に賃金の低下があった場合に、一定の条件を満たしている労働者に支払われます。雇用の維持と直接に繋がるものでは有りませんし、能力の低下がなければ60歳になっても賃金レベルは維持するべきですが、何らかの事情で減少した場合に一部補填されることになるので、結果的には雇用の維持に繋がります。
労働移動支援助成金
この制度は、雇用を維持するためではなく、止むを得ず離職となる場合に、求職活動を支援する企業に対して助成するものです。
このほかにも、各種の助成金が用意されています。雇用の維持に困った場合には、手遅れにならないうちに早めに、ハローワーク等や専門家(社会保険労務士)に相談してください。また、雇用の維持だけではなく、雇用条件の改善(有期契約から期限のない契約に転換する、定年の延長、等)についても各種の助成金があるので、ご相談ください。国だけではなく、一部の財団法人や地方自治体にも助成金がある場合があります。ただし、重点施策の変更に伴って、助成金は新設されたり廃止されたり変更されることがあるので、最新の情報を得るようにしてください。
今回のアドバイスの趣旨には外れますが、[1]雇用調整を行うには一定の条件を満たす必要があること、[2]離職が大規模な場合(30名以上)には再就職援助計画が必要なこと、[3]高年齢者等(45~65未満)の場合には求職活動支援書の発行が必要なこと、などについても注意が必要であることを申し添えておきます。
雇用に手をつける前に、販売促進や経営改善など、やるべきことはあります。区役所の経営相談事業(出前経営相談を含む)により、専門家(中小企業診断士)のアドバイスを受けて、助成金を受けなくても良いような状況に変えることも検討しましょう。
雇用に手をつける前に、販売促進や経営改善など、やるべきことはあります。区役所の経営相談事業(出前経営相談を含む)により、専門家(中小企業診断士)のアドバイスを受けて、助成金を受けなくても良いような状況に変えることも検討しましょう。
板橋区中小企業診断士会 岡田資司
作成部署
〒173-0004 東京都板橋区板橋二丁目65番6号 情報処理センター産業経済部 産業振興課
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