
1.趣旨
昭和12年、15歳の白崎高保少年によって板橋区稲荷台のローム層中から発見された土器と石器が、その後の縄文土器研究に大きな変化をもたらしました。それまでは、縄文時代の始源は約3,000年程度前までしか遡らないと考えられていました。しかし、この発見とその後の白崎や江坂輝彌などの当時の旧制中学生(現在の高校生)の活動により、学界の重鎮を動かし、発掘調査が行われました。これによって、縄文時代の開始時期が約7〜8,000年前まで遡る可能性があることが議論されるようになったのです。
しかし時代は戦争に向って進んでいました。少年たちは学業半ばにして兵隊となり、ある者は考古学のへ道を断念し、ある者は戦場でも考古学の原稿を書き綴りました。
そして戦後。新生日本を再建する動きの中で、考古学も再生します。群馬県岩宿遺跡で日本で初めての旧石器が発見された約1年半後の昭和26年、板橋区小茂根・茂呂遺跡でも16歳の瀧澤浩によって旧石器が発見され、南関東で初めて旧石器が存在することが実証されました。
また、昭和28年、都立北野高校の社会科クラブ員たちは、著名な考古学者であった山内清男(当時東大講師)の指導を受け西台遺跡の発掘調査を行い、東海地方系の弥生時代の土器(板橋区登録文化財)をはじめとする遺物や大型住居跡などを発見し、この地域の原史社会の解明に大きな役割を果たしました。
このように、少年たちは社会の激動期の中で活動し、考古学ばかりでなく、それぞれが進んだ分野で多くの業績を遺してゆきました。
戦争をはさんだ激動期に生きた少年たちの活動、また、彼らによって解明された、板橋区の原始・古代の歴史と文化をぜひご覧ください。そして、この機会に、地域と時代を再認識していただければ幸いに存じます。
2.会期
平成17年10月8日(土)
〜12月4日(日)予定
ただし、10月10日(月・祝)は開館し、翌11日休館
3.会場
D各氏関連考古遺物及び板橋区内出土遺物
土器をかぶった白崎高保少年
(昭和12〜3年頃)(個人蔵)
ミミズク土偶
・埼玉県鴻巣市滝馬室出土
・東京国立博物館蔵
コケシ形石偶
・大分県岩戸遺跡出土
・芹沢長介氏蔵
夏島式土器
・重要文化財
・横須賀市夏島貝塚出土
・明治大学博物館蔵
板橋区立郷土資料館
東京都板橋区赤塚5丁目35番25号
п@03-5998-0081
江坂輝彌 慶應義塾大学名誉教授
3) 縄文原体の作製・使用方法 講演・講習会
※いずれも先着100名様。無料。郷土資料館講義室にて。
講師:渡瀬妙子氏(さき織りつるの会代表)
午前の部:11月5日(土)午前10時から
申し込み先: 板橋区赤塚五丁目35番25号 板橋区立郷土資料館 03−5998−0081
会場:板橋区立郷土資料館 講義室にて
申し込み先: 板橋区赤塚五丁目35番25号 板橋区立郷土資料館 03−5998−0081
11月19日(土)午後2時から
講師:板橋区学芸員
募集人数:親子ペア20組40人(午前・午後の部で各半数ずつ) 午前・午後の2回・有料。
募集人数:20人





会場:板橋区立郷土資料館 講義室にて
※多数のご来館・聴講が見込まれます。ご入場できない場合はご容赦下さい。
山内清男(前列中央)と都立北野高校の生徒たち
昭和28年 西台遺跡の発掘調査にて(個人蔵)

岩偶
秋田県鹿角郡小坂町・内岱出土
重要文化財
慶應義塾大学所蔵


西台遺跡出土 弥生式土器


白崎高保・江坂輝彌・芹沢長介らの少年たちが発掘した稲荷台遺跡出土の土器片と石器
板橋区立郷土資料館保管


イヌ形土製品
・岩手県九戸郡軽米町・軽米遺跡出土
・慶應義塾大学考古学研究室蔵
人面付把手
・東京都多摩ニュータウン遺跡出土
・東京都埋蔵文化財センター蔵
12月4日をもって終了しました。多数のご来館ありがとうございました。