1ページ 中扉 第1部 総論 第1章 計画の策定にあたって 1 策定の背景・目的 2 計画の位置付け 3 計画の期間 4 計画の対象 5 計画の推進に向けて 6 検討体制 7 エスディージーズとのつながり 2ページ 中扉裏 1の1 計画の策定にあたって 共生社会の実現をめざして 「板橋区障害者計画2030・障害福祉計画(第8期)・障害児福祉計画(第4期)」は、障害者基本法、障害者総合支援法※及び児童福祉法に基づく法定計画であり、「板橋区基本構想」における福祉・介護のめざす姿や、福祉に関する上位計画である「板橋区地域保健福祉計画2030」が掲げる地域共生社会※の実現をめざすものです。 板橋区の障害福祉における取組を進めていくうえでの基本的な考え方や、計画の位置付けや期間などを示します。 策定の背景・目的 障害福祉を取り巻く環境は、高齢化や障害の重度化、特性に応じた切れ目のない支援の必要性などを背景に、多様化・複雑化しています。 障害福祉の基本方針を定める「障害者計画」と、その実施計画に相当する「障害福祉計画・障害児福祉計画」により、障害があっても自分らしく安心してくらし続けられるまち「板橋」を創ります。 計画の位置付け 障害者計画は、障害者基本法に基づく、区の障害者施策を総合的かつ計画的に推進するための基本計画です。 障害福祉計画及び障害児福祉計画は、障害者総合支援法及び児童福祉法に基づく、サービスの必要量を定めるとともに、その提供体制の確保を図るための計画であり、障害者計画の実施計画に相当する計画です。 「板橋区基本構想」及び「板橋区基本計画2035」の方向性を念頭に、関連する個別計画と連携を図りながら、取組を進めていきます。 計画の期間 障害者計画は2024年度から2030年度までの7年間を計画期間としていますが、上位計画の改定を受けて2026年度に一部改訂をします。 障害福祉計画(第8期)及び障害児福祉計画(第4期)は、国の基本指針に基づき、2027年度から2029年度までの3年間を計画期間とし、3つの計画の連携により、計画的な施策・事業展開を図っていきます。 計画の対象 障害があっても自分らしく安心してくらし続けられるまち「板橋」をみんなで創ることとし、障害や難病※などにより支援を必要とする人だけでなく、区民や支援を行う人も含め、すべての人を対象とします。 計画の推進に向けて 施策の推進にあたっては、進捗状況を把握のうえ、点検・評価を行い、必要に応じて見直しを図ることで、実効性のある取組を進めていきます。 3ページ 第1部 総論 第1章 計画の策定にあたって 1 策定の背景・目的 2014年、日本は、「障害者の権利に関する条約(障害者権利条約)」を批准し、条約締結国になりました。2016年には「障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律(障害者差別解消法)」が施行され、障害者を取り巻く状況は少しずつ変化しています。特に、2024年には「改正障害者差別解消法」が施行され、民間事業者にも「合理的配慮※」の提供が義務付けられるなど、社会全体で共生社会の実現に向けた取組が進められています。 2024年には、障害者の地域生活の支援体制の充実や、多様なニーズに対する支援や障害者雇用の質の向上などを定めた「改正障害者総合支援法」が施行され、2025年には、障害者が自身の特性に合った就労先(一般就労※、就労継続支援(A型・B型))を選択するための専門的なアセスメント(能力評価・意向確認)を行う新しい障害福祉サービス※「就労選択支援」が創設・施行されました。また、2026年に、高次脳機能障害※への理解を促進するとともに、高次脳機能障害者の自立及び社会参加のための生活全般にわたる支援を、切れ目なく受けられるようにするため、「高次脳機能障害者支援法」が施行されています。2027年には、支援の対象を「医療的ケア※児及びその家族」から「医療的ケア児等及び重症心身障害※者並びにそれらの家族」に拡大する「医療的ケア児及びその家族に対する支援に関する法律の一部を改正する法律」の施行が予定されています。 2022年、障害者権利条約について、国際連合(国連)の「障害者の権利に関する委員会(権利委員会)」による日本の審査が初めて行われました。医療機関や施設に入院・入所している障害者が地域に出て自立した生活を送る権利の保障や、インクルーシブ教育システム※の推進などへの総括所見が示されており、その趣旨を踏まえて、障害者の権利の実現に向けた取組を引き続き推進する必要があります。 東京都においては、国際スポーツ大会として、2021年に東京2020パラリンピックが、2025年に東京2025デフリンピックが開催されました。こうした国際大会の開催を契機として、障害者の社会参加の促進や、障害者への理解の深化が一層求められています。 東京都では、手話は独自の文法を持つ一つの言語であるという認識を広げるとともに、手話の利用が普及するよう、2022年に「手話言語条例」を施行し、手話を必要とする人の意思疎通を行う権利が尊重され、安心して生活できる社会の実現をめざすとともに、手話を使用しやすい環境づくりを進めています。また、2025年には、「東京都障害者情報コミュニケーション条例」を施行し、必要な配慮や、コミュニケーション手段が異なることについて関心と理解を広げ、情報通信技術の活用のほか、多様なコミュニケーション手段を利用しやすい環境づくりを進めています。 4ページ 板橋区においては、2025年10月に、概ね10年後を想定した将来像を「未来をひらく 緑と文化のかがやくまち “板橋”」とする板橋区基本構想を策定し、福祉・介護のめざす姿として「安心して住み慣れた地域で暮らせるまち」を掲げ、「誰もが幸せを実感している」「つながりと愛着がはぐくまれている」まちの実現に向けて取組を進めています。また、区の福祉分野の上位計画としては、2026年3月に、「地域でつながり支え合う だれもが安心して暮らせる共生のまち いたばし」を基本理念とする「板橋区地域保健福祉計画2030」(以下「地域保健福祉計画」という。)を策定しています。 板橋区は、2026年1月に、区民一人ひとりの創意を原動力とし、あたたかでやさしいつながりを創り出す創造都市(クリエイティブシティ)であることを宣言しました。板橋区基本計画2035の最初の3年間におけるアクションプログラムであるいたばしナンバーワン実現プラン2028では、基本構想に掲げる3つの視点(ひと・まち・みらい)を取り入れた(1)ウェルビーイング戦略、(2)クリエイティブ戦略、(3)トランスフォーメーション戦略を示しており、戦略的取組をとおして、誰もが健やかにくらし続けられる環境整備などを推進しながら、創造都市(クリエイティブシティ)として、多様な主体の協働・共創による新たな価値創出や地域課題の解決などにつなげる取組を展開していきます。 障害福祉を取り巻く環境は、高齢化や障害の重度・重症化(医療的ケアが必要な障害者を含む)、発達障害※や強度行動障害※、医療的ケア児などの特性に応じた切れ目のない支援の必要性などを背景に、多様化・複雑化しています。区では、地域生活支援拠点等※の整備などを進めてきましたが、障害があっても自分らしく安心してくらし続けられるまち「板橋」の創造に向けて、相談支援の一層の充実、多様な生活の場の整備など、着実に取り組んでいく必要があります。 このため、「板橋区障害者計画2030」は2030年度までを計画期間とするものではありますが、区の上位計画をふまえつつ、創造都市(クリエイティブシティ)として新たな価値創出や地域課題の解決などにつながる取組を戦略的に展開することとし、一部改訂します。また、「板橋区障害福祉計画(第7期)」「板橋区障害児福祉計画(第3期)」については、計画期間が2026年度をもって終了することから、2027年度からの新たな計画を策定します。 これによって、既存のサービスの充実や仕組みの見直しを進め、障害があっても創造都市の一員として、地域の中で多様なつながりを持ちながら、自分らしく安心してくらし続けられるまち「板橋」を実現していきます。 5ページ 2 計画の位置付け (1)障害者計画 区の障害者施策を総合的かつ計画的に推進するための基本計画であり、区民、関係機関、団体、事業者、区が、それぞれ自主的かつ積極的に創造的な活動を行い、地域の価値創出、課題解決、人と人との交流につなげ、その取組を継続していくための指針となる計画で、障害者基本法第11条第3項に基づく「市町村障害者計画」にあたるものです。 (2)障害福祉計画・障害児福祉計画 障害福祉計画、障害児福祉計画は、国の基本指針(障害者総合支援法第87条、児童福祉法第33条の19)に基づき、障害のある人又は障害のある子どもの地域生活を支援するためのサービス基盤等に係る成果目標を設定するとともに、サービスの必要量を見込み、その提供体制の確保を図るための計画です。 それぞれ、障害者総合支援法第88条に基づく「市町村障害福祉計画」、児童福祉法第33条の20に基づく「市町村障害児福祉計画」にあたり、障害者計画の実施計画に相当する計画です。 板橋区の各計画との関係 図があります。 一番大きな枠で「板橋区基本構想」。 その中に「板橋区基本計画2035」。 さらにその中に、区の各計画が載っています。 障害者基本法第11条第3項に基づく「板橋区障害者計画2030」、障害者総合支援法第88条に基づく「障害福祉計画(第8期)」、児童福祉法第33条の20に基づく「障害児福祉計画(第4期)」。 これら3つの計画は、国の基本指針に基づき策定。 また、これら3つの計画と、連携と書かれた矢印で繋がっているのが「いたばしナンバーワン実現プラン2028」。 さらに、これら3つの計画と、連携と書かれた矢印で繋がっているのが「(仮称)板橋区高齢者保健福祉・介護保険事業・認知症施策推進計画2029」、「いたばし子ども・若者・子育て応援プラン2030」、「いたばし健康プラン2030」、「いのちを支える地域づくり計画2030」、「板橋区ユニバーサルデザイン推進計画2035」。 6ページ (3)国の基本指針について 計画策定の根拠となる国の基本指針「障害福祉サービス等及び障害児通所支援等の円滑な実施を確保するための基本的な指針」は、2026年3月に改正・告示されました。 基本指針で示された計画策定の基本的な考え方などは以下のとおりです。 ①基本的理念 障害者総合支援法や児童福祉法の基本理念を踏まえつつ、障害者等の自己決定の尊重と意思決定の支援や、課題に対応したサービス提供体制の整備、地域共生社会の実現に向けた取組などに配慮し、総合的な計画を作成する。 ②障害福祉サービスの提供体制の確保に関する基本的考え方 基本的理念を踏まえ、全国で必要とされる訪問系サービスの保障や、希望する障害者等への日中活動系サービス等の保障、グループホーム等の充実及び地域生活支援拠点等の整備と機能の充実、福祉施設から一般就労への移行、強度行動障害の状態にある者及び難病患者等に対する支援体制の充実、高次脳機能障害者に対する支援などに配慮して目標を設定し、計画的な整備を行う。 ③相談支援に関する基本的考え方 相談支援体制の充実・強化、地域生活への移行や地域定着のための支援体制の確保、発達障害者等に対する支援、地域自立支援協議会の活性化の視点により取り組むことが必要である。 ④障害児支援の提供体制の確保に関する基本的考え方 専門的な支援の確保及び共生社会の形成促進の観点から、保健、医療、保育、教育、就労支援等の関係機関とも連携を図ったうえで、障害児及びその家族に対して、乳幼児期から学校卒業まで一貫した効果的な支援を身近な場所で提供する体制の構築を図ること、地域社会への参加・インクルージョン※の推進、特別な支援が必要な障害児に対する支援体制や障害児相談支援等提供体制の確保が重要である。 ⑤障害福祉人材の確保・定着、当事者視点に立ったケアの充実のための生産性向上に関する基本的考え方 将来にわたって安定的に障害福祉サービス等を提供し、様々な障害福祉に関する事業を実施していくためには、提供体制の確保と併せてそれを担う人材の確保・定着を図る必要がある。また、質の高い障害福祉サービスを効率的かつ効果的に提供する観点から、当事者視点に立ったケアの充実のための生産性向上の取組を一層充実する必要がある。 7ページ ⑥障害福祉サービス等及び障害児通所支援等の提供体制の確保に係る目標 障害者等の自立支援の観点から、地域生活への移行や就労支援といった課題に対応するため、以下について、目標を設定する。 ①福祉施設の入所者の地域生活への移行、②精神障害※にも対応した地域包括ケアシステム※の構築、③福祉施設から一般就労への移行等、④障害児支援の提供体制の整備等、⑤地域生活支援の充実、⑥相談支援体制の充実・強化等、⑦障害福祉人材の確保・定着、当事者視点に立ったケアの充実のための生産性向上、⑧障害福祉サービス等の質を向上させるための取組に係る体制の構築 ⑦その他自立支援給付及び地域生活支援事業※並びに障害児通所支援等の円滑な実施を確保するために必要な事項等 ①障害者等に対する虐待の防止、②意思決定支援の促進、③障害者等の文化芸術活動、スポーツ等による社会参加等の促進、④障害者等による情報の取得利用・意思疎通の推進、⑤障害を理由とする差別の解消の推進、⑥障害福祉サービス等及び障害児通所支援等を提供する事業所における利用者の安全確保に向けた取組や事業所における研修等の充実 3 計画の期間 障害者計画は、障害福祉計画及び障害児福祉計画の指針となる基本計画です。障害者施策は、施設整備や制度設計など長期的な視点が必要であることから、2024年度から2030年度までの7年間を計画期間としており、2026年度の一部改訂による計画期間の見直しは行いません。 一方、障害福祉計画及び障害児福祉計画は、国の基本指針に基づく3年間を計画期間としています。よって、「障害福祉計画(第8期)・障害児福祉計画(第4期)」は、2027年度から2029年度までの3年間を計画期間とします。 表があります。 2024年度から2035年度までの、各種計画の期間が載っています。 2024年度から2025年度、前計画。2026年度から2035年度、板橋区基本構想・板橋区基本計画2035。 2024年度から2025年度、前計画。2026年度から2028年度、いたばしナンバーワン実現プラン2028。2029年度から2035年度、次期計画策定(予定)。 2024年度から2025年度、前計画。2026年度から2030年度、板橋区地域保健福祉計画2030。2031年度から2035年度、次期計画策定(予定)。 2024年度から2030年度、板橋区障害者計画2030。2031年度から2035年度、次期計画策定予定。 2024年度から2026年度、板橋区障害福祉計画(第7期)・板橋区障害児福祉計画(第3期)。2027年度から2029年度、板橋区障害福祉計画(第8期)、板橋区障害児福祉計画(第4期)。2030年度から2032年度、次期計画策定予定。2033年度から2035年度、次々期計画策定予定。 8ページ 4 計画の対象 本計画は、障害があっても自分らしく安心してくらし続けられるまち「板橋」をみんなで創っていくための計画です。障害者手帳※の有無に関わらず、障害や難病などによって日常生活や社会生活において、何らかの制限を受けたり、不自由な状態にある人だけでなく、健常者や支援を行う人も含めた、すべての人(=みんな)を対象とします。 5 計画の推進に向けて 計画の進捗状況を適切に把握するため、学識経験者や地域の障害福祉に関わる関係者、当事者などにより構成される「板橋区地域自立支援協議会※」において、計画推進にあたっての課題の検討、進捗状況の点検・評価を行っていきます。 また、板橋区地域自立支援協議会の各定例部会などを活用し、本計画に掲げる重点項目などの検討を深め、障害者施策全体としての調和を図るとともに、より実効性のある取組を進めていきます。 6 検討体制 (1)庁内検討体制 課長級で構成する「板橋区地域保健福祉計画推進本部幹事会」において検討を進め、区長を本部長とする「板橋区地域保健福祉計画推進本部」(庁議)において決定します。 (2)外部検討体制 2026年度の一部改訂および策定にあたっては、学識経験者や地域の障害福祉にかかわる関係者、当事者などにより構成される「板橋区地域自立支援協議会」において聴取した意見を、計画に反映します。 庁内検討組織から外部検討組織に対し、意見聴取を行い、外部検討組織から庁内検討組織に対し、課題提起・提言を行います。 9ページ 7 エスディージーズとのつながり エスディージーズは、2030年までによりよい世界をめざす国際目標として2015年に国連で採択された「持続可能な開発目標」です。17のゴールと169のターゲットから構成され、地球上の「誰一人取り残さない(leave no one behind)」を基本理念としています。 このエスディージーズの理念は本計画がめざす地域共生社会の実現と密接に結びついており、17のゴールは本計画における施策との相関性が高く、地域福祉を持続的に推進する上で重要な指針となります。 区は、2022年5月に「エスディージーズ未来都市」に選定され、「絵本のまち」という独自の特色を生かした施策を展開しており、区民・団体・企業等がエスディージーズを自分ごととして捉え、学び、目標をもって行動する「エスディージーズのローカライズ」の普及・促進を進めています。 本計画では、エスディージーズの基本理念を意識して取り組み、地域住民や地域の多様な主体がつながり、支え合うことでだれもが安心して暮らし続けられる地域社会の実現をめざした施策を展開していきます。 エスディージーズにおける17のゴール 1 貧困をなくそう 2 飢餓をゼロに 3 すべての人に健康と福祉を 4 質の高い教育をみんなに 5 ジェンダー平等を実現しよう 6 安全な水とトイレを世界中に 7 エネルギーをみんなに そしてクリーンに 8 働きがいも 経済成長も 9 産業と技術革新の基盤をつくろう 10 人や国の不平等をなくそう 11 住み続けられるまちづくりを 12 つくる責任 つかう責任 13 気候変動に具体的な対策を 14 海の豊かさを守ろう 15 緑の豊かさも守ろう 16 平和と公正をすべての人に 17 パートナーシップで目標を達成しよう 10ページ ページ調整のため空白 11ページ 中扉 第1部 総論 第2章 板橋区の障害者の現状とこれまでの振り返り 1 障害者数の推移と傾向 2 障害者計画2030における重点項目の振り返り 3 障害福祉計画(第7期)・障害児福祉計画(第3期)におけるサービスの利用状況、取組の振り返り 12ページ 中扉裏 1の2 板橋区の障害者の現状とこれまでの振り返り 適切な支援につなげていくために 障害者数の推移と傾向の把握をはじめ、障害者計画2030における重点項目や、障害福祉計画(第7期)・障害児福祉計画(第3期)のサービス利用状況、取組の振り返りを行いました。また、2022年度に実施した障害のある人を中心とした板橋区障害者実態調査の結果を引き続き活用します。 障害者数の推移と傾向 障害者数は、2025年度までは増加傾向でしたが、2026年度は、37,241人と減少に転じました。難病患者は増加傾向にあり、精神障害者においても、2025年度の増加は顕著となっています。 障害児については2026年度は、1,305人となっており、近年は横ばい傾向となっています。しかしながら、手帳を所持していなくても支援を必要とする子どもも潜在的に存在しているため、ニーズを的確に捉える工夫を図り、適切な支援につなげていく必要があります。 障害者計画2030における重点項目の振り返り 障害者計画2030においては、「相談支援の充実」、「障害のある子どもの療育・保育・教育の充実」、「障害のある人の就労の拡充」、「多様な生活の場の整備」、「差別解消・権利擁護※の推進と地域交流の促進」の5つを重点項目と位置付け、取組を進めてきました。 今後は、これまでの成果や課題を踏まえ、より充実した施策・事業に取り組んでいきます。 障害福祉計画(第7期)・障害児福祉計画(第3期)におけるサービスの利用状況、取組の振り返り 障害福祉サービスについて、日中活動系サービスでは、生活介護や療養介護のほか、就労支援に係るサービスが増加しています。また、居住系サービスでは、共同生活援助(グループホーム)が増加しており、そのほか、計画相談支援をはじめとする、相談支援に係るサービスが増加しています。 障害児向けサービスにおいては、児童発達支援や放課後等デイサービスの利用が急増しています。 また、2022年度に実施した「板橋区障害者実態調査」において、障害福祉サービスの利用状況や生活実態、施策の推進に必要なことなどが明らかになっています。 13ページ 第2章 板橋区の障害者の現状とこれまでの振り返り 1 障害者数の推移と傾向 (1)障害者の推移と傾向 ①障害者全体(障害児を含む)の推移と傾向 障害者は、年々増加していましたが、2026年度は37,241人と減少に転じました。知的障害※者は2024年度に、身体障害※者は2025年度をピークに、減少に転じています。精神障害者は、2025年度までの増加が顕著でしたが、2026年度は前年度からほぼ横ばいとなっています。難病においては、引き続き増加傾向となっています。 棒グラフ「障害者の推移」 各年度4月1日時点 2022年度 身体障害者18,360人、知的障害者4,359人、精神障害者6,076人、難病5,447人、計34,242人 2023年度 身体障害者18,555人、知的障害者4,440人、精神障害者6,575人、難病5,796人、計35,366人 2024年度 身体障害者18,746人、知的障害者4,620人、精神障害者7,208人、難病5,979人、計36,553人 2025年度 身体障害者19,009人、知的障害者4,468人、精神障害者8,565人、難病6,144人、計38,186人 2026年度 身体障害者18,002人、知的障害者4,301人、精神障害者8,560人、難病6,378人、計37,241人 区の人口と障害者数の伸び率 各年度4月1日時点 板橋区人口 2022年度567,091人、2023年度570,076人、2024年度574,768人、2025年度580,912人、2026年度585,118人、伸び率103.2% 障害者数 2022年度34,242人、2023年度35,366人、2024年度36,553人、2025年度38,186人、2026年度37,241人、伸び率108.8% 内訳・身体障害者 2022年度18,360人、2023年度18,555人、2024年度18,746人、2025年度19,009人、2026年度18,002人、伸び率98.1% 内訳・知的障害者 2022年度4,359人、2023年度4,440人、2024年度4,620人、2025年度4,468人、2026年度4,301人、伸び率98.7% 内訳・精神障害者 2022年度6,076人、2023年度6,575人、2024年度7,208人、2025年度8,565人、2026年度8,560人、伸び率140.9% 内訳・難病 2022年度5,447人、2023年度5,796人、2024年度5,979人、2025年度6,144人、2026年度6,378人、伸び率117.1% 伸び率は、2026年度における2022年度比。 統計上、各障害者手帳所持者を障害者としており、難病については、難病医療費等助成制度認定者数を計上している。 難病患者には、スモン、先天性血液凝固因子欠乏症等、人工透析を必要とする腎不全を含む。 14ページ ②身体障害者の推移と傾向 身体障害者の推移を見ると、2025年度までは全体として増加傾向にありましたが、2026年度は18,002人となり、減少に転じました。種別ごとの割合は、多い順に肢体不自由※、内部障害※となっています。 棒グラフ「身体障害者の推移」 各年度4月1日時点 2022年度 視覚障害1,442人、聴覚・平衡機能障害1,794人、音声・言語・そしゃく機能障害202人、肢体不自由8,377人、内部障害6,545人、計18,360人 2023年度 視覚障害1,483人、聴覚・平衡機能障害1,847人、音声・言語・そしゃく機能障害210人、肢体不自由8,362人、内部障害6,653人、計18,555人 2024年度 視覚障害1,507人、聴覚・平衡機能障害1,916人、音声・言語・そしゃく機能障害222人、肢体不自由8,319人、内部障害6,782人、計18,746人 2025年度 視覚障害1,557人、聴覚・平衡機能障害1,964人、音声・言語・そしゃく機能障害234人、肢体不自由8,234人、内部障害7,020人、計19,009人 2026年度 視覚障害1,516人、聴覚・平衡機能障害1,874人、音声・言語・そしゃく機能障害217人、肢体不自由7,728人、内部障害6,667人、計18,002人 ③知的障害者の推移と傾向 知的障害者の推移を見ると、2024年度をピークに減少に転じており、2026年度は、4,301人となっています。認定別の割合は、4度(軽度)の方が最も多くなっています。 棒グラフ「知的障害者の推移」 各年度4月1日時点 1度は最重度、2度は重度、3度は中度、4度は軽度。 2022年度 1度162人、2度961人、3度1,003人、4度2,233人、計4,359人 2023年度 1度159人、2度991人、3度1,010人、4度2,280人、計4,440人 2024年度 1度161人、2度1,004人、3度1,027人、4度2,428人、計4,620人 2025年度 1度159人、2度988人、3度988人、4度2,333人、計4,468人 2026年度 1度152人、2度972人、3度950人、4度2,227人、計4,301人 15ページ ④精神障害者の推移と傾向  精神障害者の推移を見ると、2026年度においては8,560人となっており、昨年度比ではほぼ横ばいですが、ほかの障害と比べると、近年の増加が顕著です。2026年度は、2022年度に比べて2,484人増(伸び率:約141%)となっており、認定別では、3級(軽度)が最も増加しています。自立支援医療(精神通院医療)※の申請数も、2022年度に比べて4,468件(伸び率:約126%)増加しています。 棒グラフと折れ線グラフ「手帳所持者数及び自立支援医療申請数の推移」 各年度4月1日時点 手帳所持者数 2022年度 1級291人、2級2,921人、3級2,864人、計6,076人 2023年度 1級296人、2級3,046人、3級3,233人、計6,575人 2024年度 1級320人、2級3,290人、3級3,598人、計7,208人 2025年度 1級341人、2級3,872人、3級4,352人、計8,565人 2026年度 1級326人、2級3,930人、3級4,304人、計8,560人 自立支援医療申請数 2022年度17,373件、2023年度18,491件、2024年度19,237件、2025年度20,459件、2026年度21,841件 (2)障害児の推移と傾向 ①障害児全体の推移と傾向 障害児は、各障害に関する手帳を所持している18歳未満を計上しています。 手帳を所持する障害児は増加傾向にありましたが、2026年度は1,305人で、2025年度をピークに減少に転じています。一方、発達の遅れやつまづきなど、手帳を所持していなくても支援を必要としている子どもも潜在的に存在しています。また、医療的ケア児については、全数の把握に向けた仕組みの構築を進めており、こうした子どもたちの存在や多様化するニーズを的確に捉え、適切な支援につなげていくことが求められています。 棒グラフ「障害児の推移」 各年度4月1日時点 2022年度 身体障害児411人、知的障害児858人、計1,269人 2023年度 身体障害児411人、知的障害児906人、計1,317人 2024年度 身体障害児397人、知的障害児939人、計1,336人 2025年度 身体障害児380人、知的障害児962人、計1,342人 2026年度 身体障害児378人、知的障害児927人、計1,305人 16ページ 区の人口と障害者数の伸び率 各年度4月1日時点 18歳未満人口 2022年度71,474人、2023年度70,596人、2024年度69,901人、2025年度69,552人、2026年度69,081人、伸び率96.7% 障害児数 2022年度1,269人、2023年度1,317人、2024年度1,336人、2025年度1,342人、2026年度1,305人、伸び率102.8% 内訳・身体障害児 2022年度411人、2023年度411人、2024年度397人、2025年度380人、2026年度378人、伸び率92.0% 内訳・知的障害児 2022年度858人、2023年度906人、2024年度939人、2025年度962人、2026年度927人、伸び率108.0% 伸び率は、2026年度における2022年度比。 ②身体障害児の推移と傾向 身体障害児の推移を見ると、2024年度から微減傾向にあり、2026年度は378人となっています。また、認定別に見ると、1・2級の占める割合が多く、重度の障害児が多くなっています。 棒グラフ「身体障害児の推移」 各年度4月1日時点 2022年度 1級178人、2級75人、3級65人、4級37人、5級25人、6級31人、計411人 2023年度 1級183人、2級76人、3級65人、4級36人、5級23人、6級28人、計411人 2024年度 1級172人、2級75人、3級60人、4級40人、5級22人、6級28人、計397人 2025年度 1級168人、2級75人、3級53人、4級36人、5級20人、6級28人、計380人 2026年度 1級157人、2級78人、3級55人、4級43人、5級19人、6級26人、計378人 ③知的障害児の推移と傾向 知的障害児の推移を見ると、2026年度においては927人となり、2025年度をピークに減少に転じていますが、4度(軽度)が減ったことにより、2度(重度)や3度(中度)の障害児は増加傾向にあります。 棒グラフ「知的障害児の推移」 各年度4月1日時点 1度は最重度、2度は重度、3度は中度、4度は軽度。 2022年度 1度16人、2度167人、3度179人、4度496人、計858人 2023年度 1度12人、2度186人、3度193人、4度515人、計906人 2024年度 1度13人、2度188人、3度202人、4度536人、計939人 2025年度 1度15人、2度197人、3度206人、4度544人、計962人 2026年度 1度13人、2度212人、3度208人、4度494人、計927人 17ページ 2 障害者計画2030における重点項目の振り返り 障害者計画2030においては、基本理念を「つながり、支え合い、認め合い、自分らしく安心してくらし続けられるまち」とし、(1)相談支援の充実、(2)障害のある子どもの療育・保育・教育の充実、(3)障害のある人の就労の拡充、(4)多様な生活の場の整備、(5)差別解消・権利擁護の推進と地域交流の促進を重点項目と位置付け、取組を進めてきました。 (1)相談支援の充実 基幹相談支援センター※では、相談支援事業所の支援や相談支援専門員の育成を行いました。区内事業所の主任相談支援専門員と連携して、相談支援事業所を訪問してモニタリング※検証を行うなど、相談支援事業所を後方支援しています。 相談支援・障害児相談支援の充実のため、板橋区地域自立支援協議会(相談支援部会)や相談支援事業所実務担当者連絡会において、地域の相談支援体制に関する課題を共有しました。関係機関が連携して、相談支援事業所の質の向上に向けて取り組むための、協力体制を確保しています。 強度行動障害の支援体制の構築に向けて、支援ニーズの把握を進めてきました。2024年度に当事者家族にヒアリングし、2025年度の区内の相談支援事業所にアンケート調査した結果からは、強度行動障害に対応した短期入所(ショートステイ)や共同生活援助(グループホーム)設置へのニーズが高く、旧三園中継所跡地を活用した施設整備においては、強度行動障害の状態にある方を支援するグループホームの整備を予定しています。 板橋区発達障害者支援センター(あいポート)※では、精神保健福祉士※や社会福祉士※等による専門相談、グループワークや選択制プログラム等による社会参加支援、発達障害者の家族を対象とした家族学習会などを実施しており、成人期の発達障害者に対する総合的な拠点として支援に取り組んでいます。 板橋区子ども発達支援センターでは、発達に気がかりのある乳幼児からおおむね15歳までの子どもを対象に、公認心理師※や言語聴覚士※、作業療法士※による個別の専門相談を実施しています。また、保護者や支援者を対象とした、子どもの行動、言葉、コミュニケーションなどについての講座を開催し、発達に気がかりのある子どもへの理解と対応を深める取組を実施しています。 (2)障害のある子どもの療育・保育・教育の充実 2025年度から、医療的ケア児とその家族に寄り添った支援体制として、「医療的ケア児等コーディネーター事業」を開始しました。医療的ケア児等コーディネーターは、医療的ケア児等が必要とする保健、医療、障害福祉、保育、教育などの他分野にまたがる支援の利用を調整し、支援体制の充実に取り組んでいます。また、子ども発達支援センターの中に、医療的ケア児相談窓口を新たに設置し、ライフステージに応じた相談支援を実施しています。 重症心身障害・医療的ケア児等会議を運営しており、関係者が一同に会して、重症心身障害児及び医療的ケア児への支援に関する地域課題や対応策を情報共有し、意見を交換しています。 18ページ 〇 区内には児童発達支援センター※が3か所設置されており、障害児相談支援や関係機関との連携など、中核的な療育支援施設としての役割を担っています。 〇 児童発達支援事業所と放課後等デイサービスの整備は進んでおり、2024年度と2025年度の2年間で16か所の事業所が新規開設しました。また、2025年度末時点で、重度心身障害児や医療的ケアを必要とする子どもを受入可能な児童発達支援事業所が2か所、放課後等デイサービスが4か所設置されています。 〇 インクルーシブ教育システムの構築に向け、個別的知能検査の拡充や特別支援アドバイザーの増員などにより、適切なアセスメントに基づく指導・支援の充実を図ってきました。医師等専門家の相談体制の強化により教員の専門性向上を進めるとともに、学校生活支援員の配置拡充により、障害のある児童・生徒や特別な支援を必要とする児童・生徒の生活介助と安全確保等の体制整備を進めています。さらに、多様な教育的ニーズに対応するため、自閉症・情緒障害特別支援学級※の設置に向けた検討を進めています。 (3)障害のある人の就労の拡充 板橋区障害者就労支援センター(ハート・ワーク)※を運営し、障害者の一般就労と職場定着を支援してきました。精神障害のある人の増加や複雑化する就労ニーズに応えて相談機能を強化するとともに、生活面や医療面を含めた伴走型の就労定着支援を実施し、安定した就労定着率を維持しています。さらに、地域開拓促進コーディネーターを増員し、障害者雇用を行う企業へのサポート、就職機会の拡充、実習機会の拡充に取り組んでいます。 障害者活躍推進計画に基づき、区職員の計画的な障害者雇用に取り組んでいます。障害政策課の障害者活躍推進係においては、一般就労へのステップの場として、区の職員として就労する「チャレンジ就労」の採用を拡大してきました。実習生の受入れも拡充し、区職員としての就労体験を増やすとともに、庁内の軽作業や出先施設への派遣業務を通じて、庁内業務改善・効率化に寄与しています。 また、2025年度からは、チャレンジ就労職員の業務を支援する「障害者活躍支援員」を配置しています。交流会の実施や新たな執務スペースの確保をとおして、安心して働ける環境づくりを行っています。 就労継続支援B型事業所などの工賃※向上に向けて、各施設の業務受注の機会を拡大しました。各施設で生産した自主商品を販売する「スマイルマーケット」では、各種イベント出店やSNSを活用した商品PRにより、売上も着実に増加しています。 (4)多様な生活の場の整備 地域生活支援拠点等については、①緊急時の相談支援体制の整備、②緊急時の受入体制の整備・充実、③一人ぐらしの体験の機会・場の確保、④専門的人材の確保・養成、⑤多様なニーズに対応できる連携体制の構築に向けて、基幹相談支援センターを軸として様々な地域資源を活用しながら面的整備型で整備していくこととし、サービス提供体制の拡充を図っています。 19ページ 板橋キャンパス(都有地活用)※に今後開設予定の障害福祉サービス事業所においては、緊急時の受入対応が可能な短期入所(ショートステイ)、一人ぐらしの体験の機会・場として体験利用できる部屋を1名分確保した共同生活援助(グループホーム)が整備される予定です。 精神障害にも対応した地域包括ケアシステムについては、国の構築支援事業に参加し、保健・福祉・医療関係者による協議の場を設置しました。今後はこの協議の場を活用し、関係者間で連携しながら、精神障害者が地域の一員として安心して自分らしいくらしをするための地域課題など、検討を進めていくこととなります。 水害時の円滑な避難の実現に向けて、「避難行動要支援者※名簿」に記載されている方のうち、荒川・新河岸川浸水域及び土砂災害警戒区域にお住まいの方について、災害危険度の高いところから優先して「個別避難計画※」を作成しています。 (5)差別解消・権利擁護の推進と地域交流の促進 2024年4月1日に「改正障害者差別解消法」が施行され、事業者による障害のある人への「合理的配慮の提供」が義務化されました。区民を対象に、法改正の周知用の冊子を配布するとともに、障害を理由とした差別の禁止や、合理的配慮などについて学ぶ講演会を実施しています。 区では、職員が事務や事業を行うにあたり、障害を理由とした差別を行わず適切に対応するための基本事項や事例を示した「職員対応要領」に基づき、「板橋区障害者差別解消法ハンドブック(板橋区職員向け)」を作成し、職員研修などを通じて実践に向けた周知に取り組んでいます。 障害者福祉施設等の職員向けに、「障害者虐待※防止研修」を実施しました。また、事業所説明会や連絡会において、障害者虐待について説明し、板橋区の通報窓口を周知することで、虐待の早期発見、対応に繋げるための体制づくりに取り組んできました。 成年後見制度※の利用促進のため、権利擁護いたばしサポートセンターを中心に、権利擁護総合相談、成年後見制度の利用に関する相談や講演会を実施し、区民への普及に取り組んでいます。 「障害者週間記念行事※」や「障害者理解促進事業」などを通じて、障害及び障害のある人に対する理解を促進するとともに、区の窓口ではICTによるコミュニケーション支援機器を導入し、円滑なコミュニケーションを促進しています。 20ページ 3 障害福祉計画(第7期)・障害児福祉計画(第3期)におけるサービスの利用状況、取組の振り返り 障害福祉計画(第7期)・障害児福祉計画(第3期)において示している2024年度と2025年度の2か年における支援の種類ごとの事業量見込みと実績については次のとおりです。 (1)障害福祉サービスの実施状況(第7期障害福祉計画) 訪問系サービスでは、居宅介護、重度訪問介護、行動援護の利用者数が増加しました。居宅介護の伸び率が非常に大きくなっています。また、同行援護と行動援護は、利用者数・利用時間数ともに実績が見込量を上回っています。 日中活動系サービスでは、生活介護、自立訓練(機能訓練・生活訓練)、就労定着支援、就労継続支援(A型・B型)、療養介護の利用者数が増加しました。就労定着支援と就労継続支援(A型・B型)は、利用者数・利用時間数ともに実績が見込量を上回っています。 居住系サービスや相談支援では、共同生活援助(グループホーム)、施設入所支援、計画相談支援の利用者数が増加しており、実績が見込量を上回っています。 (2)地域生活支援事業の実施状況(第7期障害福祉計画) 理解促進研修・啓発事業や手話奉仕員※養成研修事業は、年度ごとに実績人数にばらつきはありますが、事業は着実に実施しています。移動支援事業は、実施事業所数は増加しているものの、利用時間数は減少しています。 日常生活用具給付等事業の実利用者数は、見込量を下回っていますが、地域活動支援センター※機能強化事業の実利用者数は、見込量を上回っています。 (3)障害児向けサービスの実施状況(第3期障害児福祉計画) 児童発達支援、居宅訪問型児童発達支援、放課後等デイサービス、保育所等訪問支援の利用者数は、いずれも急増しています。福祉型障害児入所施設、医療型障害児入所施設の利用実績は、ほぼ横ばいとなっています。 (4)実施状況を踏まえて これまでの区におけるサービス利用状況をもとに、国からの基本指針に示された成果目標を達成するため、活動指標を見込み、計画を策定します。 21ページ (5)板橋区障害者実態調査の結果 2022年度に、計画策定の基礎資料として、障害福祉サービスの利用状況や生活実態、障害者施策の推進に必要なことなどを把握するため、板橋区在住の障害者(児)、一般区民の方を対象に「板橋区障害者実態調査」を実施しました。 調査概要  調査期間:2022年9月7日から2022年9月30日  調査対象:6,000人       ・区内在住の障害者(児)及び一般区民から無作為抽出した5,800人       ・板橋区発達障害者支援センター(あいポート)利用者    100人       ・手帳を所持していない幼児(児童発達支援事業所利用者)  100人  回答方法:郵送及びインターネットによる回答 障害者・児 配布数5,000件、有効回収2,148件、有効回答率43.0% 一般区民 配布数1,000件、有効回収338件、有効回答率33.8% 「板橋区障害者実態調査」の結果、明らかになった傾向は次のとおりです。  ①障害者の回答結果の傾向 障害福祉サービスの利用状況は、全体で3割強の方が利用していると回答しています。障害種別では、知的障害と発達障害では5割、高次脳機能障害では4割の方が利用していると回答しています。 利用しているサービスは、居宅介護や生活介護、計画相談支援がほかのサービスより高い傾向にあります。 共生社会実現のため特に注力すべきことは、障害のある人の一般企業への就労の促進のほか、学校での障害に関する教育や情報の提供といった理解促進を求める割合が高くなっています。 障害のある人への理解度は、障害により多少のばらつきがあるものの、4割の方が足りていないと回答しています。 差別や嫌な思いの経験は、高次脳機能障害や難病では2割にとどまる一方、発達障害では6割、知的障害と精神障害では5割前後の方が経験ありと回答しています。 22ページ ②障害児の回答結果の傾向 障害福祉サービスの利用状況は、6割弱の方が利用していると回答しています。 利用しているサービスは、放課後等デイサービスが4割と最も高くなっており、計画相談支援、児童発達支援が2割台とほかのサービスより高くなっています。 共生社会実現のため特に注力すべきことは、学校での障害に関する教育や情報の提供と答えた方が7割を超え、非常に高くなっています。 障害のある人への理解度は、障害により多少のばらつきがあるものの、5割以上の方が足りていないと回答しています。 差別や嫌な思いの経験は、6割以上の方が経験ありと回答しています。 ③一般区民の回答結果の傾向 福祉ボランティア活動への関心度は、関心がある方と関心がない方が、それぞれ5割弱となっており、ほぼ半数ずつになっています。 障害者差別※を見聞きした経験は、経験ありと答えた方が約5割ですが、そのうち1割弱の方が「よくある」と回答しています。 障害のある人への理解度は、5割の方が足りていないと回答しています。 共生社会実現のため特に注力すべきことは、学校での障害に関する教育や情報の提供、通常の学級への受入れやインクルーシブ教育システムの推進といった子どもたちの教育のほか、障害のある人の一般企業への就労の促進といった、障害者と同様の傾向が見られました。 ④障害種別の回答結果の傾向 ア 身体障害 日中の過ごし方は、自宅にいる方と働いている方がそれぞれ3割前後を占めており、居宅介護などの在宅サービスを望む割合が高い一方、正社員でほかの職員と勤務条件などに違いがない方が多いことから、就労支援サービスを望む割合は低くなっています。 災害時の困りごとは、避難場所の設備や環境への不安のほか、投薬治療が受けられなくなることや安全な場所への移動が難しいことなどが挙げられています。 幼稚園・保育施設・認定こども園(以下、「園」という。)や学校生活での困りごとは、通うのが大変、トイレなどの設備が整っていないなど、環境に関することが挙げられています。 仕事上での困りごとは、給与・工賃などの収入が少ないほか、通勤が大変との回答が挙げられています。 イ 知的障害 日中の過ごし方は、特別支援学級・特別支援学校※に通っている方と福祉施設・作業所などに通っている方がそれぞれ約3割を占めており、放課後等デイサービスのほか、計画相談支援や地域移行支援、地域定着支援、行動援護など地域生活に関連するサービスを望む割合が高くなっています。 23ページ 災害時の困りごとは、約6割の方が安全な場所への移動が難しいほか、約5割の方から周囲とのコミュニケーションがとれないことが挙げられています。 園や学校生活での困りごとは、通うのが大変、トイレなどの設備が整っていないなど環境に関することが挙げられています。 仕事上での困りごとは、給与・工賃などの収入が少ないほか、職場の人間関係に関することが挙げられています。 ウ 発達障害 日中の過ごし方は、回答者は若年層の方が多く、平日、特別支援学級・特別支援学校に通っている方が約3割を占めており、児童発達支援のほか、就労移行支援や就労定着支援などの就労支援サービスを望む割合が高くなっています。 災害時の困りごとは、周囲とのコミュニケーションがとれないほか、避難場所の設備や環境への不安などが挙げられています。 園や学校生活での困りごとは、先生の理解や配慮が足りない場合があることや、障害に対する理解や配慮が引き継がれないなど、先生の専門性や人材育成に関することが挙げられています。 仕事上での困りごとは、給与・工賃などの収入が少ないほか、職場の人間関係に関することが挙げられています。 エ 精神障害 日中の過ごし方は、自宅にいる方が約4割を占めているため、計画相談支援や居宅介護などの在宅サービスのほか、地域移行支援や地域定着支援などの地域生活に関連するサービスを望む割合が高くなっています。 災害時の困りごとは、約6割の方から投薬や治療が受けられないことが挙げられています。 園や学校生活での困りごとは、先生の理解や配慮が足りない場合があることや、障害に対する理解や配慮が引き継がれないといった、先生の専門性や人材育成に関することのほか、まわりの児童・生徒たちの理解が得られにくいことが挙げられています。 仕事上での困りごとは、給与・工賃などの収入が少ないほか、職場の人間関係や障害に対する職場の理解不足が挙げられています。 オ 高次脳機能障害 日中の過ごし方は、自宅にいる方が約3割を占めており、自立訓練のほか、就労移行支援のサービスを望む割合が高くなっています。 災害時の困りごとは、災害時ひとりでの避難ができない方が約6割を占めている中、安全な場所への移動が難しいことが挙げられています。 園や学校生活での困りごとは、回答者数が少ないため分析することはできませんが、まわりの児童・生徒たちから障害に対する理解が得られにくいことが挙げられています。 24ページ 仕事上での困りごとは、回答者数が少ないため分析することはできませんが、通勤が大変であることが挙げられています。 カ 難病 日中の過ごし方は、働いている方が約4割、自宅にいる方が約3割を占めており、居宅介護や生活介護などの在宅サービスを望む割合が高い一方、正社員でほかの職員と勤務条件などに違いがない方が多いことから就労支援サービスを望む割合は低くなっています。 災害時の困りごとは、災害時ひとりでの避難ができない方は約2割でほかの障害に比べて低いものの、投薬や治療が受けられないことや、避難場所の設備や環境への不安が挙げられています。 園や学校生活での困りごとは、通うのが大変であるほか、先生の理解や配慮が足りない場合があるといった、先生の専門性に関することが挙げられています。 仕事上での困りごとは、給与・工賃などの収入が少ないほか、通勤時間・日数が多く体力的に不安であることが挙げられています。 (6)障害福祉サービス費用の推移 2023年度 決算額13,785,253,000円 2024年度 決算額15,098,388,000円 2025年度 決算額16,026,529,000円 障害福祉サービスに係る費用は、高齢化や障害の重度化による1人あたり給付費の増加や、自立支援給付費の報酬改定などを背景に増加しており、当面の間は同様に増加が続くと見込んでいます。 一方、区の財政は、これまで、特別区民税の増収などによる堅調な歳入環境が見込まれていましたが、国による不合理な税制改正の恒常化に加え、物価上昇などの懸念も山積しており、老朽化が進む公共施設の更新需要などを考慮すると、緊張感を持って対処しなければならない状況です。特に、事業を総合的・体系的に推進するためには、重点的かつ安定的に財源を配分していく必要があります。 そのため、次期障害福祉計画・障害児福祉計画の計画期間である2027年度から2029年度はもとより、将来を見越し、事務事業一つひとつについて、効果や効率性を見極めつつ、創意工夫を重ね、サービスの質の維持・向上を図っていきます。