2023年11月26日 ヨシタケシンスケさん講演会

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ページ番号4001826  更新日 2023年11月28日

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11月26日には、イラストレーターや絵本作家(あるいはそれらを目指す人)を対象にした講演会を開催しました。講師は、絵本作家のヨシタケシンスケさんです。この講演会はヨシタケさんの絵本を多数出版するブロンズ新社との共催によって実現したものです。同社の40周年記念事業の一環として、9月に開催したウクライナの絵本作家ロマナ&アンドリーの講演会に続き、未来の絵本の作り手たちに向けて開催した「絵本づくりの未来形」という講演会シリーズです。
ヨシタケさんは、2013年に『りんごかもしれない』(ブロンズ新社)で絵本作家としてデビューし、以来、多数の大ヒット絵本を生み出し続けています。2017年には『もうぬげない』(ブロンズ新社)がボローニャ・ラガッツィ賞を受賞し、授賞式のために訪れたボローニャ・チルドレンズ・ブックフェアは、ご自身にとって初の海外旅行だったそうです。現在ヨシタケさんの絵本はたくさんの言語に翻訳され、世界中で親しまれています。

参加者は10代の学生からキャリアを重ねたプロまで、幅広い方々が集まりました。ヨシタケさんがつけてくださった講演会タイトル「作家に必要なことー私の経験と意見と偏見」を見るだけで、絵本作家・イラストレーター、そしてそれらを目指すみなさんにとっては興味津々だったと思います。
今回は事前にみなさんからヨシタケさんへの質問を募っていたので、その質問に答える形で進みました。「美術の専門的な勉強はしていないけれど、絵本作家になるために学んだ方がいいことはありますか?」「自分に正直になる方法は?」「編集者と意見が合わないときは?」「もう絵を描くのは疲れた、といやになることはありますか?」など、クリエイターならではの率直な悩みや不安も質問にあらわれていました。
ヨシタケさんは、ご自身を早口とおっしゃっていましたが、各質問に対して言葉を尽くして丁寧に答えてくださり、参加者の皆さんは、その一言一言を逃すまいと聞き入ったり、メモを取ったりしていました。ヨシタケさんは、ご自身の絵本作りの経験に照らしてお話しながら、「これはぼくの場合です」「違うタイプの人もいます」といったことを何度も口にされ、それぞれが自分に合ったやり方を見つけることの大切さを繰り返していました。そして、表現にたずさわる人にとって人生のあらゆる経験が無駄ではないこと、何歳になっても始められること、そして自分自身が楽しいと思うことの重要性など、ヨシタケさんの言葉にみなさん励まされる思いがしたのではないでしょうか。
いつも使っているというスケッチブックも披露してくださいました。小さな紙に、とても小さく描かれたスケッチには、ヨシタケさんが日常の中で目にした面白いものや、ふと思いついたことがぎっしりとつまっていて、まさにアイデアの宝庫のようです。講演会の最後は、そのスケッチ帳の中に描かれていた「人間万事塞翁が馬」という故事で締めくくりとなりました。ヨシタケさんのお話をたっぷりと聞いた後に、この言葉を聞くと、すべてが腑に落ちるようでした。

講演会の後、「いますぐ家に帰って絵を描きたくなった」という参加者の方もいました。今回の講演会が、みなさんが制作を続けるための糧となりますように。ヨシタケさん、貴重なお話をありがとうございました!

講演会風景1

講演会風景2

講演会風景3