旧優生保護法による不妊手術の被害者救済を求める意見書

旧優生保護法による不妊手術の被害者救済を求める意見書

昭和23年に施行された旧優生保護法は、知的障がいや精神疾患を理由に本人の同意がなくても不妊手術を認めていた。同法は平成8年に障がい者差別に該当する条文を削除して母体保護法に改正された。
厚生労働省によると、旧優生保護法のもとで不妊手術を受けた障がい者らは約2万5,000人とされており、このうち、本人の同意なしに不妊手術を施されたのは約1万6,500人と報告されている。
本人の意思に反して手術が施されたとすれば、人権上問題がある。また、同様の不妊手術を行っていたドイツやスウェーデンでは当事者に対する補償等の措置が講じられている。旧優生保護法のもとで不妊手術を受けた障がい者らの高齢化が進んでいることを考慮すると、我が国においても早急な救済措置を講じるべきである。
よって、板橋区議会は、国会及び政府に対し、下記の事項について要望する。

記

1. 速やかに旧優生保護法に基づく不妊手術の実態調査を行うこと。
2. その際、都道府県の所有する「優生保護審査会」の資料などの保全を図るとともに、資料保管状況の調査を行うこと。併せて個人が特定できる資料について、当事者の心情に配慮しつつ、できる限り幅広い範囲で収集できるよう努めること。
3. 旧優生保護法改正から20年以上が経過しており、関係者の高齢化が進んでいることから、的確な救済措置を一刻も早く講じること。

以上、地方自治法第99条の規定により、意見書を提出する。

平成30年6月20日

東京都板橋区議会議長名

衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
内閣官房長官
厚生労働大臣　宛