こうぶんしょ館電子展示室65号「公文書からみる戦後板橋の施策」

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ページ番号1009242  更新日 2020年1月25日

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こうぶんしょ館電子展示室65号

「公文書からみる戦後板橋の施策」

板橋区公文書館は歴史の宝庫です!
公文書館には、区がこれまでに実施した様々な施策を知ることができる各種の資料(公文書・行政刊行物・写真など)が大事に保存され、皆さまの利用をお待ちしています。
今回の電子展示室は、これらの資料のうち、特に戦後の板橋区で実施された興味深い施策として「結婚相談所」、「公益質屋」、「検量所」という特色ある施策に関する資料を紹介し、戦後の板橋復興の歩みの一端について、皆さまと共に検証してみたいと思います。

1 結婚相談所のあゆみ

結婚相談所の開設 『板橋区政ニュース』(昭和23年3月1日号)

「道義のたい廃と社会不安、インフレの昂進、住宅難等々、若い人々には冷たい浮世の波風である。ことに結婚適齢期にある青年男女がよりよき生涯の伴侶をこの時代に見出すためには、多くの助言と援助の手がのべられなければならない。またこういう時にこそ、純潔教育の適切な指導機関がなければならない・・・・という必要から結婚相談機関の設置はかねて区長の念願であったが、いよいよ区文化委員会の全面的な応援を得て、3月1日から板橋区結婚相談所を区役所内に開設することとなった。相談所主任には、高い教養と、社会的経験豊かな田辺きく女史に依頼し、健全な結婚のあっせんと相談に応じ、若い人々の結婚に対する啓発と、宣伝に当たることとなった。」(注.原文通り、一部は常用漢字に変更)
これは「広報いたばし」の前身である「板橋区政ニュース」の中に書かれた結婚相談所開設に関する記事です。
戦後間もない時期の社会問題の一つとして結婚問題が挙げられていたこと、そしてその解決のために区が相談所を開設し、経験豊かな職員を配置して結婚の啓発と宣伝にあたっていたという、大変興味深い記事です。
開設されてから4年後、結婚相談所は区の重要な組織として、条例の下で運営されるようになります。

写真1
結婚相談所(1963年、写14782)

東京都板橋区結婚相談所条例の制定(昭和27年4月1日施行)

次に示す資料は、前述のように、昭和23年から始まった結婚相談が区の事業として具体的に条例化されたものです。その内容は、
第1条 区民の結婚の相談に応じ、その斡旋をなすと共に、健全なる結婚思想の普及をはかるため、東京都板橋区結婚相談所を設置する。
相談所の場所は板橋区役所内とする。
第2条 相談所の利用は無料とする。
といったものでした。

写真5
東京都板橋区結婚相談所条例の原議

結婚相談所条例の廃止(昭和40年4月1日施行)

地方自治法等の一部改正に伴う事務事業の移管措置及び区組織の改革等に関連して、この種の事業が移管施設である生活館において処理統合されることに伴い、単独の結婚相談所条例は廃止されました。以後、結婚相談は生活館(仲町20)で行うことになりました。
このように結婚相談所についての条例は廃止されましたが、その後も板橋区では結婚相談の事業を継続し続けています。現在では、広聴広報課 区民相談室で、火~木曜日に専門相談員が対応しています。

2 公益質屋のあゆみ

公益質屋とは、社会福祉事業の一環として市町村や社会福祉法人が営んでいた質屋のことで、民間の質屋(営業質屋)と比べて利率が安かったり、質流れまでの期間が長かったりと、お客にとって有利な規定で運営されていました。
次に紹介する条例は、東京都公益質屋事業が区に移管されたことを受けて、公益質屋の設置や管理について規定するために制定されたものです。

写真2
東京都板橋区公益質屋(1965年、写11846)

東京都板橋区公益質屋の設置及び管理に関する条例の制定(昭和27年4月1日施行)

第1条 公益質屋法及びこの条例に定めるところにより区内に居住する小額所得者に対して物品を質として資金を貸付けるため、公益質屋を設置する。
第2条 貸付金額は区長の認むる評価額の10分の7以下とし一世帯について8千円以内とする。
第3条 流質期限は、契約成立の日から4箇月とする。但し、区長が特に必要と認めた場合は、4箇月を超えない期間に限り延長することができる。
しかし、都営地下鉄6号線(現在は三田線)の建設用地を提供したことに伴い、公益質屋の建物が撤去されることとなります。そのため、昭和41年に「東京都板橋区公益質屋の設置及び管理に関する条例を廃止する条例」(昭和41年4月1日施行)が出され、板橋区公益質屋は廃止されました。なお、質屋を利用する人が減ってきたこともあり、平成12年6月には公益質屋の根拠法である「公益質屋法」そのものが廃止されています。

写真6
東京都公益質屋設置及び管理に関する条例案の原議

3 検量所のあゆみ

東京都板橋区営検量所条例の制定(昭和30年4月1日施行)

第1条 取引の正常化を推進し商工活動の進展に寄与する目的をもって区営検量所を次のとおり設置する。
東京都板橋区営検量所 東京都板橋区板橋町5丁目981番地
第2条 検量所は運搬車両に積載する貨物の秤量(ひょうりょう)を希望する者に対して検量を実施し、その結果について区長の発行する証明書を交付する。
この条例は、トラックなどに積載された積荷の重量を正確に測り、取引の安定化・正常化に資するために、区営の検量所を設置するために制定されたものです。当時、区内には民営の検量所は3か所しかありませんでした。そのため区が検量所を設置することにしたのです。
しかし、昭和40年には民営の検量所が16か所に増加し、またその設備・性能も高度化し、一般の利用も増加する傾向にありました。そのため区営検量所は、施設の老朽化も進んでいたことから、すでに施設設置の目的を達成しているとして、東京都板橋区営検量所条例を廃止する条例(昭和40年4月1日施行)により廃止されました。

写真3
昭和30年区営検量所開設(1955年、写779)
写真4
板橋区営検量所(1963年、写14007)

写真7
東京都板橋区営検量所条例の原議

以上のように、昭和20年代から30年代にかけて、時代は激変し、それに対応するように区の業務も様々な展開を見せていきました。そして昭和39年の東京オリンピックをはさんで、日本は高度成長へと突き進んでいくことになりました。
東京都への人口と産業の著しい集中は、住民の行政需要の面において、量の増大と質の複雑化を招きました。その結果、都と住民の距離は大きくなってしまいましたが、一方で区は限定された地方的業務を行なっているに過ぎないという状況にありました。
こうした事態に対処するため、政府は昭和37年10月の地方制度調査会の答申などに基づいて、昭和39年7月に、都区間の事務及び財源の合理的配分、都と区、区相互間の連絡調整方法などを盛り込んだ地方自治法の一部改正に踏みきりました。
この地方自治法の改正によって、昭和40年4月に特別区の制度が大幅に改革され、都から区に次の事務事業の移管が行なわれました。

  1. 福祉事務=福祉事務の仕事のすべて
  2. 保健衛生事務の一部(妊娠届・母子手帳、そ族・昆虫駆除、定期予防接種など)
  3. 土木関係=主要道路をのぞく区内のすべての道路および大谷口・城北公園
  4. 建築関係=特殊構造の建築物以外の許可

その結果

  1. 福祉事務所の設置、生活保護、母子福祉、老人福祉などの民生関係の事務
  2. 移管された母子寮(板橋および上板橋母子寮)、宿泊所(小豆沢寮)などの管理事務
  3. 保健所の敷地および建物の維持修繕に関する事務
  4. 予防接種、ねずみや害虫駆除、伝染病予防、結核予防などの保健衛生関係の事務
  5. 土地区画整理事業および市街地改造事業
  6. 建築基準行政に関する事務

などが区の事務とされました。
板橋区ではこれに対応して、区の組織の拡充強化をはかり、移管受け入れ態勢に万全を期すため、新たに部制を採用して、総務、区民、厚生、土木、建築の5部を置き、それぞれに複数の課を統括させて事務執行体制の強化をはかりました。
また区長に直属する組織として企画室を部の統括外におき、区政の総合的企画、調整などの機能を発揮させることになりました。
さらに、部制を採用するにあたって、本庁と出先機関との間の指揮命令系統の一元化をはかる必要から、支所を廃止して、新たに従来の窓口事務を引きついだ特別出張所を設けることになりました。そして、それまで支所の会計事務を担当していた副収入役を、本庁の収入役室に移し、収入役の職務の一般的補助に専念させることになりました。
このような過去の板橋区の行政施策についても知ることができる、板橋区公文書館をぜひともお訪ねください。
職員一同「もてなしの心」をもって、丁寧に対応させていただきます。
皆さまのご来館を心よりお待ちしております。

【引用・参考資料】
[公文書]
文書件名 「結婚相談所・公益質屋及び検量所関係原議」箱番号 35-19-05 事案番号 27-0000-000
[板橋区広報]
『板橋区政ニュース』(昭和23年3月1日号)
『板橋区政ニュース』(昭和24年5月15日号)
『板橋区政ニュース』(昭和25年9月20日号)
『板橋区広報』(昭和40年4月30日号)
[行政刊行物]
『板橋区結婚相談50年史』(企画部広報公聴課、2000年)
『わたしの便利帳 平成22年版』(政策経営部広報広聴課、2010年)
『板橋のあゆみ ―地方自治法施行30周年記念写真集―』(企画部広報課、1978年)
『板橋のあゆみ』(企画部広報課、1969年)
『板橋西保健所 創設十年の歩み』(板橋西保健所、1968年)

※公文書館には今回紹介した資料の他にも、多くの興味深い資料があります。是非、ご来館の上ご活用ください。

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