こうぶんしょ館電子展示室58号「櫻井德太郎文庫の紹介」

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ページ番号1009249  更新日 2020年1月25日

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こうぶんしょ館電子展示室58号

「何かが感じられる・・・?」 櫻井德太郎文庫の紹介

櫻井德太郎文庫とは

「櫻井德太郎文庫」は板橋区にゆかりの民俗学・日本宗教史学者である櫻井德太郎先生から寄贈された書籍類を中心に構成された、公文書館付設の文庫です。
平成11年度に第1回目の寄贈を受け、その後も数度にわたって寄贈いただきました。平成19年8月、櫻井先生は天寿を全うされましたが、先生の意思を継がれた御遺族からの寄贈が続けられており、平成20年度までに寄贈された書籍類は数万点にも上ります。
本文庫では、先生の学者としての功績を讃えながら、寄贈された「著書」、「研究論文」、「学術書籍類」、「学術資料」等を整理、配架するとともに、櫻井先生が如何に日本の民俗学界・宗教学界を牽引してきたかを確認し、その事実を広く区民の皆様に知っていただくことを主眼としています。こうした活動は、さらなる学問の発展にも寄与することとなるでしょう。
さて、櫻井先生は生前、地域の方々や学生達が「櫻井德太郎文庫」を利用することで「何かの役にたてれば」、また「何かを感じて欲しい」との思いを持たれていたそうです。今回の電子展示室では皆様に「何かを感じてもらう」ための一助として、「櫻井德太郎文庫」の蔵書にスポットをあて、各分野で目を引いた書籍をご紹介いたします。

文庫書籍の紹介

【註記】

  • 「櫻井德太郎文庫」の書籍は[NDC日本十進分類法]により分類・整理・配架しています。
  • 紹介書籍は発行年代が古いものを中心としました。
  • 紹介、書籍へのコメントについては、「フリー百科事典ウィキペディア」、「広辞苑」等を参照しました。

1 「学術書 総記」分野

  1. 神宮司庁『古事類苑(コジルイエン)』全50巻(古事類苑刊行会 1933年) 34巻欠 【蔵書番号9910025102ほか】
    • 明治時代に編纂された類書(一種の百科事典)
    • 全1,000巻を50冊にまとめてある。完成は明治40年(1907年)
  2. 屋代弘賢『古今要覧稿(ココンヨウランコウ)』全6巻(東京図書刊行会 1906年)【蔵書番号9910032068ほか】
    • 江戸時代、幕臣であり国学者・考証家また蔵書家としても知られた屋代弘賢が中心となり編纂した類書
  3. 松浦静山『甲子夜話(カッシヤワ)』全8巻(1910年)【蔵書番号9910031078ほか】
    • 江戸時代後期、肥前国平戸藩第9代藩主の松浦清(静山)により書かれた随筆

2 「学術書 哲学」分野

  1. 無住法師『沙石集(シャセキシュウ)』(法蔵館 1922年)【蔵書番号9910096175】
    • 鎌倉中期、仮名まじり文で書かれた仏教説話集(説話の数は150前後)
    • 沙石集の名義は「沙から金を、石から玉を引き出す」ことである
    • 学生時代の櫻井先生の読み跡(付箋・赤傍線)が残っている
  2. 柳田國男『沖縄文化叢説』(中央公論社 1947年)【蔵書番号9910086287】
    • 「・・・このたびの戦乱によって、中断せられた色々の学問の中でも、取分け再興のむつかしい一つは南の島々の文化史の研究・・・」(柳田國男)
    • 「これから沖縄の研究を試みようとする人々にとっては、最も相応しい入門書であり日本古代史の研究者にとっても、大きな示唆を興へて呉れる必読書」(あとがきより)
  3. 宗教・仏教・思想に関する辞典類
    • 『大蔵経(ダイゾウキョウ)索引』全3巻(1927年)【蔵書番号397~399】
      仏教聖典の索引
    • 『望月仏教大辞典』3~8巻【蔵書番号363~368】、『日本社寺大観』【蔵書番号323、324】、『国史大辞典』【蔵書番号494~510】、『大日本地名辞書』【蔵書番号650~656】等
写真2
柳田國男氏の三著作

3 「学術書 歴史」分野

  1. 渡邊世祐『豊太閤の私的生活』(創元社 1939年初版)【蔵書番号9910036307】
    • 公的生涯において非常に光彩ある事業を成し遂げた太閤の私的生活面にスポットをあて、太閤自筆の書簡等の史料に基づき論じられている。
  2. 鉄道省『日本案内記 関東篇』(博文館 1930年版 25版)【蔵書番号9910048427】
    • 「日本案内記」は現在の日本国内のガイドブックの原型
    • 「交通図」「史跡・名勝位置図」「関東地方方言」等の案内がある
  3. 高山岩男『日本の課題と世界史』(弘文堂書房 1943年初版)
    • 第二次世界大戦のさなかに刊行された図書で、「戦争は大東亜共栄圏の建設という至上の理想、近代の超克(困難を乗越える)のためには止むを得ないもの」と戦争を肯定している。
写真4
鉄道省発行 日本案内記 関東篇
写真6
高山岩男著 日本の課題と世界史

4 「学術書 社会科学」分野

  1. 柳田國男『遠野物語』増補版(郷土研究社 1935年初版)【蔵書番号9910064015】
    • 1910年に発表した説話集の増補版。日本の民俗学の黎明を告げた図書
    • 遠野盆地・街道にまつわる民話(天狗・河童・座敷童子等の妖怪、山人・神隠し・死者に関する怪談等)が多岐にわたって集められている。
  2. 田中喜多見『山村民俗誌 山の生活篇』(一誠社 1933年初版)【蔵書番号9910058062】
    • 柳田國男の愛読書。「「山の生活」は、~著者(田中)が実験といふ以上、自身此の事実の中に生まれ且つ活きた人であること、それが民間伝承学の黎明に目覚めて始めて、自ら織ろうとした内容の記録~」(柳田筆序文引用)
  3. 柳田國男『日本民俗学研究』(岩波書店 1942年 第四刷)【蔵書番号9910058036】
    • 昭和10年7月31日~8月6日に柳田國男の計画で開催された「日本民俗学講習会」における14題目の講演と座談会の筆録編纂集
    • この講習会を契機に、民俗学界の連絡機関として「民間伝承の会」が発足した。
  4. 平出鏗二郎・藤岡作太郎『日本風俗史』中・下編(東陽堂 1895年)【蔵書番号9910069394】
    • 中編 鎌倉時代・室町時代の風俗
    • 下編 江戸時代の風俗

5 「学術書 自然科学」分野

  1. 杉田玄白『蘭学事始』(岩波文庫 1945年)【蔵書番号9910093484】
    • 「解体新書」上梓の苦労談を中心として、わが国蘭学の初期における回想を叙したものである

6 「学術書 技術・工学」分野

  1. 色川大吉『不知火海総合調査報告 水俣の啓示』全2巻(筑摩書房 1983年)【蔵書番号9910046435 、9910046447】
    • 1953~1955年に、熊本県水俣地方で住民が工場廃液による有機水銀に汚染した魚介類を食したことにより集団的に発生した水俣病の調査報告書

7 「学術書 産業」分野

  1. 『日本産業史大系』全7巻(1巻欠)(地方史研究協議会 1959~1960年)【蔵書番号9910044126ほか】
    • 北海道地方篇~九州地方篇。各地方の産業史についてまとめられている。

8 「学術書 芸術・美術」分野

  1. 『無形文化財・民俗文化財・文化財保存技術一覧』(1983~2001年)【蔵書番号9910129354ほか】
  2. 『大和古寺大観』(第1巻~第7巻)(岩波書店 1976~1978年)【蔵書番号1193~1199】
  3. 『日本絵巻物全集』(第1巻~第12巻)(角川書店 1958~1964年)7巻、8巻欠【蔵書番号1200~1209】
    • 源氏物語絵巻、鳥獣戯画、西行物語絵巻、当麻曼荼羅縁起などが掲載されている
  4. 水木しげる『水木しげるお化け絵文庫』全10巻(彌生書房 1975~1976年)【蔵書番号9910070549ほか】
    • 「ゲゲゲの鬼太郎」と同時期に発表。水木氏から櫻井先生への贈呈本で、「水木氏」のサインあり。
    • 水木しげる氏は漫画家、また日本民俗学会会員・世界妖怪協会会長でもある。「ゲゲゲの鬼太郎」は1967年、「少年マガジン」に連載されていた「墓場の鬼太郎」から改名された、水木氏を代表する作品。
写真1
水木しげる氏サイン入り本

9 「学術書 言語」分野

  1. 『大言海』(全5巻)【蔵書番号1215~1219】、『大漢和辞典』全13巻【蔵書番号1240~1252】

10 「学術書 文学」分野

  1. 正宗白鳥『作家論』(一)(二)(創元社 1946年)【蔵書番号9910080689 、9910080691】
    • 正宗白鳥:1904年「寂寞」で文壇デビュー。昭和期に入り、活動の主点を評論に置き、その鋭い観察眼と批評が定評を得る。1935年、島崎藤村・徳田秋声らと日本ペンクラブを設立。
    • 作家論(一)田山花袋・二葉亭四迷・正岡子規・森鴎外・夏目漱石ほか全16人
    • 作家論(二)永井荷風・谷崎潤一郎・志賀直哉・芥川龍之介ほか全22人その他
  2. 『岩波文庫』の初版本
    • 森鴎外『渋江抽斎』(1940年)【蔵書番号9910099563】
    • 島崎藤村『生ひ立ちの記』(1943年)【蔵書番号9910098511】
    • 永井荷風『墨東綺譚』(1947年)【蔵書番号9910097658】
    • 田山花袋『妻』(1957年)【蔵書番号9910100695】→櫻井先生付箋多数
  3. 田山花袋『東京の三十年』(創元社 1947年)【蔵書番号9910048516】
    • 1917年初版 明治20年代~大正初期の東京を描く
    • 巻尾「読後感」を正宗白鳥が執筆
    • 櫻井先生の読書跡が多数残る
写真3
正宗白鳥著 作家論

以上、文庫を分類・整理している過程で、目を引いた図書を中心に紹介させていただきました。
これからも機会があれば「櫻井徳太郎文庫」の蔵書の中から興味深い本を紹介いたします。
また、「櫻井徳太郎文庫目録」を平成21年2月2日に当館ホームページにアップしてありますので、あわせてご利用ください。
※櫻井德太郎文庫には、紹介した書籍のほかにも、たくさんの書籍・資料を保存、公開しています。どうぞ、皆さま一度来館してご覧ください。

写真5
柳田國男著 海南小記
写真7
研究資料室におかれた櫻井氏の著作

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