江戸近郊図 歌川広重 江戸時代
- 技法
- 絹本著色
- サイズ
- 円窓 径54.8cm
円窓の右端に老松の巨木を配し、その背後にはのどかな田園風景が広がる。そこには自然の野山や樹木が、農民の生活に融け込んでいる古き良き時代が描き込まれている。
筆者の広重は、「東海道五十三次」の名作で名高い。叙情的風景画を得意とする浮世絵師である。
円形の画面も珍しいが、それを張りつけた表具がこっている。富士と鶴が染め抜いてあり、本図の遠景に富士が眺望できる趣向である。描かれた自然と染められた自然が一体となった優品といえよう。
UTAGAWA Hiroshige