Bologna Report 2009

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ページ番号4000607  更新日 2020年1月29日

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BOLOGNA MEMO 2009 HITO


イラスト:はじまり ダミー本づくりのまいにち+(おいしいもの情報収集)

初応募での入選だった私は、とにかくびっくりしました…。いつかボローニャに、とぼんやり思っていましたが、一気に現実です。気持ちが落ち着いてきてから、うれしさと同時にやっぱり見本市で売り込みをしてみたい!作品を評価してくれた原画展の空気を現地で味わいたい!と強く思い、ボローニャ1人旅は決定したのでした。
とりあえず「英語のダミー本」の準備を始めました。私は英語が得意ではないうえにうっかり者なため、作品を正確に伝えるにはダミー本しかない、と思ったのです。心優しい周りの協力のもと、ステキな英訳に直してもらいダミー本は完成。これさえあればなんとかなるはずです、おそらく。


イラスト:いよいよ 見本市会場入口。見上げると各国の国旗が。

乗り継ぎをして、見本市の当日の午前中にボローニャに到着しました。空港からバスでボローニャ中央駅に行き荷物を預け、再びバスで見本市会場へ。会期中のため駅前の乗り場が変更になっていたので臨機応変に。バスのHPを事前に見ておくと路線図などがわかって心強いです。
見本市会場はとっても広い!入口のディスプレイから気持ちが盛り上がります。原画展の会場は入口から少し奥の所にあります。その手前にあるJBBYのブースにひとまず立ち寄りました。
そしていよいよ作品と再会です。一足先にボローニャ入りしている5枚の絵たちは、相変わらずのんびりしていました。外国で自分の絵が展示されている事は、うれしくて不思議な気持ちです。しばらくじっと見入ってしまいました。

写真:ボローニャ風景1

写真:ボローニャ風景2

写真:ボローニャ風景3


イラスト:いざ 出版社によっては順番待ちの人たちも なんとなくひといき

出版社に売り込みへ。初日はJBBYブースにて知り合ったイラストレーターのみなさんに便乗させてもらい様子を見ながら回りました。ブースの数がとにかくすごい…。
でも、意気込みすぎるのは自分には向いていないので、各エリアにあるカフェスペースで、エスプレッソや搾りたてオレンジジュースを飲んでほっとひといき。あくまでもマイペース。気持ちに余裕が出てきてから会場を回ると、自分の絵と合いそうな出版社がわかってきました。
最終日、駒形克己さんの「スモールワールド」ブースにて作品を見ていただきました。


イラスト:夕方、マッジョーレ広場にて。ピスタチオのジェラートを食べながら振りかえる。

会場を回った中でやっぱり駒形さんに、と強く思ったのです。絵本としては話、絵もシンプルすぎるしどうなのだろう?と思うところあるままボローニャに来た私・・周りの売り込みの熱意に圧倒され、日本の出版社に厳しくももっともな意見をいただき、ちょっと落ちこんでいました。そのような事を話すと駒形さんは「自分をマイナスに評価しているけど、1人で悪く思い込みすぎ。すごく良い絵だと思っていたよ」といろいろな助言を下さり、私は心がじわーっと温かくなって、自信がわいてくるのがわかりました。隣にいたフランスの出版社の方も「すごく好き」とダミー本を微笑んで見てくれました。そして私の絵が合いそうということで、フランスの出版社の方が直々に来てくれることに!偶然にも憧れていた出版社でした。「良い絵は周りの人を動かすよ」と、駒形さんの言葉も忘れられません。
おそれ多くも駒形さんに通訳をしていただきながら、感想や意見を聞くことができました。絵がシンプルな分、ダミー本も紙にこだわって制作したのですが、紙もほめていただきうれしかったです。「素朴で淡々としているけれどほほえましい」と、自信をなくしていた所を全部評価していただきました。この絵で大丈夫なんだ、と再確認できました。最終日でようやく。

イラスト:ぜひ!

反省も色々あるけれど、得たものも本当にたくさん。 私は「言葉がわからないこと」が何より心配でしたが、周りの人に助けを求めたりすれば、なんとか乗り切れたりもします。そんな状況下での「英語のダミー本」はとても心強いものでした。ささっと見せられ、作品内容がすぐ伝えられるので。私は入選作品だけをダミー本にしましたが、2~3作品あったほうが確実に幅は広がるので、よりいいかもしれません。
世界各国の出版社に作品を見てもらい意見を聞けることは、とても貴重な経験で、視野もぐぐっと広がります。それぞれの「国」も感じることができる見本市。独特の空気があるのです。
ボローニャに行って、私の中の引き出しがまた1つ増え、自信にもつながりました。素朴だけれどなんだかいいな、と思えるような絵をこれからも描いていきたいです。

イラスト/題字/文/写真 HITO

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