教育広報「教育の板橋」(テキスト版)第113号 1面
教育広報 教育の板橋 2024年1月15日号 第1面です
確かな学力の定着・向上、子どもたちの自己学習力・自己決定力の育成をめざしていきます
令和5年度 全国学力・学習状況調査の結果と今後の取組について
令和5年4月、全国の小学校第6学年と中学校第3学年の児童・生徒を対象に、全国学力・学習状況調査が実施されました。今年度は国語、算数・数学に加え、中学校英語の調査を実施しました。
教科に関する調査の結果
【全国平均正答率との比較】
板橋区の平均正答率について全国と比較しました。令和5年度は、下記の表のとおりです。
また、各教科の分析は以下のとおりです。
・無解答の割合が全国平均より高い傾向から、若干の改善傾向がみられるものの、依然として無解答の多さがみられる。
・無解答の割合を低くすることと、「児童・生徒自ら学習の見通しをもつこと」「学級で話し合う活動を通じて、自分の考えを深めること」「根拠を基に筋道を立てて考える力を育成すること」に関わりがある。
・小・中学校ともに、国語の記述式問題では、問題文の条件を一部しか満たさない誤答が多い傾向にある。
・小学校算数では、筆算の仕方を計算の意味と結び付けて理解する問題の正答率が低い傾向にある。
・中学校数学では、事象を数学的に解釈し、問題解決の方法を数学的に説明する問題の正答率が低い傾向にある。
・中学校英語では、社会的な話題に関して読んだことについて、考えとその理由を書く問題の正答率が特に低い傾向にある。
学力の定着・向上に向けた学校の取組
【「板橋区 授業スタンダード」の徹底】
板橋区立小中学校では、「板橋区 授業スタンダード」に基づく授業を全校で実施しています。「1学習課題・めあての設定→2児童・生徒が自力で問題解決→3考えを共有し、集団で問題解決→4まとめ・振り返り」という基本の授業の流れに沿って授業を進めるとともに、児童・生徒自身がその学びの過程を自分の力として身に付けることをめざします。
また、さらに一人一台端末を効果的に活用することで、見通しをもって粘り強く取り組み、自己の学習活動を振り返って次につなげる「主体的な学び」や、子ども同士の協働等を通じ、自己の考えを広げ深める「対話的な学び」を通して、知識を相互に関連付けてよく深く理解し、問題を見いだして解決する等の「深い学び」をめざしています。
【小中一貫教育に向けた取組】
22の学びのエリア(中学校区)の小中学校で全国学力・学習状況調査の結果を共有し、9年間を通して学力の定着・向上をめざします。その視点の一つが「読み解く力の育成」です。板橋区では、読み解く力を「教科書等の文章や図表等から読み取ったことを基にして、わかったこと、考えたことを相手に伝える力」と定義しています。これからの予測不能な世の中を生き抜くために、文字言語を正しく理解し、活用することができるよう、今後も徹底して指導していきます。
学力と生活習慣等との関係
教科に関する学力についての調査結果と、児童・生徒質問紙における回答結果との関連が大きい学習習慣や生活習慣等は以下のとおりです。
<生活習慣等>
毎日、同じくらいの時間に寝て、起きていること。
自分のよさがわかっていること。
自分と違う意見について考えるのは楽しいと思うこと。
<学習習慣等>
家庭学習や宿題を、自分で計画を立てて行っていること。
友達と話し合い、自分の考えを深めたり、広げたりできること。
授業で学習した内容を振り返り、次につなげていること。
生活をよりよくするために学級会で話し合い、互いの意見のよさを生かして解決方法を決めること。
学力の定着・向上や、児童・生徒の自己学習力や自己決定力の育成には、学校での学びに加え、家庭や地域との連携も必要だと考えています。引き続き、学校とともに児童・生徒の豊かな成長を見守り、支えてくださいますよう、お願いします。
小学校 |
平均正答率(%) |
令和4年度 における差 |
令和3年度 における差 |
平成31年度 における差 |
||
---|---|---|---|---|---|---|
国語 |
区 |
69 |
差 |
ー |
ー |
ー |
都 |
69 |
0 |
-3.0 |
-1.0 |
-3.2 |
|
国 |
67.2 |
1.8 |
0.4 |
2.3 |
-1.8 |
|
算数 |
区 |
66 |
差 |
ー |
ー |
ー |
都 |
67 |
-1.0 |
-2.0 |
-2.0 |
-3.1 |
|
国 |
62.5 |
3.5 |
1.8 |
1.8 |
0.2 |
中学校 |
平均正答率(%) |
令和4年度 における差 |
令和3年度 における差 |
平成31年度 における差 |
||
---|---|---|---|---|---|---|
国語
|
区 |
70 |
差 |
ー |
ー |
ー |
都 |
72 |
-2.0 |
-2.0 |
0 |
-1.8 |
|
国 |
69.8 |
0.2 |
-1.0 |
2.4 |
-0.1 |
|
数学 |
区 |
51 |
差 |
ー |
ー |
ー |
都 |
54 |
-3.0 |
-3.0 |
-1.0 |
-2.2 |
|
国 |
51 |
0 |
-0.4 |
1.8 |
-0.4 |
|
英語 (聞く・ 読む・ 書く) |
区 |
48 |
差 |
ー |
ー |
ー |
都 |
52 |
-4.0 |
ー |
ー |
-3.5 |
|
国 |
45.6 |
2.4 |
ー |
ー |
-1.1 |
|
英語 (話す) |
区 |
12 |
差 |
ー |
ー |
ー |
都 |
ー |
ー |
ー |
ー |
ー |
|
国 |
12.4 |
-0.4 |
ー |
ー |
ー |
いたばし学級活動の日
~一人ひとりが大切にされる学級、社会に参画する態度の育成をめざします~
今年度1月20日(土曜日)を「いたばし学級活動の日」と定め、区立全小中学校の全学級で「話合い」の授業を公開します。学校、地域、保護者が協力して、子どもたちが主体的に考え実践していく態度を育成することが目的です。
注:一部学校によって実施日が異なります。詳細は各学校にお問い合わせください。
学級や学校をよりよくするために話し合う
話し合う内容は、主に学級や学校の課題に関することです。子どもたちの声を聞くと、学校生活の課題を自らの力で解決しようと取り組んだ経験が自信につながっている様子がうかがえます。
校則の見直しに取り組んだ中学生の声
タブレットやスマートフォンの使い方について話し合いました。いろいろな人の意見を聞くことで、よりみんなが納得できるルールになったと思います。自分たちで決めたルールなので、お互いに声を掛け合って守ろうという意識が高まりました。
小学校では、学級で行う集会活動や行事について「いろいろな考えがあるね」「次はもっとこうしよう」と意見をつなげ、互いのよさを生かして合意形成をする中で、子どもたち自身が成長を感じられるようになりました。
話合いの経験を積み重ねた小学生の声
学級活動では「青春のスタート」という集会の企画を話し合いました。だんだんと、たくさんの意見が出るようになったので、みんなが楽しめるように工夫したいです。
移動教室の後に、クラスの良かったところや課題を出し合いました。改善策を話し合ったので、卒業に向けて元気で楽しいクラスにしていきたいです。
また、いずれの声からも、子どもたちが互いの意見を聞き合い、納得のいく解決策を見いだし話し合う経験を通して、「学校や学級を自分たちの力でよりよくしていきたい」という意識をもつようになったことがわかります。
学校や保護者、地域の力で子どもたちを育む
授業の様子は、保護者や地域の方に公開します。学校によって方法は様々ですが、授業後に感想を述べてもらったり、アンケートを実施したりすることで、子どもたちの様子について意見を交わす機会を設ける予定です。子どもたちが主体となって話合いを進める学級活動では、うまく意見がまとまらないこともあるかもしれませんが、社会の先輩である保護者や地域の方から子どもたちへエールを送ってもらったり、学校、保護者、地域が子どもたちにどのように育っていってほしいか意見を交換したりする機会にしていきます。
問い合わせ
指導室 電話3579‐2643
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〒173-8501 東京都板橋区板橋二丁目66番1号
電話:03-3579-2603 ファクス:03-3579-4214
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