開催報告「“知っておきたい”男性が介護をするということ」
講座「”知っておきたい”男性が介護をするということ」を開催しました!
背景
共働き世帯が増加する現代においても、妻(女性)が介護をする傾向が強く、その負担から、仕事を辞めざるを得ない女性が増えています。また、第一子出産年齢が上がっていることが影響し、子育てと介護が同時に訪れる「ダブルケア」も社会問題化しています。
今回は、そのような社会問題等がある中で、板橋区内にある「東京都健康長寿医療センター研究所」で福祉と生活ケア研究チーム研究員を務める平山亮先生をお招きし、ジェンダーの視点を踏まえた「介護と男女の歴史」「介護と家事の関わり」「ケアの責任」などについて、板橋区立グリーンホールでセミナーを開催しました。
開催報告
セミナーの中では、「既婚の息子介護は夫婦関係の総決算」「自分以外の人を巻き込むことで、周りに相談しながら、親や自分の希望を伝える」など、これから介護に直面する人、今まさに介護に直面している人、それぞれがこれから関わっていく中で心に留めておきたい言葉がたくさんあり、講座の1時間半があっという間に過ぎていきました。
最後のまとめとして、「介護の問題は介護に限った問題でなく、それまでの関係の延長線上にある」「ノウハウを知ることだけが備えではない」「ケアにおける責任とは、自分だけに依存させない、ひとりでやらない、できるだけ多くの人を巻き込みこと」というメッセージを発信されていました。
このメッセージを受け、介護に関わっていく中で、男性が女性に対して、女性が男性に対して抱く感情、女性が退職して介護に関わるという現状、それらは、ジェンダーや歴史的な背景、そして子育て等で生まれる夫婦関係や日常の家事との関係など、様々な要因により生じていることに気付かされました。
そして、このような背景や関係による部分もあることを理解し、夫婦・家族が介護に直面したときに慌ててノウハウを学ぶのではなく、早い段階から関係を意識した行動をとっていくことが必要であると感じました。
最後に、10月の「いたばしパパ月間」に合わせ実施した当講座ですが、「夫婦関係の総決算」という言葉のとおり、パパとしてパートナー(妻)と一緒に子育て・家事に積極的に関わっていくことは、ご自身の親御さんなどの介護が必要になった時、そして将来、地域の中で自分の居場所を見つける時、その影響はとても大きいのかもしれません。
今後も、男女社会参画課では「男女共同参画社会の実現」に向け、様々な取組を推進していきます。
開催概要
とき
平成30年10月17日(水曜日)午後7時00分~午後8時30分
場所
グリーンホール601会議室
講師
平山亮氏(東京都健康長寿医療センター研究所 福祉と生活ケア研究チーム研究員)

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