館蔵品展アヴァンギャルド画家たちの東京

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ページ番号4000019  更新日 2020年1月28日

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チラシ:アヴァンギャルド画家たちの東京

会期
2019年9月7日(土曜日)〜10月6日(日曜日)
開館時間
午前9時30分〜午後5時
(入館は午後4時30分まで)
休館日
月曜日(9月16日、23日は祝日のため開館し、翌9月17日、24日は休館)
観覧料
無料

板橋区立美術館では、ヨーロッパから紹介されたフォービスムやシュルレアリスムに影響を受けた戦前の作品、戦後のルポルタージュ絵画など、アヴァンギャルドに分類される作品を数多く所蔵しています。今回は、これらの作品を「東京」を切り口にご紹介いたします。
明治以降の東京には、美術学校や画塾、美術館、画廊が集中し、画家、画学生、美術愛好家も集まり、芸術の中心地になりました。また、東京は画家たちの創作意欲を掻き立てる場所でもありました。長谷川利行は、東京の各地を放浪し、浅草、銀座、新宿などの街の喧噪を繰り返し描きました。《水泳場》は、関東大震災の復興のために隅田公園に作られたプールが舞台となっています。荒い筆使い、鮮やかな色彩で描かれたこの作品からはプール遊びに興じる人々の歓声が聞こえてきそうです。また、アメリカ帰りの画家、野田英夫は東京の街を興味深く観察しています。《上野山下風景》には、上野駅前をリヤカー、自転車、自動車など様々な手段で通りを行き交う人々の一瞬の姿が捉えられています。
画廊の街、銀座では画家たちが結成したグループの展覧会も盛んでした。1930年代中頃には、若手画家や学生たちがシュルレアリスムに影響を受けた作品を競うように発表しています。しかし、太平洋戦争開戦の頃からシュルレアリスムは弾圧を受けるようになり、自由な発表が困難になります。そのような状況の中、松本竣介や麻生三郎、井上長三郎らにより結成された「新人画会」の銀座で開かれた展覧会には戦争とは直接に関わりのない、日常を描いた作品が展示されました。出品作のひとつ、麻生三郎の《女》は、灯火管制の下、池袋モンパルナスのアトリエで妻をモデルに描いたものです。この作品からは戦争による緊迫した状況とその中でも描こうとする画家の強い意志が感じられます。
戦後の東京では、急激に変貌を遂げる街の姿や各地での基地闘争、労働問題などを表現豊かに描いた作品が発表されました。中村宏の《血井(Ⅰ)》は、溢れ出るトイレに都市機能がパンクした危機的な状況を重ね合わせているようです。赤一色で描かれたトイレからは、見慣れた日常に潜む闇が見え隠れしています。
本展では、戦前、戦中、戦後と東京を描き、東京で描かれた作品から画家の思想に迫ります。


作品1
長谷川利行 《水泳場》 1932年
作品2
野田英夫 《上野山下風景》 1938年

作品3
麻生三郎《女》1944 年
作品4
井上長三郎《風景(下板橋)》1926~27年

作品5
松本竣介《鉄橋近く》1943 年
作品6
中村宏《血井(Ⅰ)》1962年

作品7
古沢敏子《K子の晩餐》1951年頃
作品8
桂川寛《おんどりと鉄骨》1957年

作品9
寺田政明《化石鳥魚》1939年
作品10
峰村リツ子《本棚》1929年
(全て板橋区立美術館蔵)

関連イベント

記念講演会「アヴァンギャルド画家の東京 ──長谷川利行・野田英夫・松本竣介」

日程
9月15日(日曜日)
講師
田中淳(公益財団法人大川美術館長)
時間
午後2時から午後3時30分
当館1階講義室にて、申込不要、聴講無料、先着100名、当日会場へお集まりください。

ギャラリートーク

担当学芸員が展示室を参加者と一緒にめぐりながら作品や作家についてお話いたします。

日程
9月7日(土曜日)、9月21日(土曜日)、10月5日(土曜日)
時間
いずれも午後2時より50分程度、参加無料、当日2階展示室ロビーへ直接お集まりください。

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このページに関するお問い合わせ

板橋区立美術館
〒175-0092 東京都板橋区赤塚5-34-27
電話:03-3979-3251 ファクス:03-3979-3252
区民文化部 文化・国際交流課へのお問い合わせや相談は専用フォームをご利用ください。