発信//板橋//2016 江戸-現代

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ページ番号4000042  更新日 2020年1月28日

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チラシ:発信//板橋//2016

会期
2016年12月3日(土曜日)~2017年1月9日(月曜日・祝日)
開館時間
午前9時30分~午後5時
(入館は午後4時30分まで)
休館日
月曜日、年末年始(12月29日〜1月3日)
観覧料
一般400円、高校・大学生200円、小・中学生無料
*土曜日は高校生は無料で観覧できます
*20名以上団体・65歳以上・障がい者割引あり(要証明書)

当館では、2011年より3年に1回、板橋区からの新たなアートの発信を目指した「発信//板橋」シリーズを開催しております。3回目を数える2016年度は、板橋区在住の彫刻家である深井隆氏をコミッショナーとしてお迎えし、現代の美術に江戸の美術を重ね合わせた表現をテーマとしました。

「江戸ー現代」

板橋区からのアートの発信を目指した「発信//板橋」。3回目を数える今回のテーマは「江戸—現代」です。板橋という地は江戸の北に位置し、中山道の第1番目の宿場町として栄えました。かつてないほどの安定した政治体制の下、江戸時代の美術は、250年の長きに渡り多彩な展開を見せました。
絵画においては、安土桃山時代に引き続き都市風俗図が流行し、江戸狩野派が新たな様式を確立し、琳派が花開くなど、数多くの画派が時代を彩りました。彫刻においては社寺の装飾彫刻が隆盛を極め、禅寺を中心に作庭された枯山水もその表現の幅を広げました。洗練された意匠を高い技術で表現した蒔絵や、精緻な彫刻をほどこした手のひらに収まる根付の発展も、その文化の高さを物語っています。それまでの時代を踏まえより表現の幅を広く深くした江戸時代の美術。その飽くなき追求は、優れたものを生む大切な「源泉」ではないかと思います。
21世紀の現代において、(美術を含め)多くの情報はインターネットなどを介してすぐさま世界中で共有されます。あらゆるものは同一性に収斂されてしまいそうですが、豊かな「源泉」をもつ日本の美術は、これからも更に重要な存在になるだろうと思います。江戸時代には日本人の感性の「源泉」が数多く点在しています。この企画は、その研ぎ澄まされたエッセンスに通じる、3名の平面作家と4名の立体作家で構成された展覧会です。
深井隆(本展コミッショナー)

出品作家紹介

奥畑実奈(おくはた みな)

1975年奈良県生まれ、東京藝術大学小椋範彦研究室研究生修了。2014年「collect 2014 The International Art Fair for Contemporary Objects」(Saatchi Gallery、イギリス)、2015年「うるしのかたち展」(東京藝術大学大学美術館陳列館、東京)、2015年「Kawaii:Crafting the Japanese Culture of Cute」(The James Hockey Galleries, University for the Creative Art、イギリス)
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日本人には、小さいものや可愛いものを愛でる感覚がある。私の作品は、人体の一部である「爪」という小さな世界に、絵画、彫刻、工芸などの要素を取り入れている。蒔絵という伝統的な技法とネイルアートを融合し、過去と未来を重ねた、ハイブリッド作品としての爪を見てほしい。

川島大幸(かわしま ひろゆき)

1987年静岡県生まれ、東京藝術大学大学院美術研究科博士後期課程美術専攻彫刻研究領域修了。2014年個展「川島大幸展」(ギャラリー現、東京)、2014年「東海さるく アーティスト・イン・レジデンス」(リバーパル五ヶ瀬川、宮崎)、2015年「石彫の現況2015」(長泉院附属現代彫刻美術館、東京)
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私は、火星と枯山水の組み合わせに新たな可能性を見つけました。鑑賞者に想像・想起させることを促す枯山水と火星のイメージが結びつくことで、具体性を帯びた宇宙が出現します。また、遥かな時を想像することで、本作品から過去と現在、未来に思いを馳せることができるでしょう。

清塚紀子(きよつか のりこ)

1940年旧満州国奉天省生まれ、板橋区在住、東京藝術大学大学院美術研究科油絵専攻小磯教室修了。1968年「第32回新制作協会展」新作家賞受賞、1976年「第12回現代日本美術展」東京国立近代美術館賞受賞、2009年清塚ミュージアム(岐阜県)オープン
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「私は私の記憶をとどめるように鉛の中に入れます。」かつて私はこう語り、作品の中に漂い留めた時間や制作する時間に思いを馳せた。江戸と現代をむすぶというこの展覧会で、私の作品は新たな記憶を重ねる。これまでは主に鉛箔を用いてきたが、今回は金箔を使った作品を試みるつもりだ。

白石顕子(しらいし あきこ)

1980年東京都板橋区生まれ、板橋区在住、武蔵野美術大学大学院造形研究科美術専攻修了。2012年個展「レスポワール展」(銀座スルガ台画廊)、2013年個展(銀座スルガ台画廊)、2015年「昭和会展」(日動画廊、東京)
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江戸屏風で気になったのは、狩野尚信の余白です。土地の長閑さを映すような余白は、東京にありながらも穏やかな板橋に似ていると思いました。また、板橋の団地や江戸を含む様々な風景を重ねて建物を描きました。自分がここにいることを理解する制作になり、絵はどことなく私に似たようです。

人見元基・狛(ひとみ もとき・こま)

1985年島根県生まれ、東京藝術大学大学院美術研究科修士課程彫刻専攻修了。彫刻家・人見元基としての活動に、2009年個展「楽園」(GALLERY MoMo Ryogoku)、2012年「大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ『里山アート動物園』」。根付作家・狛としての活動に、2014年「高円宮家所蔵 根付と宮中装束」(呉市立美術館)
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日常の中で出会うことや劣等感から生まれる物語に形を与えるように木彫作品を作り続けている。江戸が生み出した粋の芸術、根付に出会い、制作しながらその魅力に触れ、多くの事を学んできた。木彫で取り上げたテーマを根付けで表現してみる。手のひらに現れる妄想の具現化。

深井隆(ふかい たかし)

1951年群馬県生まれ、板橋区在住、東京藝術大学大学院美術研究科彫刻専攻修了。2013年「物質と彫刻」(東京藝術大学大学美術館陳列館)、2013年「国際木彫芸術交流展」(三義木彫美術館、台湾)、2015年個展(高島屋美術画廊X、東京)
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「月の庭」と題した彫刻は、禅寺の枯山水から発想を得たものです。庭を前にすると、心の中にいろいろな想いが浮かんだり消えたりします。私自身の内にある物語や思考を込めた「月の庭」から「何か」を感じていただけたらと思っています。

山口晃(やまぐち あきら)

1969年東京都生まれ、東京藝術大学大学院美術研究科絵画専攻(油画)修士課程修了。2010年「第17回シドニービエンナーレ『THE BEAUTY OF DISTANCE: Songs of Survival in a Precarious Age』」、2012年「望郷 TOKIORE(I)MIX」(メゾンエルメス8階フォーラム、東京)、2015年「山口晃展 前に下がる 下を仰ぐ」(水戸芸術館現代美術ギャラリー)
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『Tokio山水』は、東京山手線内の範囲を江戸期から現在に至る建造物を取混ぜて描く。三越の三作は景観年代を逆に積み上げ、百貨店の上に越後屋が乗る形で表し人々が入混ぢる。『新東都名所シリーズ』は、東京のランドマークを土地・建物の成立ちを反映させた仮想の建造物として描く。

関連イベント

トークイベント 「江戸ー現代をめぐって」

出品作家7人が集い、本展について語ります。

日時
12月4日(日曜日)午後2時00分〜午後4時00分
会場
当館講義室
定員
80人
(要事前申込。定員を超えた場合は抽選。聴講無料。)
申込方法
往復はがきに以下の内容をご記入の上、お申し込みください。
  1. 「発信//板橋//2016トークイベント」申込
  2.  氏名(ふりがな)・住所・電話番号
宛先
板橋区立美術館「発信//板橋//2016トークイベント」係

※返信面にも住所・氏名を明記してください。
※応募ははがき1枚につき1人です。
※11月25日(金曜日)必着 受付終了

ワークショップ 「根付の素材でアクセサリーをつくろう!」

鹿の角、ツゲ、黒檀などを削って磨き、ビーズを埋め込んでペンダントやストラップ、指輪を作ります。講師の人見元基・狛氏による、根付についてのミニ・レクチャーもあります。

日時
12月10日(土曜日)午後1時00分〜午後4時00分
講師
人見元基・狛(本展出品作家)
会場
当館アトリエ
対象
中学生以上
定員
15名(定員を超えた場合は抽選。)
費用
2140円(材料費含む)
申込方法
往復はがきに以下の内容をご記入の上、お申し込みください。
  1. 「発信//板橋//2016ワークショップ」申込
  2.  氏名(ふりがな)・年齢・住所・電話番号
宛先
板橋区立美術館「発信//板橋//2016ワークショップ」係

※返信面にも住所・氏名を明記してください。
※12月2日(金曜日)必着 受付終了
※鹿の角は削るときに独特のにおいがします。

ひよこアトリエ・たぬきアトリエ 「私の住みたい、木のおうち」

本展コミッショナー、深井隆氏による、お子さんとその保護者向けのワークショップです。家の形に切ったくすのきに絵を描きます。

講師
深井隆(本展コミッショナー・出品作家)
時間
12月18日(日曜日)
午前10時00分〜12時00分 ひよこアトリエ
午後2時00分〜午後4時00分 たぬきアトリエ
(午前・午後とも同内容です。いずれかにお申し込みください)
会場
当館講義室
定員・対象
各回3歳〜小学生のお子さんとその保護者10組
参加費
一組500円
申込方法
12月10日(土曜日)午前9時00分より電話にて先着順 受付終了

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このページに関するお問い合わせ

板橋区立美術館
〒175-0092 東京都板橋区赤塚5-34-27
電話:03-3979-3251 ファクス:03-3979-3252
区民文化部 文化・国際交流課へのお問い合わせや相談は専用フォームをご利用ください。