エド・イン・ブラック 黒からみる江戸絵画
- 展覧会名
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エド・イン・ブラック 黒からみる江戸絵画
- 会期
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2025年3月8日(土曜日)~4月13日(日曜日)
*4月1日(火曜日)より一部作品の展示替えがあります。 - 開館時間
- 午前9時30分~午後5時(入館は午後4時30分まで)
- 休館日
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月曜日
- 観覧料
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一般650円/大学生450円/高校生以下無料
*65歳以上・障がい者割引あり(要証明書)
*当館でのお支払いは、現金のみです。 - 主催
- 板橋区立美術館、東京新聞
「黒」は何にも染まらない特異な色といえます。日本絵画において、古くから欠かすことのできない要素の一つでした。多くの人が絵を楽しむようになった江戸時代には、絵画表現が広がり、黒は多様に用いられるようになりました。本展覧会では黒に焦点を当て、江戸絵画にみる黒の表現とともに当時の文化や価値観なども紹介します。
黒と聞いて夜を思い浮かべる人も多いでしょう。月夜の情景や人々の暮らしの様子といった夜を描いた作品の中でも、影や暗闇などの描写に注目し、黒がどのように用いられたのか探ります。また、背景を黒く塗り込んだ作品や、黒を基調とした「墨彩色(すみさいしき)」「紅嫌い(べにぎらい)」と呼ばれる趣味人たちに好まれた浮世絵などから、それらが何を象徴するのか検証します。
暗闇の中でわずかな灯りとともに作品を鑑賞するコーナーでは、普段の美術館では味わえない金屏風の柔らかな輝きによる美しさをご堪能ください。
江戸時代の人々は黒に対して何を見出し、何を感じていたのでしょうか。様々なテーマから江戸絵画における「黒」について探究し、その魅力に迫ります。
展示のみどころ
その1 「夜」の絵から探る黒の表現
古くから、夜は月や霞などで示され、一見すると昼との区別が難しいことがありました。しかし、江戸時代になると夜の描写も多様に展開します。「影」や「暗闇」などに注目し、夜という特別な時間を表現した絵師たちの創意工夫を紹介します。
![長沢芦雪の月夜山水図の絵。本作は3月8日から30日までの展示。](../../_res/projects/project_artmuseum/_page_/004/001/855/rosetsu2.jpg)
兵庫県立美術館
(頴川コレクション)
展示期間 3月8日~3月30日
![与謝蕪村《闇夜漁舟図》](../../_res/projects/project_artmuseum/_page_/004/001/855/buson2.jpg)
公益財団法人阪急文化財団
逸翁美術館
![鈴木其一《暁桜夜桜図》](../../_res/projects/project_artmuseum/_page_/004/001/855/kiitsu_sayuu2.jpg)
黒川古文化研究所
![狩野了承《二十六夜待図》](../../_res/projects/project_artmuseum/_page_/004/001/855/kano.jpg)
![亜欧堂田善《品川月夜図》](../../_res/projects/project_artmuseum/_page_/004/001/855/aoudo.jpg)
その2 「黒」から江戸時代の文化や価値観を深堀り!
黒という色は人々に様々なイメージを想起させます。背景を黒く塗りこめた伊藤若冲《乗興舟》や黒を基調とした美人画などから、そこに象徴されるものを検証します。また、化粧文化より、黒によって示される美しさや独自の価値観を探ります。
黒の背景=中国的イメージの展開
![伊藤若冲《乗興舟》](../../_res/projects/project_artmuseum/_page_/004/001/855/jakuchujokyo.jpg)
![伊藤若冲の《玄圃瑤華》という作品。](../../_res/projects/project_artmuseum/_page_/004/001/855/jakuchu_hyotan.jpg)
Image:TNM Image Archives
あえて黒!趣味人たちに好まれた浮世絵
![酒井抱一《松風村雨図》](../../_res/projects/project_artmuseum/_page_/004/001/855/hoitsu3.jpg)
細見美術館
![喜多川歌麿《朝顔を持つ美人図》](../../_res/projects/project_artmuseum/_page_/004/001/855/utamaro3.jpg)
千葉市美術館
展示期間 3月8日~3月30日
今とは違う?女性たちのメイク
![《庶民用お歯黒道具一式》](../../_res/projects/project_artmuseum/_page_/004/001/855/ohaguro.jpg)
「異界の者・聖なる者=黒、遊女や女性=彩色」の描き分け
![鳥文斎栄之《三福神吉原通い図巻》](../../_res/projects/project_artmuseum/_page_/004/001/855/chobunsai.jpg)
その3 特別演出!暗がりの中での鑑賞体験
電灯の無かった江戸時代には、時間帯や天候などによって作品の見え方は変化しました。暗がりの中では、絵画はどのように見えていたのでしょうか。蝋燭のような灯りの中で露出展示した金屏風をご覧いただきます。
![狩野了承《秋草図屏風》](../../_res/projects/project_artmuseum/_page_/004/001/855/kano_akikusa.jpg)
関連イベント
ワークショップ「ようこそ 墨一色の豊かな世界へ 墨絵を描きましょう」
日時:3月9日(日曜日)14時~16時(13時45分開場)
講師:小林東雲氏(水墨画家)
定員:15名(要事前申込)
参加費:500円
申込方法:2月22日(土曜日)午前9時より電話(03-3979-3251)にて受付開始
記念講演会 「墨」:日本美術のなかの黒
日時:3月16日(日曜日)14時~15時30分(13時30分開場)
講師:島尾新氏(元学習院大学教授、『国華』編輯委員)
定員:60名(当日先着順)
参加費:無料
講演会 黒からさぐる江戸絵画
日時:3月29日(土曜日)14時~15時30分(13時30分開場)
講師:印田由貴子(板橋区立美術館学芸員)
定員:60名(当日先着順)
参加費:無料
学芸員によるギャラリートーク
日時:3月22日(土曜日)、4月5日(土曜日)各回14時から30分程度
参加費無料(ただし展覧会の観覧券が必要)、申込不要
当日2階展示室に直接お越しください。