ボローニャ国際絵本原画展 特別展示「視る」を超えて

このページの情報をツイッターでツイートできます
このページの情報をフェイスブックでシェアできます
このページの情報をラインでシェアできます

ページ番号4001752  更新日 2023年9月30日

印刷大きな文字で印刷

特別展示 「視る」を超えて

〈「視る」を超えて〉プロジェクトは、日本で開催した「2020ボローニャ国際絵本原画展」の特別展示として企画されました。この展示は、触察パネルによる〈触って「視る」ボローニャ展〉と、絵本そのものを展示した〈イタリアの「さわる絵本」〉のふたつのパートから構成されました。
これは、イラストレーションや絵本の新しい鑑賞の仕方を提案するプロジェクトとして、イタリアと日本の関係機関が協力して実現したものです。2020年の展覧会終了後も、このプロジェクトは継続しています。

 

〈触って「視る」ボローニャ展〉

2020年のボローニャ展入選作品の中から5作品を選び、木製の触察パネルを制作しました。
イラストレーションから触察図にするためには、複雑な絵柄を整理するなどの改変(翻訳)が必要になります。本プロジェクトのパネル制作は、イラストレーターの許可を得たうえで、美術館のアクセシビリティに積極的にかかわっているローマ市立パラエキスポ美術館教育普及部による技術協力により実現しました。

2023年には〈触って「視る」ボローニャ展〉の第2弾として、新たに2023ボローニャ展入選作品の中から5点を選び、木製の触察パネルを制作しました(各作品につき1場面ずつ)。
これらのパネルは、2023BCBF(ボローニャ・チルドレンズ・ブックフェア、3月6日-9日)とローマのパラエキスポ美術館(3月中旬)で展示をする予定です。その後、板橋区立美術館の「2023ボローニャ国際絵本原画展」でご紹介し、西宮市大谷記念美術館と石川県七尾市美術館にも巡回する予定です。

企画:板橋区立美術館、JBBY、Bologna Children’s Book Fair、Palazzo delle esposizione(Roma)


2020年に制作した触察パネル(全5作品のうち)
アンドレア・アンティノーリ「大いなる戦い」
アンドレア・アンティノーリ(イタリア)
「大いなる戦い」
アンドレア・アンティノーリ「大いなる戦い」木製レリーフ
触察パネル(線の力強さが表現されている)

2023年に制作した触察パネル
木村友美 入選作品
木村友美(日本)
「今日もどこかで何気なくも愛しい毎日」
木村友美触察パネル
触察パネル(にじみの柔らかな表現を
触って感じられるように工夫されている)

リトケイ・ユリアンナ入選作品
リトケイ・ユリアンナ
(Julianna Litkei ハンガリー)
「のびて のびて」
Litkei触察パネル
触察パネル

Barker入選作品
ジェームス・バーカー(James Barker イギリス)
「原始の世界」
Barker触察パネル
触察パネル

アリス・コルブ入選作品
アリス・コルブ
(Alice Kolb スイス)
「どうぶつパレード」
Kolb触察パネル
触察パネル

寺澤智恵子入選作品
寺澤智恵子(日本)
「まいにちの、すてきないろいろ」
寺澤触察パネル
触察パネル

〈イタリアの「さわる絵本」〉

イタリア全国視覚障がい者支援施設連盟は「さわる絵本」を出版しています。この連盟は、1921年より様々なレベルの視覚障がい者の学校や仕事、社会生活での活動をサポートする活動を続けており、2004年から「さわる絵本」の企画制作、出版を始めました。
「さわる絵本」は、見えない、または見えにくい子どもたちが初めて手にする本ですが、実はすべての子どもたちが楽しめるものでもあります。2次元的なフラットな絵にはない立体感や、触覚という世界の豊かさが感じられる絵本です。
板橋区立美術館で開催した「2020ボローニャ国際絵本原画展」の特別展示の際には、同連盟が制作した18冊の「さわる絵本」をご紹介し、その後、四日市市立博物館、石川県七尾美術館、太田市美術館図書館へ巡回しました。
2022年には板橋区立美術館でトークベント「イタリアのさわる絵本とその後ろにあること」を開催し、会場で「さわる絵本」を展示し、参加者のみなさんにもさわる世界の豊かさを体験していただきました。(12月24日実施、講師:森泉文美氏、聞き手:攪上久子氏)

「かげ」 2017
『かげ』
ミケーラ・トネッリ、アントネッラ・ヴェラツキ(作)
2017年
「のはら」プロトタイプ制作2018
『のはら』ジャンニ・ロダーリ(文)
ジョルシャ・A、ミケロン・ディ・フォッリ(作)
プロトタイプ制作 2018年