令和4年1月25日 産学官の連携により国指定史跡を最新技術で再現!
板橋区では、板橋区史跡公園展示整備の一環として、1月24日(月曜日)から1月30日(日曜日)まで、板橋区立中央図書館の図書館ホールにて「工都光学展」を実施している。
板橋区加賀一丁目にはかつて板橋火薬製造所(昭和20年時には東京第二陸軍造兵廠板橋製造所)が立地していた。板橋火薬製造所は、1876年に旧加賀藩江戸下屋敷の跡地に発足した、官営工場として日本最古の部類に属する工場であり、板橋区は、「工都」板橋における工業のさきがけとして、また区の産業の原点として高く評価している。当時の遺構・建造物が往時をよく示すものであることから、平成29年10月に文化庁より国史跡として指定された。現在板橋区は、火薬製造所跡を史跡公園として整備を進めており、史跡公園内には当地の歴史を学ぶことができるガイダンス施設や、区の産業を紹介する産業ミュージアムの設置を予定している。
さらに区は、当地の研究に関して産学官連携プロジェクトに取り組んでいる。板橋区を中心に、基本協定を結ぶ株式会社トプコン、日本大学生産工学部との連携事業として、三次元測量技術やBIM(Building Information Modeling)技術を活用し、当地の歴史的価値の保存と、将来の活用方法に関する研究を行っている。今後もプロジェクトは継続する予定。
工都光学展では、産学官連携プロジェクトの成果として、三次元測量により得られた三次元空間情報を基にした、史跡指定地全面のBIMモデルの紹介と、BIMモデルから作成された100分の1スケールの史跡指定地全域の模型を展示している。
なお、展示以外にも、近代化遺産に関する講座や、光学や測量に関するワークショップなどの区民参加型イベントを、中央図書館や近隣の教育科学館(板橋区常盤台四丁目14番1号)で同時開催する。
1月24日(月曜日)には板橋区長が中央図書館を訪問し、日本大学生産工学部創生デザイン学科の中澤公伯(なかざわ・きみのり)教授から本プロジェクトにおけるBIMモデルの活用に関する説明を受けるとともに、模型の寄贈を受けた。
区の担当者は「この史跡公園は、江戸から昭和までの重層的な価値が特徴であり、今後もそれぞれの時代の再現に向けた研究を続けるとともに、さらなるBIM技術の活用研究についても、産学官連携のもとで進めていきたい。工都光学展が、プロジェクトや史跡公園に興味を持ってもらえるきっかけになれば」と語っている。








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