教育広報「教育の板橋」(テキスト版)第103号 4面

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ページ番号1026744  更新日 2020年9月7日

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教育広報 教育の板橋 2020年9月7日号 第4面です

児(こ)やらい という言葉をご存知ですか。

板橋区教育委員会教育長 中川 修一

 

 中国、四国地方に「児やらい」という方言があります。「私は児やらいの最中だ」とか、「児やらいが終わってほっとした」などという使い方をするそうです。標準語に直すと、「子育て」というところでしょうか。ところが、一般的な「子育て」とは少し違った意味合いがあることに私は興味を覚えました。


 もともと「やらう」という方言は、「シッ、シッ、あっちに行け」など追い出す、追い払うといった意味があるそうです。そこからすると、「児やらい」とは、子どもを追い払う、放任することとも受け取りかねません。しかし、「児やらい」とは、親や大人が前面に出て、引っ張るのではなく、子どもを前面に押し出し、親や大人が後ろから押して地域や社会へ追い出していくという意味で、子どもの自立心を養うことに重点を置いた子育てのようです。昭和19年出版の『児やらい 産育の民俗』(岩崎美術社)の序文に、柳田国男は、「ちょうど今日の教育というものの、前に立って引っ張って行こうとするのとは、まるで正反対の方法」と書いています。これは、現代でも通用する卓見した言葉のように思えます。


 新しい学習指導要領が2020年度から小中学校、高等学校で順次展開されます。今回の学習指導要領の根底には「社会に開かれた教育課程」という考えがあり、子どもたちが活躍する2030年の社会を想定しての教育活動の充実とともに、地域社会の物的・人的資源の教育活動への積極的活用を説いています。また、これまでの先生が前面に出て説明をし、黒板にまとめそれを児童生徒がノートに書き写すという、「トーク&チョーク」という受け身の学習から、課題解決に向け、子どもたちが自ら考え、他者とよりよい答えを追究し、行動化し、先生はそれをファシリテートする(促進する)という「主体的・対話的で深い学び」への転換が強く求められ、学校現場ではその実現に向け 授業の見直し に取り組んでいるところです。


 また、昨今学校教育の中で取り上げられている話題の1つとして、「校則」が挙げられます。明治5年の学制(日本の学校教育のスタートの法令)以来、大人が子どもに良かれと思って求める規範意識を基に子どもたちに守らせる学校の決まり(校則)が、国公私立のすべての学校においてほぼ似通った内容で存続しています。これに対して、そもそも学校教育の大きな役割が、子どもたちの自主性や自律性を養うことである以上、「〇〇してはいけない」的な決まりが果たして必要なのか、という議論が起きています。そこで、先生方が一歩下がり、生徒会・児童会主導で校則の見直しを図っている学校が増えています。


 このように、学校教育自体が、これまでのように先生が前面に出てすべてを決めていく時代から、子どもたちが前面に出て主体的・協働的に活動し、イニシアチブを取っていく、先生はそれを後ろから支援する活動を促進するという時代に転換してきています。まさに、「児やらい」の考えに合致するのではないでしょうか。


 最後に、「児やらい」を具体的に言い当てている言葉「子育て四訓」をご紹介します。

  1. 乳児はしっかり肌を離すな
  2. 幼児は肌を離せ 手を離すな
  3. 少年は手を離せ 目を離すな
  4. 青年は目を離せ 心を離すな

 「児やらい」も「子育て四訓」も、いずれのゴールは、子どもを自立させることであり、親や教師として、子どもが自分自身で芽を出し、葉を開き、花を咲かせるように伸び続ける環境づくりに心がけることが大切であるように思います。

 

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スポーツと栄養

 秋を迎え運動をする機会が増えます。運動をするためには、エネルギーが必要です。
また、運動に必要な筋肉を作る材料は食事からの栄養しかありません。運動するからといって特別な食事ではありません。
「運動も食事が基本」を合言葉に、今回は運動についての食事のポイントをご紹介します。

  • バランスの良い食事

 ごく普通の食品をじょうずに組み合わせた食事を毎日しっかりとります。
 1食に主食・主菜・副菜・乳製品・果物を忘れずにそろえましょう。

  • 1日3食

【朝食】活動するための「ウォーミングアップ」の食事

 朝食は脳の働きを促し、眠っている間に下がった体温をもどしてくれます。けがや便秘も予防します。

【昼食】午後の活動に備える「エネルギー確保」の食事

 給食はバランスの良い食事の見本なので、しっかり食べましょう。

【夕食】疲労を回復させ、「明日へのコンディションアップ」の食事

 練習後は、なるべく早い時間に夕食を食べましょう。食べる時間が早いほど、疲労が回復しやすくなります。しっかり食べて、しっかり睡眠をとることは疲労回復だけでなく、成長を促すためにも大切です。

おすすめのおやつ(間食)

 おやつは食事でとりきれない栄養を補給する役割があります。
 おすすめは…おにぎり・サンドイッチ・果物・乳製品など

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