蛍狩二美人図 抱亭五清 1820年(文政3)

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ページ番号4000556  更新日 2022年12月20日

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技法
絹本著色
サイズ
95.7cm×37.5cm

作品:蛍狩二美人図 抱亭五清

抱亭五清(1768?~1835)は江戸後期の浮世絵師。姓を砂山といい、葛飾北斎に師事するが、破門されたと伝えられる。はじめ北斎の影響を受けた読本の挿絵や摺物などを描いていたが、五清と改名した後からは次第に独自な痩身の美人図を展開していった。1819年頃から信州松本に移り住み、商店主や地主らの求めで屏風絵などを残し、同地に没した。主に肉筆浮世絵に個性を発揮した。
この図は文政3年、松本で描かれたもの。細面、小さなつり上がった目、反り上がった唇といった個性的な容貌に、五清の描く美人の特色がよくあらわれている。右の女性は年増風な薄物の着付で、赤い絞りの襦袢や白い足が透けて見え、涼やかで艶がある。左の藍の紋様の浴衣には、振りに赤い糸でひも飾りがしてあり、籠を持つしぐさが年若のかわいらしさを見せている。女たちの夏の休日のカジュアルな装いは、このようなものだったのだろうか。配色にもすぐれた感覚が感じられる。 江戸時代の風俗の一瞬をとらえ、夏の宵の涼やかさと芳香をリアルに感じさせる。
HOUTEI Gosei