2012年6月~7月のニュース

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ページ番号4001300  更新日 2020年1月28日

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2012年7月31日 夏の教室1日目

写真:2012年7月31日の教室の様子1

今日から、3日連続の「夏の教室」が始まりました。一つのテーマに沿って、絵本にかかわる多方面の方のお話を伺うこの講座も9回目となりました(昨年は、夏の教室の代わりに連続トークを開催しました)。今年は「絵本が私に」というちょっぴり不思議なタイトルで、絵本が感覚や身体に訴えてくるものについて、考えます。
初日の朝はコーディネーターの広松由希子さんのオリエンテーション。参加者同士の自己紹介と、エクササイズとして、絵本にまつわる動作をそれぞれ考えました。


写真:2012年7月31日の教室の様子2

その後、最初の講義はグランまま社編集長の田中尚人さんです。田中さんは、お父さんによる絵本の読み聞かせグループ「パパ'S絵本プロジェクト」を9年前に立ち上げました。パパとママでは、読む絵本もおのずと違ってきます。絵本といえば、やさしくて、かわいくて、楽しいというイメージが強いかもしれませんが、その正反対の絵本も実は沢山あります。そういう絵本は子どもたちも大好きですし、パパの得意分野でもあります。


写真:2012年7月31日の教室の様子3

例えば、怖い絵本、うんち・おなら・鼻くそなどの絵本、切ない絵本、そしてナンセンス絵本。幅広く多様な感情を経験することで感性が磨かれるなら、やはり様々なタイプの絵本が必要ですし、また、理屈ではない「不条理」を知ることもできるとのこと。それから話は3.11の震災へ移っていきました。田中さんは、アメリカで出版された絵本『Tsunami』の版権を、震災の前に取得していました。しかし震災が起こり、日本での出版は見送ろうと思っていたと言います。ところが、被災地での活動も積極的にされる田中さんは、多くの被災者が津波や地震について語るのを聞いているうちに、伝えることの大切さに気づき、やはり出版を決意されたそうです。迫力ある津波の描写は、まさに3.11の恐怖を思い起させますが、「怖いものは、怖いまま伝えなければ、伝わらない」という田中さんの言葉は印象的でした。
午後は、今話題の「怪談えほん」(岩崎書店)の出版に携わったお二人、監修者の東雅夫さんと、編集者の堀内日出登巳さんのお話です。きっかけは、堀内さんが子ども時代に読んだ怖い絵本を思い出し、怖い絵本を作ることにちょっと興味を持ったことでした。そうこうしていたら、怪談に詳しい東さんを紹介され、怪談えほんの企画がどんどん進み、気鋭の作家たちとイラストレーターたちが本気で腕をふるって5冊の絵本が出来あがりました。講義では、出版に至るまでのエピソードをたくさんお話くださいました。長編小説と違って絵本は短いテキストですが、作家たちのコアな部分が凝縮されているとのこと。そして、出来上がったテキストに合うイラストレーターを選び、絵本にしていくのは難しい作業ですが、テキストと絵の理想的な関係がこの絵本の魅力でもあります。この5冊、もちろん怖いのですが、単に怖がらせるのではなく、まさに「良質の」恐怖。恐ろしさ、不思議さ、不条理さ、暗さ、といったものは、絵本とは一見相容れないようにも思えますが、子どもはそういった話に惹きつけられるし、豊かな想像力を養ってくれるものです。ページをめくるドキドキ感、行間に感じる恐怖、絵の細部や色彩にも宿る怪しさ・・・東さん曰く、怪談の魅力とは、「知らない世界への興味」だそうです。怖いけど気になる、というのは人間の根源的な衝動で、だからこそ想像力をかき立てるのでしょう。広松さんによる怪談えほんの読み聞かせも、ぞぞっと背筋が寒くなるようで、暑い夏にはぴったりでした。
「絵本はこういうもの」という先入観を取り払ってもらいたい、というのがボローニャ展を開催する私たちの思いです。今日の2つのお話からも、絵本表現の幅広さを感じられましたし、身体に感情に訴えてくるものがありました。

2012年7月28日 降矢奈々さん講演会

写真:2012年7月28日の講演会の様子1

本日は、イラストレーターの降矢奈々さんの講演会を開催しました。「ともだちや」シリーズなどで人気の降矢さんは、普段はスロヴァキアに暮らして制作をしていらっしゃいます。今回は、降矢さんが中心になって企画した展覧会「手から手へ」展について伺いました。お相手は当館のボローニャ展担当学芸員の松岡希代子です。2人は同じ年で、長年の付き合いもあって、会話の息もぴったり。終始和やかで、笑いの絶えない講演会となりました。


写真:2012年7月28日の講演会の様子2

「手から手へ」展のきっかけは、昨年3月11日の東日本大震災でした。日本の状況が分かりにくく不安な中、スロヴァキアの友人からとても温かい励ましや申し出をもらったというお話から始まりました。その後、日本で展開される絵本をとりまく多くの支援活動の様子を知り、ときに違和感を感じ、またご自身のことを振り返り、イラストレーターとしてやるべき事はは何かと言うことを考えたということです。そして降矢さんが企画したのが「手から手へ」展でした。プロのイラストレーターであるならば、それぞれの思いを込めたしっかりとした絵を描くこと、そしてそれを見てもらうことが一番重要という思いのもと、日本やスロヴァキアや他の国からイラストレーターが集まりました。
最初に展示を行ったのは、震災からちょうど1年後、3月のボローニャでした。まさにブックフェアの時期、世界中から児童書関係者が訪れるボローニャは、「手から手へ」展を立ち上げる最適の場所だったことと思います。ブックフェアの協力でボローニャ中心地の会場を確保し、日本やスロヴァキアから作家たちが駆けつけて自ら展示作業をし、会場には多くの人が訪れたということです。その後、展覧会は降矢さんの地元スロヴァキアでも開催され、さらにポーランドなどもめぐり、来年には日本国内にも巡回します。イラストレーターが自ら考え、協力し、企画された「手から手へ」展は、人のつながりによって実現されたということが、降矢さんの実感のこもったお話から伝わってきました。
「この展覧会をやったことで降矢さんご自身変わったことはありますか」という問いかけに、「そんなに変わらないですね」とさらりと答えながらも、「人とのつながりの大切さや有り難さを実感した」と最後に加えていました。人と人のつながりが何かを動かす原動力になるという信念は、「手から手へ」というタイトルにもしっかりと表れています。
連日の暑さの中、定員を大幅に上回る約130名の方が講演会にお越しくださいました。ありがとうございました。この講演会も、手から手へつながっていくきかっけの一つとなれば嬉しいです。

2012年7月28日 編集者とイラストレーター

写真:名編集者マイケル・ノイゲバウアーさん

今年のドキュメンタリー映像にも出ている香港の出版社マイネディションのマイケル・ノイゲバウアーさん。ボローニャ・ブックフェアなどでイラストレーターを発掘し、すばらしい絵本を次々に出版される名編集者です。また、ボローニャ展の審査員をつとめたり、「夏のアトリエ」でも講師をして頂いたこともあり、板橋区立美術館にも何度も来て下さっています。
この夏も来日し、ボローニャ展のために来館した機会に、何人かのイラストレーターたちのファイルを見ました。編集者としての長年の経験と鋭い感性で、感想を伝えたりアドバイスしたりしていました。
ボローニャ・ブックフェアは、各国の編集者や作家たちの出会いから、新しい企画やアイデアが生み出される活気溢れる場です。板橋区立美術館のボローニャ展も、絵本にかかわる方たちが集まり、何かのきっかけになるような場となりますように。

2012年7月26日 ティーンズ絵本のアトリエ3日目

写真:2012年7月26日の絵本講座の様子

今日が中高生向けの絵本講座の最終日。参加者は、午前中から来て作業を始めていました。すべての場面と扉や表紙の絵を完成させるのも、なかなか大変なのです。一生懸命、そして丁寧にじっくりと絵を描いていました。
絵と文章を書き上げたら、製本作業。まずは中の紙を半分に折ってきれいにのり付けします。そこに、それぞれの作品に合った色画用紙を選んで見返しにします。最後に、表紙と裏表紙の紙を、両面テープでしっかりと付けます。ブッカーも貼って、かなり本格的な絵本の完成です!内容も形もしっかりと作られた力作揃い。
絵本への熱気が充満しながらも、先生と参加者たちのおかげで、ゆったりとした講座となりました。 まだまだ若いみなさん、きっとこれからも絵本への興味を持って、制作を続けてくれると思います。そして今回のアトリエが、思い出に残るものとなったらなによりです。

2012年7月25日 ティーンズ絵本のアトリエ2日目

写真:2012年7月25日の絵本講座の様子

台割とダミー本をだいたい作ったところで、今日からは本格的な制作にとりかかります。見開き5場面、それに扉と奥付を加えた12ページの絵本を完成させます。コラージュやインクなど思い思いの技法で、放課後(?)まで頑張っていました!
みんな絵も上手ですが、お話も自分で作ったもの。何枚かの絵をつなげて連続性のある絵本にするというのは、1枚の絵を完成させるのとは違う面白さと難しさがあります。先生に相談したり、参加者同士で話をしたり、たまに息抜きをしながら、和気あいあいとしたアトリエです。
最終日の明日には、製本して絵本を完成させる予定です。

2012年7月24日 ティーンズ絵本のアトリエ1日目

写真:2012年7月24日の絵本講座の様子

ティーンズ絵本のアトリエが始まりました。中学生・高校生に向けたこの講座では、講師の宮崎詞美先生にアドバイスをもらいながら、3日間で参加者が各自一冊の絵本を完成させます。
1日目は、「絵本のキホンを知ろう」ということで、絵本の構造や画面つくりの方法・素材について、いろいろな絵本を見て勉強しました。その後、ひとりひとりテーマやストーリーを考えていきます。小さなコマに絵本のページを描く台割も学び、本格的な絵本づくりに挑戦しました!
参加した中学生・高校生のみなさんは、とても熱心に取り組んでいました。自分の世界に入り集中して描く時間と、宮崎先生にアドバイスを聞いて考える時間をしっかりとつくっていました。宮崎先生とお話したり、参加者同士で「ここがすごいね!」とお互いの作品をじっくり見ているときのきらきらした笑顔が、とても素敵でした。
3日間でどのような絵本が出来上がるのか、今から楽しみです。

2012年7月21日 「なりたい自分になれる絵本」

写真:2012年7月21日の会場の様子1

今日はひよこ・たぬきアトリエ「なりたい自分になれる絵本」を開催しました。講師はイラストレーターの張連秀さんです。
まず、2枚の紙を本のように綴じ、自分がなってみたいものをそれぞれのページに描いてもらいます。紙の中心に顔を描き、バレリーナ・野球選手・デザイナーや、お花・魚など、みんな思い思いに表現しました。
最後は大胆に顔の部分をはさみで切り取り、なりたい自分になれる絵本が完成!


写真:2012年7月21日の会場の様子2

切り取った部分を自分の顔に当て、子どもたちがいろんななりたい自分に変身しました。
張先生による絵を描く前の楽しい体操や絵本の読み聞かせもあり、明るく楽しいワークショップになりました。
次回は8月4日(土曜日)開催、電話受付は7月28日(土曜日)朝9時からです。またのご参加をお待ちしております。

2012年7月20日 ボローニャ国際絵本原画展の模様をビデオで紹介しています

写真:ボローニャ国際絵本原画展紹介コーナー

会場の雰囲気がわかるビデオをつくりました。是非会場にいらしてください。2012イタリア・ボローニャ国際絵本原画展は8月12日(日曜日)までです。

ビデオは以下のページをご覧ください

2012年7月18日 一時保育とギャラリートーク

写真:2012年7月18日の一時保育の様子

本日は6か月から3歳のお子さんと保護者の方を対象に、一時保育とボローニャ展のギャラリートークを行いました。
約10人のかわいいお子さんたちは、お母さんがボローニャ展を鑑賞している間、保育士さんや美術館職員と一緒におもちゃで遊んだりビデオを見たりして、楽しく過ごしました。
担当学芸員によるギャラリートークでは、ボローニャ展の審査や世界中で活躍する絵本作家さんたちのお話、いま話題のしかけ絵本の紹介など、絵本に関するたくさんの話題が繰り広げられました。


写真:2012年7月18日のギャラリートークの様子

絵本に興味があって、この日のためにわざわざ遠くからお越し下さったお母さんもいらっしゃいました。
何年後かには、大きくなったお子さんと一緒にボローニャ展を見に来ていただければうれしいです。

2012年7月16日 小さい人たちと楽しむ絵本の時間

写真:2012年7月16日の会場の様子1

本日は、絵本研究家の広松由希子さんを講師に、1歳~2歳児とその保護者を対象にした講座を開催しました。祝日ということもあって、お母さん・お父さんそろって参加してくださるご家族も多く、とってもにぎやかに始まりました。広松さんは、歌、手遊びを交えながら、次々に紙芝居や絵本の読み聞かせなどを披露してくれました。読み方、めくり方、スピード感などを工夫することで、絵本の世界がぐんと広がります。


写真:2012年7月16日の会場の様子2

子どもたちはもちろん、お母さんお父さんも一緒に、手や体も使って絵本を楽しんでいました。最後は、夏らしく花火の絵本でしめくくり。
本屋さんや図書館にはたくさんの絵本が並んでいるけど、どれを選べばいいかわからなかったので参考になった、というお母さんもいました。子どもたちは、これからどんどん大きくなりますが、また美術館に遊びに来てくださいね。

2012年7月15日 夏のセミナー 出版に向けた絵本の試作作り

写真:2012年7月15日の会場の様子1

本日は、絵本の出版を目指している方向けの実践的な講座です。講師は造本作家でデザイナーの駒形克己さん。講義、個人作業、個人面談を組み合わせた、午前から夕方までの講座です。
講義では、絵本は「共有」するものであるというご自身の考えや、デザインの仕事をしていた駒形さんが絵本を作るようになったきっかけのお話から始まりましたが、時間も限られているということで、その後は「商業出版物」としての絵本について、専門的なことをお話しくださいました。


写真:2012年7月15日の会場の様子2

ファインアート・アーティストブック・絵本は、それぞれ近い分野ですが、商業出版物としての絵本であれば制約があります。たとえば、紙の大きさ、ページ数、製本のことなど。そして出版物にしたいのであれば、納期・コスト・コミュニケーションが重要とのこと。もちろん、制約のおかげで面白いアイデアが出ることもあります。そして、台割を作ることの重要性も。急ぎ足でこういったお話を伺って、あとは各自で台割を描く作業に移りました。
午後は個別の面談。それぞれ作った台割りやポートフォリオを見せながら、どのように形にしていくか、相談します。

2012年7月14日 ボローニャ展ドキュメンタリー映像

写真:展示室の様子

ボローニャ展では、審査の様子やボローニャ・ブックフェアでの様子を撮影したドキュメンタリー映像を制作し、会場で上映しています。毎年欠かさずドキュメンタリーを見て下さる方も多いようです。今年も、展示室ロビーでご覧になれます。
今年の映像では、まず1月の審査の様子です。


写真:ドキュメンタリー映像の一場面

大きな部屋いっぱいに並べられた応募作品や、審査員5人が議論しながら選んでいく様子、審査員の一人・荒井良二さんのコメントなど、入選作品を選ぶ段階がいかに重要かよく分かると思います。続いて3月末のボローニャ・ブックフェア。日本人の入選作家が自身の作品について語る映像や、今年の入選作家刀根里衣さんの絵本を出版したイタリアの編集者へのインタビューなどを紹介しています。児童書にかかわる人々が世界中から集まるブックフェアの、生き生きとした雰囲気も感じられます。
そして最後には、過去にボローニャ展に入選した米津祐介さんと鷹野百さんへのインタビューです。2人の絵本を出している香港の出版社マイケル・ノイゲバウアーさんのコメントも、名編集者ならではです。
絵本をとりまくさまざまな現象を生み出してきたボローニャ展。ドキュメンタリー映像からも、そうしたものを敏感に感じ取れると思います。25分程度の映像です、ぜひご覧ください。

2012年7月14日 ペイジ・チューの映像

写真:ペイジ・チューの映像の一部

今年の特別展示は台湾のアーティスト、ペイジ・チューです。板橋区立美術館の展覧会場では、最初の展示室でチューの作品をご紹介しています。その冒頭で、短い映像を小さなモニターで上映しています。チューの制作過程を追ったものですが、絵が動き出すアニメーションもあったり、映像作品としても面白いものです。映像と原画、両方をご覧頂くと、手描きの絵をスキャンして、パソコンで加工し、さらに手で描き加えるという、重層的な制作方法もお分かり頂けます。3分程度ですので、ぜひこちらもお見逃しなく。

2012年7月8日 荒井良二さん講演会

写真:2012年7月8日の講演会の様子1

本日は、今年のボローニャ展の審査員をされた荒井良二さんの講演会を開催しました。開演するなり、荒井さんご自身で演台上を模様替え。椅子は使わないからと下ろし、テーブルは祭壇のように壁際に押しやって、ようやく講演が始まりました。
まずは、ボローニャ展の審査のお話。3日間以上も朝から晩まで拘束される審査は、まるでハードな合宿か、監禁状態だったそうです。


写真:2012年7月8日の講演会の様子2

せっかく遠いボローニャまで来たんだから、闘うつもりで審査に臨んだ荒井さんは、他の4人の審査員とは常に議論の連続だったそうです。でも、審査をワークショップ的なものであると考える荒井さんにとって、こうした議論は審査のプロセスに欠かせないものだったようです。審査方法を決める話し合い、イギリスの審査員とのやりとり、フランスの審査員の名言など、荒井さんから繰り出されるエピソードの数々に、会場は笑いの連続となりました。
その後、昨日まで開催していた「夏のアトリエ」に話題は変わっていきました。このHPでも連日お伝えしていたように、みんなで何をするか考えて、一緒に遊んで楽しみながらも、最終的には同じテーマ(100年後の人たちへ向けたメッセージを形にする)を考え、制作した今回のアトリエは、絵本を完成させることが目的では決してありませんでした。「絵本とはこういうもの」と考えすぎているみんなの頭を少しほぐして、絵本の入り口に立てればいいと。そして、ワークショップというのは、講師が一方的に教えるのではなく、講師も参加者もみんな同じ立ち位置にあると語っていました。
最後には、20年近く前(?)の板橋区立美術館でのイベント、1994年のボローニャ展での思い出など、懐かしいお話もありました。
開演1時間まえの開場時間には、すでに行列ができる大盛況。昨日までの雨は午前中にはあがり、定員を大幅に上回る約140人の方にご聴講頂きました。ありがとうございました。

2012年7月7日 夏のアトリエ最終日

写真:2012年7月7日の会場の様子1

七夕なのに、あいにくの雨となりました。今日が夏のアトリエ最終日です。長かったような、あっという間のような。
今日は引き続き、100年後の人たちに向けて何かメッセージを形にしたものを作る作業です。絵本の形をしたものもありますが、立体的なもの、バラバラの紙に描いたもの、マッチ箱入りのもの、袋に入っているもの・・・。そして、込められたメッセージもさまざま、100年後に残っているであろうもの、100年後になくなっていてほしいもの、100年後の子どもたちにやってもらいたいこと・・・。


写真:2012年7月7日の会場の様子2

最後には、長ーい紙の上にのせて、お互いの作品を見て、発表会で締めくくりました。
板橋区立美術館での5日間。最初に時間割を作ってその通り進めるということはせず、どんなワークショップにするか、みんなで一緒に考え、遊び、制作しました。荒井さんのたくさんの言葉、仲間との話し合い、あるいは、体や手を動かしてみて気づいたこと、そして、偶然にもここで出会った仲間たち。参加者みなさんは、それぞれの感じ方や受け止め方をしていると思います。このアトリエがそれぞれの制作にどのように影響するか分かりませんが、これからも制作を続ける励みとなることを心より願っています。

2012年7月5日 ボローニャ展の絵本コーナー

写真:絵本コーナーの様子

ボローニャ展には、まだ絵本となっていない作品が多く入選していますが、絵本として出版されているもの、出版途中のものなどもあります。入選作品で絵本になっているものは、できる限り集めて、展示室でご紹介しています。その他、入選作家の別の絵本や、今年の審査員の絵本なども一緒に手にとってご覧頂けます。
絵本の形になると、テキストが入りますし、印刷や紙の違いも分かります。また、編集者とのやりとりの中で、ストーリーを変えたり、原画を描き直すこともあります。そして、「めくる」という動作によって、連続性や動きや驚きが与えられるのも、絵本の特徴の1つだと思います。展覧会では、原画と絵本、ぜひ両方ともご覧ください。

2012年7月5日 ボローニャ ラガッツィ賞

写真:ラガッツィ賞受賞絵本コーナーの様子

ボローニャ・ブックフェが、優れた絵本に授与する「ボローニャ・ラガッツィ賞」。ブックフェアの期間中に、フェアの会場や市内の本屋さんで紹介され、世界中の出版関係者の注目を集めます。板橋区立美術館のボローニャ展の会場でも併せてご紹介しています。
ボローニャ展がイラストレーターを対象にしているのとは違って、すでに出版された絵本を対象にしているので、テキスト、ブックデザイン、製本、印刷など、総合的な絵本の魅力を味わえます。
フィクション、ノンフィクション、ニューホライズン(アフリカ、ラテンアメリカ、アジアなど)、オペラプリマ(作家の第1作)の4部門に、それぞれ優秀賞と最優秀賞があります。展示室でぜひ手にとってご覧ください。

2012年7月5日 夏のアトリエ 3日目

写真:2012年7月5日の会場の様子

夏のアトリエ3日目、午前。みんなでファイルを見せ合ったり、しゃべったりしながら過ごしていましたが、やっぱり一緒に遊ぶことになりました。さまざまな大きさの紙片を参加者が順番に床に並べていって直径1mの丸を作ろう!とか。同じく紙片を並べて、身長130cmの原始人を作ろう!とか。(写真は、紙を並べ終わって、原始人の身長測定。137cmでした。おしい!)
お昼を食べて、午後は、100年後の人たちへ、参加者それぞれのメッセージを形にする作業が始まりまそうです。

2012年7月4日 カフェ・ボローニャ

写真:カフェの手作りパン

ボローニャ展の会期限定で、美術館1Fにカフェがオープンしています。手作りのパンやケーキが評判で、毎年ここを楽しみにしていらっしゃる方もいます。どのパンも美味しいので、迷ってしまいます。ジューシーでさわやかなサマーオレンジやアップルドーム、夏に美味しいトマトカレーパンなどの定番に加え、ときどき新作パンがお目見えしますよ。デザートには、クッキーやケーキもあるのでお楽しみに。
さらに、カフェには本屋さんも併設しています。


写真:カフェ併設の本屋の様子

今年度のラガッツィ賞受賞絵本や、入選作で絵本として出版された作品など、洋書も圧巻の品揃えです!!2F展示室でもこれらの絵本は紹介していますので、じっくりご覧ください。その他にも、和書は、今年の審査員荒井良二さんの絵本や、ボローニャ展関連イベントの講師の絵本など、他のお店にはない品揃えでお待ちしております。
ボローニャ展にいらした際には、カフェにもぜひお立ち寄りください。

2012年7月4日 夏のアトリエ 2日目

写真:2012年7月4日の会場の様子1

夏のアトリエ2日目。参加者のリクエストに答えて荒井さんが持って来てくれた絵本のダミーを見ながら、荒井さんの絵本づくりについて質問したり、感想を言ったり。・・・で、今日どのように進めるか話し合いながら、なんとなくやることを決めていきました。
まずはトランプ風の遊び。丸い紙2枚に参加者それぞれ絵を描きます。「原始人になろう!」という、荒井さんの言葉から着想を得て、利き手とは逆の手でベースを塗り、その上に原始人のような絵を描きました。


写真:2012年7月4日の会場の様子2

お昼過ぎ、出来上がったものを教室の真ん中に集めて裏返したら・・・神経衰弱大会!
午後は、100年後の人たちに向けて何かを作るというテーマ。みんな机に座って制作しようとすると、考え込んで手が止まってしまうので、とにかくコピー用紙で手のひらサイズの絵本をまず作ってしまいました。絵も内容も、みんなそれぞれです。3日目以降も、このテーマを形にしていきます。
明日もどうなるのか、また一緒に考えながら進めていきます。

2012年7月3日 夏のアトリエ 1日目

写真:2012年7月3日の会場の様子1

今日から夏のアトリエがスタートしました。今回は荒井良二さんが講師です。タイトルは「〈役に立たないこと〉を考えよう!」。絵本への道筋は、1つでもないし、いつも同じでもないし、特急電車に乗る必要もない。回り道してもいいし、むしろ絵本から遠いところからスタートしても面白いという荒井さん。まずは、いつもやらないことをやってみよう、ということで、ガムテープを壁に貼ってみたり、鉛筆で黒く塗った線を使って絵を作ったり、立体を作ったり・・・。


写真:2012年7月3日の会場の様子2

何をするか、どんなふうに進めていくかも、みんなで一緒に考えるという、まさにワークショップ的な講座です。明日には何が起こるのでしょうか!?第15回夏のアトリエのはじまりはじまり。
参加者のみなさんにとって、いつもの制作方法とは全く違うアプローチかもしれませんが、きっとそれが刺激になるはずです。今年のボローニャ展の審査員もされた荒井さんは、ドキュメンタリー映像の中で「みんな、絵本はこういうものだって思いすぎているんじゃないかな」と語っています。絵本のいろんな可能性を探って、ぜひ絵本の間口を広げていってください。

2012年7月1日 顔をつけて遊ぼう!

写真:2012年7月1日の会場の様子1

本日はひよこ・たぬきアトリエ「顔をつけて遊ぼう!」を開催しました。講師は絵本作家としても活躍している、ゴブリン博士ことアーティストの小中大地さん。ゴブリンとは小鬼、化け物、人間にいたずらをする妖精を意味します。小中さんは、学校の教室にある机や黒板、文房具など97種類の物を粘土で細かく作り、それらに色々な表情をつけた「ガッコーゴブリン」を大学時代に制作しました。


写真:2012年7月1日の会場の様子2

それ以来ゴブリン制作を続け、今では山や川などの自然の物にも顔をつけ「山ゴブリン」「川ゴブリン」をつくるという活動もしています。今日は子どもたちにかばんやくつ、ぼうしなどを持ってきてもらい、色々な顔をつけてみました。傘やサングラスなどにもゴブリンを作ってくれた子や、リボンやメガネなど、飾りを工夫してくれた子もいて、たくさんのかわいいゴブリンが完成しました。
身の回りにある物、目の前にある物に目や鼻、口を付けてみると、それらが突然生き物にのように見えてきたり、物の特徴が今までより良く理解できたりしてとても興味深いです。おうちに帰っても、たくさんのゴブリンを見つけて作ってみてくださいね。

2012年7月1日 ミュージアムショップ

写真:ミュージアムショップの様子

ボローニャ展の会期限定で、2F展示室の出口にミュージアムショップがオープンしています。図録はもちろん、特別展示作家ペイジ・チューさんデザインのTシャツ、入選作品の絵はがきやクリアファイル、さらに今回のポスターを描き下ろしたのだよしこさんのかわいいグッズもたくさん取りそろえております。ここでしか手に入らないものばかり!展覧会をご覧になった後には、ぜひショップものぞいてくださいね。

2012年7月1日 来て 見て ニッコリ

写真:美術館玄関の旗

ボローニャ展開催に合わせて、美術館玄関の旗が新しくなりました。スタッフや関係者の応募から投票を行い、この標語が採用されました。ボローニャ展や、今後開催する展覧会に「来て 見て ニッコリ」していただけるととてもうれしいです。今後とも板橋区立美術館をどうぞよろしくお願いいたします。

2012年7月1日 2012ボローニャ展図録

写真:図録の表紙

図録の表紙は、ブラチスラヴァ世界絵本原画展で昨年グランプリを受賞した韓国のチョ・ウンヨンさんによる描きおろしです。チョさんは競馬場に来た女の子を主人公にした絵本『レース』をフランスで出版するなど、注目の若手イラストレーターです。今回の図録の表紙も、スピード感溢れる馬をモチーフにしたものです。『レース』の絵本は、板橋区立美術館でも展示室でご覧頂けます。なお原画は、7月14日よりうらわ美術館で開催するブラチスラヴァ世界絵本原画展で展示されます。こちらもぜひ!
入選作品が掲載された図録が、これから活躍するイラストレーターたちの刺激となり、新たな作品を生み出す原動力の1つとなれば幸いです。

2012年6月30日 ボローニャ展授賞式

写真:ボローニャ展授賞式の様子

初日の夕方には、ボローニャ展の開催にご協力いただいたみなさまにお集まりいただき、ささやかなレセプションと授賞式を開催しました。今年の日本の入選者とボローニャSM出版賞を受賞したペイジ・チューさんには、本展の図録が贈られました。ボローニャ展入選はひとつのきっかけです。これからのみなさんの活躍に期待しています!

2012年6月30日 ペイジ・チューさん講演会

写真:2012年6月30日の講演会の様子1

今年のボローニャ展の特別展示作家ペイジ・チューさんによる講演会を開催しました。ペイジさんは、2011年にボローニャSM出版賞を受賞し、今年のボローニャ・ブックフェアで特別展示されました。あわせて、新作の絵本「鉛の兵隊」をスペインのSM出版より刊行しました。板橋区立美術館のボローニャ展でも、「鉛の兵隊」の原画全15点の他、過去入選作品や近作などを特別に展示しています。
台湾出身のペイジさんは、台湾の大学を卒業して小学校教師を勤め、その後イギリスでデザインやコミュニケーションを学びました。


写真:2012年6月30日の講演会の様子2

昨年から台湾に戻り、現在は台北やロンドンを拠点にアーテイストとして活躍しています。
講演会では、教師時代やロンドンでの生活など、これまでの活動を振り返りながら、人とは違ったアングルから物事を見るきっかけとなった「ロンドン人の30日」シリーズ、矛盾に満ちた人間性に迫るトイガンシリーズ、そして絵本「鉛の兵隊」などについて詳しくお話くださいました。その高い描写力はもちろん、幅広い活動から、鋭い感性や視野の広さが伝わってきました。
自身をイラストレーターと限定せず、アートとイラストレーション両方の手法で表現をするペイジさんは、コミュニケーションに関心を持ちながら制作しています。これからの活動にも注目していきたいです。(通訳は森泉文美さん、聴講は約60名)

2012年6月30日 ボローニャ展、オープン!

写真:2012年6月30日の会場入口の様子

本日「2012イタリア・ボローニャ国際絵本原画展」がオープンしました!お天気も良く、朝からご家族連れや絵本ファンの方々、絵本作家さんなどたくさんの皆様にお越しいただいています。世界最大の規模を誇る絵本原画コンクールであるイタリア・ボローニャ国際絵本原画展。当館では、日本人7人を含む19ヶ国72人(組)の作家による全入選作品を展示しています。会期中にはカフェ・ボローニャもオープンし、手作りのお菓子と軽食などを楽しむことができます。ぜひお立ち寄りくださいね。

2012年6月26日 小学生鑑賞教室

写真:2012年6月26日の鑑賞教室の様子

ボローニャ展オープンまであと5日となった今日、区内の小学校2校の鑑賞教室が行われ、5、6年生約160名が来館しました。班ごとに分かれて、約400点の絵本原画を自由に見学しました。今回展示している原画は、コラージュ、刺繍など多くの技法や、写真なども使われています。高学年だと絵本を読む機会は少なくなったかもしれませんが、今日観た原画が絵を描くときや工作するときのヒントになればうれしいです。夏休み中に、ぜひもう一度展覧会を観に来てくださいね。お待ちしています。

2012年6月17日 「物語る身体展」最終日

写真:2012年6月17日の会場の様子

紫陽花のきれいな時期となり、本日「物語る身体展」の最終日を迎えました。会期後半で梅雨入りしましたが、熱心なみなさんがご来館くださいました。ありがとうございました。
6月30日からは、毎年恒例のボローニャ国際絵本原画展が始まります!みなさまのご来館、心よりお待ちしております。

2012年6月17日 ひよこ・たぬきアトリエ ありがとうのメダルづくり

写真:子どもたちの作ったメダル

今日のひよこ・たぬきアトリエでは、イラストレーターのかなざわまことさんによるメダルづくりを行いました。「ありがとう」の気持ちを込めたメダルをつくり、豪華な表彰状を添えて、大切な家族やお友達に贈りました。
親子連れでご参加いただき、アトリエは熱心に制作する子どもたちとご家族でにぎわいました。明るく楽しく教えて下さるかなざわさんは、子どもたちにも大人気で、みんなで心のこもったメダルをつくることができました。最後の表彰式では、「お父さん・お母さん、いつもありがとう」、「生まれてきてくれてありがとう」、「おいしいごはんをつくってくれてありがとう」など、たくさんの「ありがとう」が集まりました。
かなざわさんがこのメダルづくりに込めた思いは、「何年か経ってこのメダルを見つけたとき、大切な人へのありがとうの気持ちを思い出してほしい」ということです。子どもから大人までワクワクするような、そして心がじんわりと暖かくなるような、すてきなワークショップでした。

2012年6月17日 ギャラリートーク最終回

写真:2012年6月17日のギャラリートークの様子

ギャラリートークも本日が6回目、最後となりました。昨日までの雨は止み、梅雨の晴れ間となり、多くの方がご参加くださいました。写真は、池田龍雄さんが1953年に制作した作品〈腕〉について担当者が話しているところです。1950年代に描かれたルポルタージュアートからは、自分たちの生きている時代や社会をどうのように捉えるかという問題意識が強く感じられます。
身体を描く、ということをテーマにした今回の展覧会。描き方や作品に込められた思いは時代や作家によってそれぞれですが、現代を生きる私たちにも伝わってくるものがあるのは、「身体」というモチーフが普遍的なものだからかもしれません。

2012年6月15日 入門講座、最終回!

写真:2012年6月15日の講座の様子1

今日は技法入門講座の最終回でした。
初回では板チョコ、2回目では卵をモチーフとした鉛筆デッサン。3回目から今日まではジャガイモやコップなどを描いてきました。受講者の皆さんは毎回とても熱心で「時間が足りない!」「もっと描きたい!」というご感想をたくさんいただきました。鉛筆はとてもシンプルですが、空間の深さや色合いの変化などが出せるおもしろい画材の一つだと思います。これを機会に、これからも絵を描くことを続けていただけたら幸いです。


写真:2012年6月15日の講座の様子2

着彩ドローイングでは、これまで制作してきたスパッタリングなどの紙片を切り、1枚の紙に張りつけて作品を完成させました。最後には受講者の皆さんによるプレゼンテーションと講評会を行い、作品に込めた思いや言葉、イメージを語っていただきました。全5回を通して、とても和気あいあいとした雰囲気の講座となりました。
ご参加いただきました皆様、ありがとうございました。

2012年6月15日 小学生鑑賞教室

写真:2012年6月15日の鑑賞教室の様子

今日は区内の小学4年生、約90人を対象に鑑賞教室を行いました。
最初は、阿部展也の《顔のうしろの顔》と里見勝蔵の《女二人》をみんなで話し合いながらじっくりと楽しみます。さまざまな表情の顔や体を、その色や形を変えて表現した作品を目の前に、最初は「こわい!」「かなしそう」といった声が子どもたちからあがっていましたが、「どうしてこんな絵を描いたのかな?」など作品の核心に触れる話も。自由鑑賞の後、最後はお気に入りの作品についてお話して、1時間足らずの時間はあっという間に終わりました。また、美術館に絵を見にいらしてくださいね!

2012年6月14日 梅雨の晴れ間

写真:美術館入口に咲くガクアジサイ

東京は先週から梅雨入りしましたが、今日は貴重な晴れ間となりました。美術館入口のそばには、薄い青色や紫色のガクアジサイが咲き始めています。よく見かけるアジサイ(セイヨウアジサイ)とは違って周辺の花びらだけが開き、それが額縁のように見えるためガクアジサイというのだそうで、日本原産です。皆さんのご近所でも咲いていますでしょうか。ここ数日、雨が降って寒いくらいの日もあれば、夏のように暑い日もありますね。風邪などひかれませんよう、どうぞお気をつけください。

2012年6月10日 ギャラリートーク(5)

写真:2012年6月10日のギャラリートークの様子

本日、「物語る身体」展のギャラリートークが行われました。
写真の中で担当学芸員が説明しているのは、先月読売新聞夕刊でも紹介された永田一脩「「プラウダ」を持つ蔵原惟人」(1928年)です。1926年に留学先のソ連より帰国した蔵原惟人(1902ー1991)を描いています。「プラウダ」とは、ソ連共産党中央委員会の機関紙。当時、流行した「ルパシカ」というロシアの服を着た、若きプロレタリア運動指導者の姿が表された作品です。
来週17日(日曜日)で「物語る身体」展は終了いたします。展覧会最終日にもギャラリートークと小さなワークショップを行います。「物語る身体」展、どうぞお見逃しなく!

2012年6月9日 「からだを作る、からだを壊す」

写真:2012年6月9日の記念講演会の様子

本日は「物語る身体」展関連イベントとして、東京国立近代美術館 美術課長の蔵屋美香先生をお招きし、記念講演会「からだを作る、からだを壊す」を開催しました。
蔵屋先生は昨年、東京国立近代美術館の「ぬぐ絵画 日本のヌード 1880ー1945」展を企画されました。同展や「物語る身体」展で出品された作品を中心に、明治時代から現代までの身体の描かれ方について教えていただきました。
黒田清輝らにより描かれた裸婦像の描き方を弟子たちが壊し、さらには「物語る身体」展にも出品されている河辺昌久「メカニズム」のように、機械と人体とをつなげて不思議なイメージを生み出している作品が登場したことなどについて、たくさんの画像を交えてお話しいただきました。ご来館いただきました皆様、ありがとうございました。

2012年6月8日 技法入門講座 第4回目

写真:2012年6月8日の講座の様子1

先月18日から始まった技法入門講座も今日で4回目。残すところあと1回となりました。
鉛筆デッサン講座では、先週からジャガイモ、タマネギ、ポットなどを組み合わせたモチーフを描いています。
先生からは、立体感の出し方、陰影のつけ方などをあらためて教えていただきました。
受講者の皆さんは、時間が経つのも忘れてしまうくらい、黙々と一生懸命デッサンしています。
 


写真:2012年6月8日の講座の様子2

着彩ドローイング講座では、好きな言葉、心に残った詩のイメージを、これまで学んだスパッタリング、マーブリングなどの技法を用いて表現しました。それぞれの言葉のイメージに合う色を組み合わせ、さまざまな模様の紙がたくさんできあがりました。来週はこれらを切り取り、1枚のボードに貼り付けて作品を完成させます。
どちらの講座も完成まであともう少し。最終回もがんばりましょう!

2012年6月3日 ギャラリートーク(4)

写真:2012年6月3日のギャラリートークの様子

本日は「物語る身体」展の4回目のギャラリートークを行いました。予報は雨でしたが、お天気に恵まれてたくさんの方々にお越しいただきました。
写真は、ギャラリートークの最後に行っている小さなワークショップの様子です。大人から子どもまで、皆さんとても真剣です。さて、何をしているのでしょうか?
ギャラリートークと小さなワークショップは6月10日、17日(どちらも日曜日、午後2時より)にも開催します。また、9日(土曜日)午後2時より関連イベントとして講演会も行います。ぜひ美術館まで足をお運びください。

2012年6月1日 技法入門講座 第3回目

写真:2012年6月1日の講座の様子1

今日は技法入門講座の第3回目でした。
鉛筆デッサン講座は、今回からイーゼルやライトを使用し、本格的なデッサンを行いました。
描くのはジャガイモ、タマネギ、ポットやカップ、ビンを組み合わせたものです。
最終回までに1枚の作品を仕上げます。
着彩ドローイング講座は、好きな言葉、心に残った詩のイメージを、模様や線、形などでスケッチブックに表しました。


写真:2012年6月1日の講座の様子2

そのイメージに合う色を3色決め、それらを組み合わせ、様々な着彩技法を使って表現します。
全5回の講座もいよいよ後半戦。とても熱のこもったものとなりました。次回も楽しみましょう!

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