放射線対策について
1 放射線測定・除染に関する基本的な考え方
(1)国の方針
文部科学省は、平成23年10月21日付通知「福島県以外の地域における周辺より放射線量の高い箇所への文部科学省の対応について」において、地上1メートルで周辺に比べ空間放射線量率が毎時1マイクロシーベルト以上高い数値が測定された箇所を、いわゆるホットスポットとしています。
この周辺より放射線量の高い箇所が発見された場合は、簡易な除染を行い、除染後の測定でも放射線量率が周辺より毎時1マイクロシーベルト以上高い場合は、文部科学省に連絡するものとされています。
なお、簡易な除染とは、側溝の泥の除去、落ち葉の回収、樹木の剪定、水による洗浄、ブラッシング等としています。
(2)国の方針に対する区の対応
区の実施した測定で、地上1メートルで周辺に比べ空間放射線量率毎時1マイクロシーベルト以上高い数値が測定された場合、下記のとおり対応いたします。
- 環境政策課で再測定を行います。
- 環境政策課から危機管理部及び広聴広報課、東京都、文部科学省に連絡します。
- 環境政策課で再測定後も地上1メートルで周辺より毎時1マイクロシーベルト以上高い数値が測定された場合、所管部署は簡易な除染を行います。
- 除染後も地上1メートルで周辺より毎時1マイクロシーベルト以上高い数値が測定された場合、その場所をビニールシート等で被い立ち入り禁止とします。
- 環境政策課から危機管理部、広聴広報課、東京都、文部科学省に連絡します。その後の除染対策については、東京都、文部科学省と連携し行います。
- 広聴広報課において報道発表を行います。
- 区ホームページに掲載します。
(3)子どもが利用する区施設での対応(区施設の除染方針)
国の検討会では、「追加的被ばく量年間1ミリシーベルトを1時間当たりに換算すると、毎時0.23マイクロシーベルトにあたる。」(環境省災害廃棄物安全評価検討会・環境回復検討会)としています。
地上1メートルの空間放射線量率が、その地域(市町村単位)の平均で毎時0.23マイクロシーベルトを超える場合、その市町村は汚染状況重点調査地域に指定され、除染実施計画を策定するとしています。
文部科学省の調査において、板橋区は市町村単位の空間放射線量率で毎時0.1マイクロシーベルト以下のため、汚染状況重点調査区域には該当しないが、他に適切な基準がないため、板橋区としては低年齢層の区民が日常的に近寄ると思われる区施設については、保護者等の子どもの健康不安に鑑み、除染に対する方針を以下のとおり定めます。
- 除染対象箇所の要件
区立公園、区立幼稚園、区立学校、区立保育園、私立保育園等の子どもが常時立ち入る公共的な場所(区有地など区が管理する場所に限る。)で、地上1メートルで毎時0.23マイクロシーベルト以上の空間放射線量率が測定された場合。なお、子どもが利用する砂場等では、地上1m以外(砂場では5~10センチメートル)で測定を行っているが、この測定で毎時0.23マイクロシーベルト以上が測定された場合、除染の対象とします。 - 対応内容
- ア 主管課は、環境政策課生活環境保全係に連絡します。
- イ 上記1の地点を環境政策課の機器で測定を行い、区域を特定します。
- ウ 必要な場合には、所管部署は当該区域の簡易な除染を行い、除染後の放射線量率が地上1メートルで毎時0.23マイクロシーベルト未満に低減していることを確認します。
- エ 簡易な除染を行っても、地上1メートルの空間放射線量率が毎時0.23マイクロシーベルト未満に低減しない場合には、表土を削り取り敷地内に埋設するなどの除染処理を行います。埋設の基準については(4)のとおり。
除染後、掘削地及び埋設地ともに放射線量率が地上1メートルで毎時0.23マイクロシーベルト未満に低減していることを確認します。所管課の掘削作業中、地表から深さ15cmまで掘削しても、放射線量が掘削面から5センチメートルの地点で毎時0.23マイクロシーベルト未満に低減しない場合、福島第一原子力発電所由来以外の放射性物質が想定されるので、下記(5)の対策を行います。 - オ 保護者や利用者等に対し、情報提供を行います。
- カ 区ホームページで公表します。
(4)埋設の基準
- 地表に接地した状態で(以下同じ)毎時0.5マイクロシーベルト未満の場合:覆土10センチメートル以上
- 毎時0.5マイクロシーベルト以上、毎時1マイクロシーベルト未満の場合:覆土15センチメートル以上
- 毎時1マイクロシーベルト以上:覆土30cm以上(埋設のための容器や埋設場所の表示が必要となる場合があるため、埋設方法等については環境政策課と協議のうえ決定します。)
※確実な対策を確保するため、作業終了前に、埋設した場所と除染した場所それぞれの地上5センチメートルの空間放射線量が、毎時0.23マイクロシーベルト未満であることを確認します。
覆土の厚さ | 放射線遮蔽効果 | 備考 [μSv]×(1-[%]/100) |
---|---|---|
5センチメートル | 51%減 | 基準に該当なし |
[1]10センチメートル | 74%減 | 0.5μSv×(1-74/100)=0.13μSv |
[2]15センチメートル | 86%減 | 1.0μSv×(1-86/100)=0.14μSv |
[3]30センチメートル | 98%減 | 10μSv×(1-98/100)=0.20μSv |
出典「埋設処分における濃度上限値評価のための外部被ばく線量換算係数」(2008年日本原子力研究開発機構)
<除染作業の注意事項>
※除染作業にあたっては、長袖、長ズボン、手袋、帽子、マスクなどの着用、また、作業終了後の手洗い、うがいを励行します。
(5)福島第一原子力発電所由来以外の放射性物質への対応
区立東板橋公園において発見された放射性物質ラジウム226は、福島第一原子力発電所由来のセシウム134、137、ヨウ素131とは異なり、地表面ではなく、深さ20~25センチメートルの層から発見されています。対策にあたっては、放射性物質が高濃度の場合(ラジウム226については、10ベクレル/g)放射性同位元素として取り扱う必要があるので、以下により対応します。
- 所管課の掘削作業中、地表から深さ15cmまで掘削しても、放射線量が掘削面から5センチメートルの地点で毎時0.23マイクロシーベルト未満に低減しない場合には、掘削作業を直ちに中止し、掘削現場周辺を立ち入り禁止とし、速やかに環境政策課に通報します。
- 環境政策課と所管課で再測定・追加掘削を行い、放射性同位元素が埋設している可能性について調査します。
- 放射性同位元素が埋設されていると推定される場合には、環境政策課と所管課は掘削現場を保全し、速やかに東京都及び文部科学省に通報し、対応について協議します。
(6)区施設における放射線測定
毎月1日の午前10時(1日が土日祝日の場合は、翌営業日)に区役所正面玄関で放射線測定を行っています。
2 区民からの通報があった場合の対応
区民から、区内で、地上1メートルで毎時1マイクロシーベルト(子どもが利用する区施設にあっては、地上1メートルで毎時0.23マイクロシーベルト)以上の空間放射線量率が測定されたと通報があった場合、以下のように対応します。
- 連絡者の住所、氏名、電話番号等の連絡先、測定地点、地上1メートルでの空間線量を記録します。
- 基本的な対応については、上記1の(2)及び(3)と同様とします。
- 毎時1マイクロシーベルト以上の空間放射線量率が民有地で測定されたと通報があった場合、個人情報等に留意し、土地所有者の了解を得ながら上記1の(2)と同様の対応を行います。
- なお、区が実施した測定において福島第一原子力発電所由来以外の放射性物質が区施設以外に存在していると推定される場合は以下のように対応します。
測定を行った所管課と環境政策課は、土地所有者と協議し、土地所有者許諾を得た場合には空間放射線量を測定し、放射性同位元素の存在が推定される場合には、土地所有者の許諾を得て東京都及び文部科学省に通報し、対応を協議します。
3 団体等からの要請に基づく放射線量の測定
放射線量の測定について、公共的団体等から要請があった場合、下記のとおり実施します。
- 対象団体
町会・自治会、PTA等の公共的団体とします。 - 測定場所
区立学校や区立公園などの公共的な場所とし、個人の所有地などは測定しません。 - 実施要領
公共的な場所を所管する担当課、または団体の関係課等をとおして申し込みをし、日程調整のうえ測定します。 - 周知方法
環境政策課ホームページに掲載
担当・連絡先
競技場等 :区民文化部スポーツ振興課
区立保育園 :子ども家庭部保育運営課
区道 :土木部管理課
区立公園 :土木部みどりと公園課
区立学校 :教育委員会教育総務課
町会・自治会 :区民文化部地域振興課
PTA :教育委員会地域教育力推進課
放射線の測定関係 :資源環境部環境政策課
4 放射線測定機器の区民への貸出
放射線測定機器を貸し出す場合、機器の性能の確保、測定方法の周知、貸出台数の確保、測定場所、除染対策などの課題を踏まえつつ、貸し出し用の放射線測定機器を備えます。
区分 | 1.00(※)以上 | 1.00未満0.23以上 | 0.23未満 |
---|---|---|---|
区内全般 | 測定・除染・国への連絡 | ― | ― |
子どもが使用する区施設 | 測定・除染・国への連絡 | 測定・除染 | ― |
※国の基準では、周辺より毎時1マイクロシーベルト以上高い場所としているが、板橋区においては、周辺の放射線量率が毎時0.1マイクロシーベルト以下であるので、便宜的に、毎時1マイクロシーベルトの空間線量率を用いる。
(用語説明)
- ベクレル(Bq)
放射性物質が放射線を出す能力を表す単位 - シーベルト(Sv)
人体が受けた放射線による影響の度合いを表す単位
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このページに関するお問い合わせ
資源環境部 環境政策課 生活環境保全係
〒173-8501 東京都板橋区板橋二丁目66番1号
電話:03-3579-2594 ファクス:03-3579-2249
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