マレーシア首相及び閣僚らが板橋区役所を訪問しました

このページの情報をツイッターでツイートできます
このページの情報をフェイスブックでシェアできます
このページの情報をラインでシェアできます

ページ番号1040002  更新日 2022年9月13日

印刷大きな文字で印刷

令和4年(2022年)5月24日、マレーシアのイスマイル・サブリ首相(H.E.Dato’ Sri Ismail Sabri bin Yaakob, Prime Minister of Malaysia)、閣僚(サイフディン・アブドラ外務大臣、モハマド・アズミン・アリ国際貿易産業大臣、フマド・ファイザル・アズム青年スポーツ大臣)及びノル・アザム・ビン・モハマド・イドルス同国駐日臨時代理大使ら一行が、板橋区役所を訪問しました。
当日は、区役所本庁舎で歓迎セレモニー及び区内企業らを交えた経済交流会が行われました。
また、同月26日には、同国側からの依頼により、板橋区の水害対策の説明をする場が設けられ、水害に関する情報交換が行われました。
これまでの同国との交流を踏まえ、この度の訪問の様子や得られた成果を、ご報告いたします。

【1 マレーシアとの交流の経緯】

マレーシアと板橋区との友好関係は、平成6年から始まった相互の植物園同士の友好提携を皮切りに始まりました。 

 

 

板橋区立熱帯環境植物館の様子
板橋区立熱帯環境植物館
ペナン植物園の様子
ペナン植物園

以後、約30年間にわたり、多くの方々が、多方面にわたって、着実に信頼関係を醸成していったことが、今回の 同国首相及び閣僚らの板橋区訪問につながりました。
今回の訪問は、将来におけるさらなる相互協力の重要な基礎となるものです。

  • 平成6年(1994年):熱帯環境植物館(板橋区立)とペナン植物園(マレーシア・ペナン州立)との間での「友好提携に関する共同声明」調印
    1. 熱帯環境植物館は、熱帯雨林と環境がテーマであり、清掃工場の余熱を利用した前例のない構想。
    2. 設計段階より、熱帯植物について知見の深いペナン植物園から区に対して助言が行われた。
    3. 植物・種子の交換や技術交流などを通じた友好関係が開始された。
ムラサキモクワンジュ(花)の画像
ムラサキモクワンジュ
セイロンニッケイ(花)の画像
セイロンニッケイ

  • 平成16年(2004年)6月:同国地方地域開発省訪問団が、石塚輝雄区長(当時)を表敬訪問ののち、区内保育園、熱帯環境植物館を視察した。
  • 平成20年(2008年)6月:同国幼児教育関係者らが、坂本健区長を表敬訪問ののち、区内保育園、幼稚園を視察した。
  • 同年7月:ペナン植物園内での「日本庭園」竣工を記念して、公式訪問団及び区民訪問団がペナン植物園を訪問するなど、区民レベルでの交流も開始された。
竣工式の画像
竣工式の様子
日本庭園前の画像
日本庭園

  • 平成22年(2010年)9月:同国観光大臣が、区長を表敬訪問の後、熱帯環境植物館を訪問した。
  • 平成26年(2014年)1月:同国観光文化省大臣が、区長を表敬訪問した。
  • 平成25年から平成28年(2013年から2016年):板橋区を含む東京二十三区清掃一部事務組合が、JICAによる事業として、同国クアラルンプール市を対象とした、「廃棄物管理における住民の協力体制の構築」を支援した。この事業の一環として、マレーシア側の15名が来日して板橋清掃工場の視察を実施したのち、区長との意見交換会を実施した。
  • 平成27年(2015年)8月:同国マハティール元(当時)首相が、来日時に、板橋区役所を訪問した。
マハティール(元)(当時)首相と坂本板橋区長の画像
マハティール元(当時)首相
  • 平成29年(2017年)4月:クアラルンプール市長夫妻が、区長を表敬訪問し、区内を視察した。
  • 同年8月:板橋区中学生海外派遣事業(各区立中学校から一名が派遣。)が開始され、以後、毎年実施されることとなった(新型コロナウイルス感染症の世界的流行が始まった、2020年度以降は一時中断中。)。
板橋区中学生派遣事業の画像
板橋区中学生派遣事業
  • 同年11月:同国投資開発庁調教事務所所長が、板橋区産業見本市のセレモニーに出席した。
  • 平成30年(2018年)2月:同国駐日大使が、熱帯環境植物館来館200万人達成記念のセレモニーに出席した。
  • 平成30年(2018年)8月:同国マハティール首相(当時)が、区長と都内で面会した。
  • 同年11月:同国教育大臣らが、区長を表敬訪問したほか、板橋第一小学校を視察した。
  • 同年同月:同国ペナン州通産大臣らが、区長を表敬訪問したほか、熱帯環境植物館を視察した。
  • 平成31年(2019年)2月:同国ペナン州議会・州政府が、区長を表敬訪問したほか、熱帯環境植物館を視察した。
  • 同年3月:同国ウタラ大学関係者が、区長を表敬訪問した。
  • 令和元年(2019年)9月:同国駐日公使参事官が、熱帯環境植物館・ペナン植物園友好提携調印25周年記念セレモニーに出席した。
  • 令和2年(2020年)11月:同国駐日大使が、板橋区役所を訪問し、区長と懇談を行ったのち、区内企業を視察した。

【2 歓迎セレモニー】

首相をお迎えする板橋区長の画像
首相をお迎えする板橋区長
首相令夫人に花束をお渡しする中学生の画像
首相令夫人に花束をお渡しする中学生
英語でスピーチをする、志村第一中学校代表の画像
英語でスピーチをする、志村第一中学校代表

第一部の歓迎セレモニーでは、冒頭で、志村第一中学校代表が、英語で歓迎のスピーチを行いました。このスピーチでは、「マレーシアに存在している、調和的な多文化主義は、世界のあるべき姿である」との賛辞が送られ、会場は拍手に包まれました。

 

マレー語で挨拶をする区長の画像
マレー語で挨拶をする区長

続いて、区長が、マレー語での挨拶をしたあと、植物園同士の交流から始まり、着実に発展してきたこれまでの友好関係への謝辞を述べ、そして、今回の首相訪問が、両国におけるSDGsのさらなる推進、区内企業・大学をはじめとする多くの団体との、一層の連携強化につながることへの強い期待を述べました。

イスマイル・サブリ マレーシア首相の画像
イスマイル・サブリ マレーシア首相

これを受けて、首相が、両国の緊密な友好関係を示すセレモニーが開催されたことへの謝辞を述べたあと、次の演説をなさいました。

  1. 世界的なパンデミックに対する、意見交換などから学ぶことに興味があること
  2. 志村第一中学校生徒代表のスピーチへの謝辞及びこのような若者の社会参加が重要であること
  3. この式典の後に予定されている、SDGsに関する署名セレモニーの意義は、「人類の原則を守りながら、世界をより平和に繁栄させていくことに向けた両国間の協力を示す」点にあること
  4. 日本への称賛と、地域及び国レベルで、SDGsの協力を行っていけるとの考え
首相との記念撮影の画像
首相との記念撮影

歓迎セレモニーの最後には、成増里神楽保存会による獅子舞(区議会議長による演舞)が披露され、会場をにぎわせました。首相をはじめ、訪問団の方々は、板橋区の文化を楽しんでいる御様子でした。
その後、記念撮影を行い、歓迎セレモニーは、大きな拍手で終了いたしました。

【3 経済交流会】

経済交流会の様子(1)の画像
経済交流会の様子(1)
経済交流会の様子(2)の画像
経済交流会の様子(2)

第2部の経済交流会では、板橋区内の企業らが集い、首相、外務大臣、国際貿易産業大臣、青年スポーツ大臣、同国駐日臨時代理大使らとの意見交換が行われました。
各企業は、それぞれの技術や強みをアピールし、マレーシア側からの積極的な質問に対して丁寧に回答するなど、活発な経済交流が行われました。
今後、この機会を通じて、区内企業とマレーシアとの関係がさらに強固となり、相互の経済活動の活発化が期待されます。

【4 SDGsの推進に関する文書の署名】

署名セレモニーの様子の画像
署名セレモニーの様子

 

クアラルンプール市長と、「SDGs未来都市」*である板橋区の区長は、「経済・社会・環境の側面から板橋区とマレーシアが相互に学び、パートナーシップを大切にはぐくむことによって、SDGsの17の目標達成に取り組む」との文書に署名しました。

「SDGs未来都市」:板橋区は、令和4年5月20日に、内閣府より、「経済・社会・環境の三側面の統合的取組による相乗効果、新しい価値の創出を通して、持続可能な開発を実現するポテンシャルが高い都市」であるとして、「SDGs未来都市」に選定されました。

首相にも、同文書に立会人として署名をしていただきました。
同文書の署名セレモニーの意義について、首相は、上述のとおり、「人類の原則を守りながら、世界をより平和に繁栄させていくことに向けた両国間の協力を示す」ものであるとの演説をしています。
板橋区は、今後も、海外の知見も積極的に取り入れながら、新しい価値を創出し、持続可能なまちづくりを推進していきます。

【5 水害に対する、同国と板橋区との協力関係】

板橋区が公開している洪水ハザードマップの画像
板橋区が公開している洪水ハザードマップ

年間平均降水量が東京の1.8倍近い約2,800ミリメートルとなるクアラルンプール市周辺では、多発する洪水の克服が開拓以来の課題となってきました。近年では、洪水の軽減と都市交通の円滑化を目指した多目的のトンネルとしては世界最長の「SMARTトンネル」の建設など、国を挙げて積極的な洪水対策が展開されています。
令和4年5月26日、同国からの依頼により、板橋区の水害対策に関する説明を行い、洪水ハザードマップ*1タイムライン防災*2 に関する資料をご覧に入れました。

*1 「ハザードマップ」:災害による被害を予測し、予測される被害の内容及びその発生地域を、地図上で明らかにしたものです。板橋区では、荒川氾濫時の被害内容の予測や、浸水継続時間の予測を公表しています。
*2「タイムライン防災」:各住民の被害を防止するため、災害が発生する前の時点から、公共部門のみならず住民がとるべき行動を、時系列で整理し、あらかじめ決めておくものです。住民の安全確保のためには、川の堤防などのハード面の整備のみならず、各地域の特性や各住民の属性に応じた、とるべき行動の策定及び事前訓練など、ソフト面の整備が必要です。

区長は、自治体の首長有志ら及び内閣府、総務省消防庁、国土交通省らが参加する、「タイムライン防災・全国ネットワーク国民会議」(令和4年5月設立)の副議長に就任しており、区内でのタイムライン防災の導入はもちろん、国内すべての水害地域への普及のために様々な場面で力を尽くしているところです。
マレーシア側からは、特に、「板橋区では、ハザードマップを区内の全世帯に配付している」との点に、御関心を持っていただけました。
今後は、各住民、各地域及び公共部門がハザードマップを活用する防災対策である、板橋区が進めている「タイムライン防災」の考え方をもとにした水害対策についても、実際の運用上の課題などにつき、マレーシア側と情報交換をしたいと考えています。
板橋区が進めている水害対策を、比較的水害が多いマレーシアでも活用していただくことは、そこで発見された実際の運用上の課題や改善点などを同国と情報共有すること、さらには、区民の皆様の安全を確保するための水害対策を強化することにつながります。
また、SDGsの「目標13 気候変動に具体的な対策を」への具体的な取組は、台風や豪雨の減少という、究極的な防災・減災につながるものと確信しています。

今回の交流を契機として、タイムライン防災を、広くマレーシアに、さらに世界に発信していくことは、誰一人取り残さない水害対策として、SDGsの精神を実践するものとなります。今後も、洪水対策という共通の課題を抱えた両都市の相互理解と協力関係を、より多くの命と財産を守る取組として体現していきます。

【6 まとめ】

平成6年から始まった、「植物園同士の小さな交流」が、多くの方々のおかげで着実に育ち、マレーシアと板橋区との間に存在する、強固な信頼関係の存在が、今回の訪問で、両者において改めて確認されたところです。
今後も、この強固な信頼関係を維持・発展させ、SDGsの理念のもと、区内企業・大学などへも対象を広げ、より広い分野において、より深い絆を深化させていきます。
板橋区は、今後も、海外姉妹都市・友好都市との交流を通じて、互いの文化的違いを認め合い、親密な関係を築こうとしながら、地域社会の構成員としてともに生きていく「多文化共生」の取組を推進し、区民一人ひとりが暮らしやすいまちの実現につなげていきます。

注:歓迎セレモニー及び経済交流会におけるマスクの着用について

  • 記念写真撮影時はマスクを一時的に外しています。
  • 板橋区長及びマレーシア首相の挨拶時にマスクを外していますが、適度に距離を空け、使用後はマイクを交換しています。

より良いウェブサイトにするために、ページのご感想をお聞かせください。

このページの情報は役に立ちましたか?
このページは見つけやすかったですか?

このページに関するお問い合わせ

区民文化部 文化・国際交流課
〒173-8501 東京都板橋区板橋二丁目66番1号
電話:03-3579-2018 ファクス:03-3579-2046
区民文化部 文化・国際交流課へのお問い合わせや相談は専用フォームをご利用ください。