2013年6月~8月のニュース

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ページ番号4001294  更新日 2020年1月28日

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2013年8月12日 しばらく休館いたします

写真:2013年8月12日の展示室ロビーの様子

東京では、暑い日がつづいています。ボローニャ展も無事終了し、作品たちは兵庫県の西宮へと旅立っていきました。撤収作業を終え、ガラン・・と寂しくなった展示室ロビーでパチり。この後、8月30日まで休館いたします。当館には常設展示室がありませんので、はるばるお越しいただいても入館できません。ご了承ください。次回は、8月31日(土曜日)より、館蔵品展「狩野派SAIKO!」を開催いたします。当館の狩野派コレクションがずらりと並びますので、どうぞお楽しみに!

2013年8月11日 10000人目のお客さま

写真:10000人目のお客さま1

最終日の本日夕方、今年のボローニャ展10000人目のお客様が来館されました!!
1万人目は、草加市にお住まいで、映画関連のお仕事をされている川島佑子さんです。「びっくりしました」とおっしゃっていましたが、川島さんは、よねづゆうすけさんの「おしゃぶりさんバイバイ」が出版された頃からずっとボローニャ展に来て下さっているとのこと。記念品として、フィリップ・ジョルダーノの直筆のイラストと、三浦太郎さんのサイン入り図録をプレゼントしました。
今年は特別展示で「ボローニャ発世界へ」でよねづさんのこれまでの活動も紹介していますが、作家さんの活躍を追っていけるのも本展の魅力ではないでしょうか。これからも、ぜひボローニャ展にお越しください。
例年、ボローニャ展の入館者数は8000人台で推移していましたが、今年は嬉しい1万人を達成しました。これまで暑い中ご来館くださったみなさまのおかげです。本当にありがとうございました。昨年のポスターを描いてくれたのだよしこさんが、さっそく絵を描いて送ってくれました。
もちろんお客様の数だけではなく、ご来館者のお一人お一人が、展覧会を心から楽しんでくださったなら何よりも嬉しいです。ボローニャ展は、来年も夏に開催します。みなさまのご来館を心よりお待ちしております。どうぞこれからもボローニャ展をお楽しみに!

2013年8月11日 三浦太郎さん サイン会

写真:2013年8月11日のサイン会の様子

最終日の今日、緊急企画として、三浦太郎さんのサイン会を開催しました。今年の特別展示の冒頭で紹介している三浦さんは、講演会でもお話してくださり、ドキュメンタリー映像でも登場してくれました。絵本作家としての三浦さんの活動の始まりは、板橋区立美術館のボローニャ展を見にきたことがひとつのきっかけだったそうです。
いまではすっかり人気作家の三浦さん。到着するなり、あっという間にサインを求める方の列ができました。「ちいさなおおさま」は残念ながら売り切れていましたが、新作絵本の「おおきなおひめさま」には三浦さんお手製の消しゴムハンコ、その他「くっついた」「バスがきましたよ」「Lavori in corso(イタリアより刊行)」などにも、それぞれの絵本に合ったサインをしていました。

2013年8月10日 フィリップ・ジョルダーノさん サイン会

写真:2013年8月10日のサイン会の様子1

今日は、今年のポスターを描き下ろしたフィリップ・ジョルダーノさんのサイン会を開催しました。フィリップさんのことは、2011年の特別展示「かぐや姫」で覚えている方も多いのではないでしょうか?今年のボローニャ展では、スペインの出版社から出したオンドリの絵本が入選しています。
サイン会では、Tシャツ、絵本、図録などに名前だけでなく、リクエストに応じて動物や花などを描いていました。


写真:2013年8月10日のサイン会の様子2

黒や赤のペンで、集中して、丁寧に、でもためらうことなく、かわいらしいイラストをどんどん描いていく様子に、お客さんも見入っていました。気に入った絵本に作家本人のサインが入ると、ますます愛着がわきますね。思い出の一冊にしてください。
明日、最終日は三浦太郎さんのサイン会を急遽開催します!午後2時00分から、1Fカフェ横で、三浦さんの絵本と図録にサインします。展覧会の思い出にぜひ!!!

2013年8月10日 ボローニャ展、あと1日!

写真:2013年8月10日の会場の様子

今週にはいって、東京も厳しい暑さが続いています。外に出るのも億劫になりそうですが、ボローニャ展のためにたくさんのお客様にお越し頂いています。最後の土日とあって、ご家族そろってご来館くださる方も多いです。暑い中、みなさん本当にありがとうございました。会期は残すところあと1日、明日(8月11日)までです。

2013年8月9日 ティーンズ夏のアトリエ 最終日

写真:2013年8月9日の会場の様子1

本日、最終日となりました。昨日はお休みだったので、みんな家でがんばってきてくれたようです。絵を仕上げて、いよいよ製本へ。素敵な絵本がたくさん完成しました。今回参加された5名の方の絵本を、明日明後日の2日間、美術館1階に展示します。みなさんの力作をぜひご覧くださいね。


写真:2013年8月9日の会場の様子2

2013年8月7日 ティーンズ夏のアトリエ 2日目

写真:2013年8月7日の会場の様子

絵本アトリエ2日目の本日はイラスト制作でした。昨日考えたお話を本番の紙に描いていきます。表紙の付け方も教わりいよいよ本番!といった雰囲気でした。みなさん丁寧に下書きをしていて、3時間集中して作業をしていました。色づけをする人は絵具やペン、色鉛筆、色紙など様々な素材を使っていました。制作しながらみなさんの作業の様子を少し覗いてみたのですが、それぞれ絵柄に個性があって、この絵でどんなお話が展開されていくのかますます楽しみになりました。明日のアトリエはお休みです。このお休みの間にだいたい仕上げてくることになっていますが、いったいどんな絵本になるのでしょうか?3日目、みんなで絵本を見せ合うのが楽しみです。

2013年8月7日 ボローニャ展終盤です

写真:2013年8月7日の会場の様子

現在開催中のボローニャ展も会期末が近づいてきました。6月末のオープンからあっという間の6週間。早いものです。このところ、激しい夕立があったり、厳しい暑さが戻ってきたりですが、それでも連日多くのお客様にご来館頂いています。8月11日(日曜日)までですので、お見逃しのないよう、ぜひご来館くださいませ。

2013年8月6日 ティーンズ夏のアトリエ 1日目

写真:2013年8月6日の会場の様子

今日から中・高生向けの絵本作り講座が始まりました。講師の絵本作家・横浜美術大学准教授の宮崎詞美さんと一緒に3日間かけて1冊の絵本を仕上げます。初日の本日は、まず絵本の構造を知り、自分で創りたい絵本の内容を考えました。3時間の間みなさん黙々と作業を進めていました。途中で先生に相談したり好きな絵本を参考にしたりそれぞれ真剣に取り組みました。行き詰まった時や何かアドバイスが欲しいときにすぐ相談できるのはこの講座ならではなので、みなさん気軽に声をかけてくださいね。今日の宿題は絵本の簡単な構成と下書きを書いてくることです。みなさんがどんな絵本を考えてくるのか今から楽しみですね。明日も楽しく絵本を作っていきましょう!

2013年8月3日 駒形克己さん講演会 手話絵本「森に棲む動物たち」の出版にむけて

写真:2013年8月3日の講演会の様子

本日は造本作家・デザイナーの駒形克己さんの講演会が行われました。時々冗談も交えながら和やかな雰囲気の中、様々な人々が共有できる絵本の可能性についてお話しいただきました。
子どもが生まれてから絵本と向き合うようになったことや、視覚障害がある人にもただ内容を伝えるだけでなく想像しながら楽しめる本づくりに取り組んだことなど写真や実物の本を見ながらお話を聞きました。また紙の壊れやすいという性質を子ども達の「力加減を養うもの」として、改めて紙の良さを伝えてくださいました。
本だけでなく、小児病棟の内装デザインに取り組んだお話も。駒形さんは暖色を沢山取り入れたデザインにし、診察室を番号ではなくどうぶつのアイコンで区別し大人もなじみやすい空間にするために幾何学模様も取り入れました。病気と闘う子どもたちが少しでも楽しい気分に、生きる希望になるように、と駒形さん。会場の皆さんも考えさせられることがあったのではないでしょうか。本日は貴重なお話をありがとうございました。(聴講約120人)

2013年8月2日 しかけ絵本をつくろう 最終日

写真:2013年8月2日の会場の様子1

本日、最終日となりました。昨日のお休みの間に、みんな頑張って作品を仕上げてきていました。絵具で色をぬったり、包装紙をうまく使ってコラージュをしたり、とびだすしかけの部分は、タワーや山にしたり、お花や動物をくっつけるなど、各々工夫を凝らしていました。2日目まではしかけの作り方が分からないとたくさん質問していた子たちも、家でちゃんとしかけを作ってきていて驚きました。中には他の絵本を参考にして自分で考えたしかけを作ってきた子もいました。最後に、作品発表会を行いました。


写真:2013年8月2日の会場の様子2

みんなの絵本を並べてみると色とりどりですごい迫力!1人ずつ絵本を捲りながらしかけを見せて、工夫したところや苦労したことを発表しました。本を見せ合って「じょうずだね」「ここがすごいね」とお互いに良いところを褒め合う姿はとても微笑ましかったです。みんな大満足の仕上がりだったのではないでしょうか。完成しなかった子も、おうちでじっくり仕上げてくださいね。

2013年7月31日 しかけ絵本をつくろう 2日目

写真:2013年7月31日の会場の様子

昨日から始まったしかけ絵本作り。今日はみんな時間よりも早く来て作業にとりかかっていました。まずは昨日のしかけのおさらいです。三角と四角のしかけを作ったら、そのしかけに画用紙に書いた動物や文房具などいろんな絵をはりつけて賑やかにしていきます。上手く飛び出なかったり、本が閉じられなかったりみんな苦労していましたが、先生と相談しながら解決していきました。明日は絵本作りはおやすみで、明後日が最終日です。今日あまり進められなかった子やまだまだ頑張りたい子は宿題で持って帰って作業をします。このおやすみの間にどんな絵本を作るのかとても楽しみですね。最終日は3時30分から発表会がありますので、保護者の方もどうぞお越しください。

2013年7月30日 しかけ絵本をつくろう 1日目

写真:2013年7月30日の会場の様子

講師は、グラフィックデザイナーの岡村志満子さんです。四角と三角のしかけを作って飛び出す絵本を3日間で作ります。1日目の今日はしかけ作りの練習と絵本のお話を考えました。画用紙を折ったりハサミで切ったりノリをつかったり…小さい子にはちょっと難しいかな?とも思いましたがみんなちゃんと飛び出すしかけを作ることができました。お話を考える絵コンテの作業は何を飛び出させよう、アイデアが出てこないと悩みながらみんな真剣に取り組んでいました。明日は今日の続きと本番のしかけ作りです。今から絵本の完成が楽しみですね。

2013年7月28日 ギータ・ウォルフさん講演会

写真:2013年7月28日の講演会の様子

今日の講演会は、昨日までの「夏のアトリエ」の講師ギータ・ウォルフさんのお話です。ギータは、インドで特徴ある出版活動を展開するタラ・ブックス出版で活躍しています。通訳は、昨日までの5日間に引き続き森泉文美さんです。
講演会では、夏のアトリエについても触れられました。講師と参加者たちが話合いながらプロジェクトを進めていくという今回のワークショップ。一人の力ではできないことも、人と人が協力すればできる、というギータの思いは、これまでの彼女の仕事に裏付けられたことのようです。タラ・ブックスの絵本は、多くの人たちとの出会いから生まれています。インドには今も多様なコミュニティーがありますが、ギータは彼らの豊かな文化や伝統を理解し、絵本の形にして伝えています。もちろん絵本の内容だけではなく、絵本の素材や技法もしっかりと考えられています。そして、絵本製作にかかわる人たちが、技術を身につけることもでき、正当な報酬を受けるという面でも大変意義深い活動をされています。ギータの絵本作りやワークショップを通じて、様々なことが見えてくる講演会でした。
国際的に注目を集めるタラ・ブックス出版の仕事について聞こうと、満員のお客さまにご来場いただきました。ありがとうございました。(参加者約100人)

2013年7月27日 夏のアトリエ最終日

写真:2013年7月27日の会場の様子1


夏のアトリエ、最終日です。昨日遅くまで作業していた人や、朝早くから集まるグループなど、今日の午後のプレゼンに向けて佳境です。制作中の絵本や様々な素材やスケッチなどが山になった机から、みなさんの必至さが伝わってきます。ギータは朝から参加者の個人面談に丁寧に応じています。全く違った経歴や活動の作家たちに、限られた時間の中で、適切にアドバイスしていく姿は、さすがベテラン編集者です。


写真:2013年7月27日の会場の様子2

午後2時、制作終了。プレゼンテーションの時間です。持ち時間5分の中で、各自(各グループ)が作品のコンセプトやお話の内容、難しかった点、今後の課題などを話ます。その後の5分で質疑応答。ギータからのコメントはもちろん、他の参加者からの質問やアドバイスも活発に出ました。13のプロジェクトは、いっぱい悩みながら、ギータや仲間からのアドバイスを受けて形になりました。どれも可能性を秘めたものばかりですので、これかの発展も楽しみです。


写真:2013年7月27日の会場の様子3

ギータのワークショップは、講師と参加者同士が関わり合うというプロセスを経て制作できるように、しっかり構成されたものです。ギータは、「私に心を開いてくれてありがとう。この仲間たちだったから、今回のワークショップは上手くいったのです」と言っていました。最後にギータが語った2つのこと。ひとつは、美術や文化、歴史などを勉強して分析を深めることの重要性。もうひとつは、「会話」の反対は「戦争」、だからいつでも色んな人と話し合うこと。歴史や多様な文化を理解し、多くの人とコミュニケーションを取りながら本を作ることは、タラブックスの仕事の原点なのでしょう。
今回の夏のアトリエが、ギータにとっても、参加者のみなさんにとっても、良い経験となり、今後の活動の糧になることを祈っています。そして素晴らしい通訳をして下さった森泉文美さん、本当にありがとうございました。

2013年7月26日 夏のアトリエ3日目・4日目

写真:2013年7月26日の会場の様子1

夏のアトリエは本格的に制作に入りました。2日目のプロジェクトをグループで一緒に発展させる人、別のグループを組んだ人、自分ひとりで制作する人・・・22人がそれぞれの制作に集中しています。これまで沢山の「夏のアトリエ」を開催してきましたが、グループで制作するのは珍しいことです。たまたま出会った仲間たちなのに、教室はすっかり長年の友人同士のように、今回の制作のことや自分の仕事のことを話し合いながら作業が進んでいて、学校の教室ような、共同アトリエのような、とてもいい雰囲気になっています。


写真:2013年7月26日の会場の様子2

2日目にグループ作業をしたことが、とてもいい効果をもたらしたのではないでしょうか。
3日目にはギータはそれぞれの制作にアドバイスをして回り、4日目には各イラストレーターの個人面談も始まりました。そして4日目の午後には、各自のプロジェクトをみんなの前で紹介し、コメントし合うという時間も。他の人たちの制作にもみなさん興味津々で、話も盛り上がっていました。
今回の通訳は、ボローニャ展のコーディネーターとしても活躍している森泉文美さんです。


写真:2013年7月26日の会場の様子3

講師と参加者をつないでくれる通訳の方は、「夏のアトリエ」のキーパーソンです。5日間みっちり朝から晩まで通訳をするのは本当にハードな仕事ですが、今回も、温かく「夏のアトリエ」を支えて下さっています。

2013年7月24日 夏のアトリエ2日目

写真:2013年7月24日の会場の様子1

昨日のギータの沢山の話、自分の身の回りのこと、いろんな素材・・・。絵本のタネになりそうなものを抱えて、夏のアトリエ2日目です。
これからは、実際に手を動かして本を作る作業が始まります。今日は、グループワーク。3人ずつ7つの班に分けて、各班で1つ本のプロジェクトを考えて、プレゼンテーションします。参加者たちを無造作に分けて作ったグループですが、みんなどんどん意見を出して話し合い、集中して作業を進め、3時にはそれぞれプレゼンできる形になりました。


写真:2013年7月24日の会場の様子2

どのようにアイディアを発展させ、内容と形と素材を決めていったのか、人に話すことで、問題点も見えてきたようです。それにしても、限られた時間の中で、昨日出会ったばかりの仲間との作業でしたが、どのグループのプロジェクトも、とっても面白いものになりそうです。
イラストレーターさんは、普段は一人で作業することが多いので、今回のように仲間と意見を出し合って一緒に考えることは、きっと刺激になったと思います。教室の雰囲気もすっかり打ち解けて、「夏のアトリエ」らしくなってきました。明日からの3日間で、それぞれ本を作ることになります。グループでプロジェクトを発展させていくのか、または個別に本を作るのか、それも自分たちで考えていくことになります。

2013年7月23日 夏のアトリエ1日目

写真:2013年7月23日の会場の様子

今年も、夏のアトリエが始まりました。このアトリエは、イラストレーター向けのワークショップとして毎年ボローニャ展期間中に開催しているもので、今年でもう16回目となりました。毎年、世界中から素晴らしい講師にお越し頂き、20人の参加者が5日間通い詰め、沢山の出会いが生まれています。今年はインドのタラブックス出版からギータ・ウォルフ氏がこのアトリエのために来日しました。
ギータがインドで作る数々の本は、内容も形も非常に個性的で美しく、国際的にとても高い評価を受けています。ボローニャ・ブックフェアでも、タラブックスのブースはいつも大人気です。ギータは、今年のボローニャ国際絵本原画展の審査員をつとめ、審査の感想を次のように寄せています。「一様であることに向かう急速なグローバリゼーションの世界にあって、私たち(審査員)は方法の多様性に声を与えたかったのです。これは私たちからの、「違い」への賛辞なのです」(本展図録より一部抜粋)
さて、今回のアトリエはどうなるのでしょうか・・・
1日目の今日は、最初にそれぞれの自己紹介から。みんな、絵本に関心があってタラブックスの仕事に惹かれているという共通点はありますが、これまでの活動や仕事や勉強はそれぞれ違います。そして、お昼を挟んで講師のプレゼンテーション。本の歴史についてのお話では、現在の本の形が定着するまでに、長くて多様な本の歴史があったということを、世界中の例を見ながら説明してくれました。本が一般の人たちの手に届くようになるのは中世後期。それまで、本はきわめて貴重なものでした。そうした本は、それぞれ独自の形をしていて、その内容も、世界をどのように見るかということを記した非常に大切なものだったようです。そして本とは、ある物語を伝えるものである、とも言っていました。午後はギータの仕事について。タラブックスでは、地元のアーティストやインドの伝統的な芸術を生かしながらも、一方で、異なる文化の形式や作家も取り入れて、形、内容、制作技法がぴったりと合った本を出版しています。2004年のインド洋の津波をきっかけに作られたジャバラ絵本「Tsunami」は、巻物を見せながら歌で物語るインドの民衆芸術パトゥアから生まれたものです。そして最後に、絵本「夜の木」の制作工程の映像で見ました。職人さんが一枚一枚刷り、手作業で製本する様子には、みんな釘付けになっていました。
最後の1時間は、明日以降のための作業。それぞれの最も大切な本を表現する言葉を出し合いました。こわい、母、妖怪、思い出、風、爽快・・・様々な言葉が出てきましたが、明日以降はどんなワークショップになるのでしょうか!?

2013年7月22日 秋篠宮妃 紀子さま

写真:秋篠宮妃紀子さまご来館の様子1

秋篠宮妃紀子さまが、ボローニャ国際絵本原画展ご覧のためにご来館されました。紀子さまは、かねてより絵本にご関心を持たれているようです。
到着された紀子さまは、特別展示「ボローニャ発世界へ」から丁寧に作品と絵本をご覧になっていました。入選作品も、様々な国のイラストレーターによる、布を使った作品からCGの作品まで、多様な絵本表現を楽しまれていました。
東京は、1週間ほど涼しい日が続きましたが、再び夏らしいお天気が戻ってきました。


写真:秋篠宮妃紀子さまご来館の様子2

暑さは厳しいですが、板橋のボローニャ展と言えばやっぱり夏!子どもたちも夏休みになりましたので、ぜひみなさんでご来館ください。ボローニャ展もあと会期も残り半分です。

2013年7月21日 対談 手から手へ 関連企画 絵本の国のサポーターたち

写真:2013年7月21日の対談の様子

震災をきっかけに企画された絵本作家の展覧会 手から手へ。本日は絵本評論家の広松由希子さん司会のもと、大林えり子さん(ブックギャラリーポポタム店長)、兼森理恵さん(丸善丸の内本店 児童書担当)、西須由紀さん(ピンポイントギャラリーオーナー)にこの展覧会に寄せる思いを語っていただきました。書店の立場から、新しい絵本作家を育てていく立場から、様々な方面から絵本への思いを聞くことができました。展覧会には原画だけでなく作家たちのメッセージも展示されており、その言葉も紹介しながら和やかな雰囲気で対談が行われました。実際に作品を出展されている方やサポーターとして関わっていらっしゃる方も聴講に来てくださり、対談の最後にはその方々にもお話しいただきました。(聴講約70人)

2013年7月20日 ひよこ・たぬきアトリエ ながーいはなの絵本をつくろう

写真:2013年7月20日の会場の様子1

本日のの講師は、絵本作家のむらかみひとみさん。まず最初に、先生の絵本「こるんごのながーいはな」を自ら読み聞かせしてくださいました。ゾウのこるんごのお話を聞いてイメージをふくらませたら、さっそく絵本づくりに。紙をつなげて蛇腹にした後、ゾウさんの体としっぽを貼り付けます。先生がひとつひとつ作ってきてくれたゾウさんを配ると、わーっと歓声が!そして、長~く伸ばしたゾウさんのお鼻のまわりにコラージュをしていきます。


写真:2013年7月20日の会場の様子2

あえて紙の上に直接描かずに英字新聞や色紙の上に描いて貼りつけていくのですが、英字の上に描くとなぜかおしゃれな雰囲気になってしまうのでふしぎです。このコラージュの作業が楽しくて、みんな夢中になっていました。全部で6ページの絵本ですが、海と陸の世界に分けて表現を考えたり、自分のお家をつくったり、好きなものをたくさん並べたりと、みんな自分だけの素敵な絵本を完成させて大満足のようすでした。またおうちでも楽しい絵本をつくってみてくださいね。

2013年7月15日 夏の教室 3日目

写真:2013年7月15日の教室の様子1

「夏の教室」最終日です。今年のテーマは「絵本の今とこれから」ですが、三日目は「これから」に軸足が移ってきました。
朝は広松さん。昨日からに引き続き、日本の絵本のあゆみのお話ですが、ついに3.11震災後の絵本にまでたどり着きました。震災後、さまざまな形で絵本が注目を浴びる中、これからどのような絵本を子どもたちに作っていくべきかということも、作り手たちにとって重要なテーマとなりました。広松さんが、震災後の絵本を何冊か紹介してくださいました。


写真:2013年7月15日の教室の様子2

写真は、「あさになったのでまどをあけますよ」を読んでくださったところです。作り手も読者も、それまでと全く同じというわけにはいかなくなった震災後の絵本を見ていくことは、絵本のこれからを考えるヒントにもなると思います。
午前の2コマ目。広松さんと松岡にとって「最も熱い絵本編集者の一人」、童心社の下園昌彦さんにお越し頂きました。今や名編集者の下園さん、実はまだ編集者になりたての頃、ボローニャ展にも足繁く通い、当館でスズキコージさんのお話を聞いて大きな刺激を受けたのだそうです。


写真:2013年7月15日の教室の様子3

また、下園さんが「一番すごい」と思う絵本「どろんこハリー」の読み聞かせをされ、なぜすごいのかということについて、それはそれは熱く語って下さり、参加者もすっかり引き込まれていました。ご自身が子どもの頃、この絵本をお母様に毎晩読んでもらって安心して眠ったのだそうです。競争や効率ばかりを求める風潮によって、大人にとっても不安だらけの今、子どもに安心感を与えることの重要性にも触れられました。今日と同じように明日がやってくるという安心感は、「どろんこハリー」の最後の場面にも表れています。そして、これだけ素晴らしい絵本がすでにある中で、新しく絵本を出していくには覚悟や勇気が必要だともおっしゃっていました。沢山の絵本を世に出してきた編集者が、一冊一冊にどれほどの思いを込めてお仕事されているか、ひしひしと伝わってくるお話でした。
今回の「夏の教室」のトリ、午後はイースト・プレスの筒井大介さんです。次々に話題の絵本を出版される筒井さんに、これまでのお仕事や、絵本に対する思いを、広松さんとの対談形式で伺いました。長谷川義史さんの「ガンジーさん」、ミロコマチコさんのデビュー作「オオカミがとぶひ」、漫画家の五十嵐大介さんの「人魚のうたがきこえる」など、筒井さんはどの絵本でも、作家の一番の魅力や新しい面を引き出すような仕事をされてきました。「読者を意識しますか?」という参加者からの質問に対しては、「分かりやすくなるように」ではなく、「一緒に考えよう」という思いで読者のことを意識するとのこと。読者が、受け身ではなく能動的にかかわるような絵本作りを目指していることが伝わってきます。そして、これからやるべき仕事については、絵本の枠を広げること、そして新しい才能を世に出すこと、ともおっしゃっていました。積極的に他ジャンルの作家を起用する姿勢は、「絵本はこういうもの」と固定観念にとらわれがちな私たちに新鮮な驚きを与えてくれます。そして、作家のデビュー作を出版するという大変な仕事に挑戦し続けていらっしゃるのには、編集者としての強い信念があるようです。
今年も、濃密な「夏の教室」となりました。お話頂いた広松さんと翻訳者と編集者のみなさん、そして猛暑の中3日間通って下さった参加者のみなさん、どうもありがとうございました。広松さんが最後におっしゃっていたように、この3日で「絵本はこういうもの」という答えが出るなんてことはありません。絵本は、人によって見え方も関わり方も全然違うもの。「絵本って何?」という疑問が頭の中をグルグルしながらも、ますます絵本の深くて広い魅力に引きこまれる3日間であったなら幸いです。

2013年7月14日 夏の教室 2日目

写真:2013年7月14日の教室の様子1

夏の教室2日目。この猛暑にもかかわらず、一人のお休みもなく全員出席。講師も参加者もすばらしい熱気です。
今日の朝のコマは、当館副館長の松岡希代子です。松岡は1989年から、ブックフェアや日本のボローニャ展をずっと見てきています。何十年もの継続により、ボローニャ展が「展覧会」の枠をはみ出して、様々な事を生み出す「現象」となってきたことを、写真で振り返りました。


写真:2013年7月14日の教室の様子2

また、これまでに日本の絵本がどのように紹介されてきたのか、ラガッツィ賞を例にお話しました。
午前の2コマ目は、昨日に引き続き広松由希子さんです。まず、広松さんがお持ち下さったものや皆さんのお気に入りもまぜて、国内で刊行された絵本を年代別にずらりと並べてみました。戦前の絵本から戦中・戦後、そして今年の絵本まで、なかなかの迫力です。このように見ていくと、昨日の広松さんのお話もますます実感をもって理解することができます。


写真:2013年7月14日の教室の様子3

さらに、自分の好きな絵本を大きな時代の流れの中に置いてみると、どんな時代に刊行されたのか、同時代にはどんな絵本があったのかといったことが見えてきて、別の面に気づくかもしれませんね。今日は、70年代以降、80年代、90年代の絵本も広松さんに解説していただき、昨日からあっという間に70年ほどを振り返りました。
午後はペルシャ語翻訳者の愛甲恵子さんです。イランは、実は絵本がさかんな国で、ボローニャ展には毎年何人ものイラストレーターが入選しています。愛甲さんには、イラン人作家の名前の読み方や、作品の題材となるペルシャの伝説について教えて頂くなど、ボローニャ展のためにいつもご協力頂いています。今日は、1960年代以降のイランの絵本について、大きく3つの時期に分けてお話頂きました。昨日の広松さんや宇野さんのお話にもあったように、子どもの本は、その社会の情勢の変化に大きく影響を受けます。イランでも、革命や政治情勢によって、絵本の表現が変わった面もあったようです。一方で、イランでは10世紀や14世紀の叙事詩が今も読み継がれ、絵本の題材になっています。近年では、若いイラストレーターたちがボローニャ展やBIB(ブラチスラヴァ世界絵本原画展)でも大活躍です。今日は、イランの重要な絵本作家、新しい才能、そしてペルシャの英雄譚や詩人についてもお話いただき、さらにペルシャ語の絵本も沢山お持ちくださり、イランの絵本の魅力をたっぷりと伺いました。

2013年7月13日 夏の教室 1日目

写真:2013年7月13日の教室の様子1

ボローニャ展恒例の夏の教室、今年で10回目となりました。今年のテーマは「絵本の今とこれから」。時代とともに内容も形も様々に変化していく絵本について、絵本研究家の広松由希子さんと多彩な講師をお招きし、3日間みっちりお話を伺います。参加者も、日本全国から、様々な年代・職業のみなさんが集まっています。
本日午前の2コマは、広松さんによるお話。最初は参加者全員が持って来た、お気に入りの一冊の紹介。


写真:2013年7月13日の教室の様子2

「100万回生きたねこ」や、長新太さんの絵本が人気のようですが、1950年代の絵本から近年刊行された絵本まで、みなさん幅広く絵本をご覧になっているようです。
その後、日本の絵本のあゆみを1970年代まで振り返りました。現代の絵本の前史から。大正時代に始まる子どもの本の歴史は、辛い戦争の時代に突入しますが、厳しい統制の中でも作家や編集者の工夫や熱い思いを感じる絵本も刊行されていたようです。そして戦後は、「岩波の子どもの本」や「こどものとも」から、現代に直接つながるような絵本が刊行されていった様子を、詳しくお話くださいました。海外絵本の紹介、横書きや横長の絵本の登場・・・さらに、その後大活躍する絵本作家さんのデビュー作もこの頃に次々に出てきます。そして70年代には絵本の出版もさらに勢いがついた時代だったそうで、実に様々なテーマ、様々なスタイルの絵本が試みられました。
続きは明日。2000年代の絵本、そして震災後の絵本表現も見ていく予定です。大変貴重な戦前・戦中の絵本も沢山見せて頂きました。
お昼休みを挟んで、午後はスペイン語圏の絵本について、翻訳家の宇野和美さんによるお話です。歴史的な背景と共に、注目の絵本作家を国別に紹介いただきました。スペインでは長い独裁政権と内戦により、1975年からようやく現代の絵本の歴史が始まったそうで、中南米でも、独裁政権や貧困などが続き、子どもの本が出版されるよになるのは1980年代以降だとのことでした。子どもの本が出版されるには、経済的な基盤や表現の自由が必要であることが分かります。日本でそれほど多く紹介されているとはいえないスペイン語圏の絵本から、宇野さんが注目する絵本をたくさん紹介してくださいました。1960年代・70年代生まれの作家もたくさんいたので、これからの活動も楽しみです。スペイン語は、スペインと中南米あわせて20ヵ国もの地域で話される言語です。広い視野をもって、翻訳やその他の活動にも積極的にたずさわっていらっしゃる宇野さんならではのお話でした。

2013年7月10日 2013ボローニャ展 図録

写真:2013ボローニャ展図録1

今年もボローニャ展の図録を発行しました。例年どおり、入選作家全員の作品と作家情報を掲載しています。この図録が、絵本の新たな可能性や新しい才能と出会うたきっかけになればと思っています。
さらに、今年は特別展示「ボローニャ発世界へ」で紹介している全作品の図版と、作家略歴やブックリストも掲載しています。そして、今回の特別展示のために、作家と各出版社の編集者にコメントを頂きました。どのようにして作家と編集者が知り合い、絵本が出版されることになったのか。


写真:2013ボローニャ展図録2

思いがけない偶然や、忘れがたい出会い、苦労したところなど、絵本が出来上がるまでの物語を垣間見せてくれます。
そのほかにも、今年の審査員からのメッセージなど、見応えたっぷりの図録です。ぜひ、ご覧ください!

2013年7月11日 「ボローニャ・ブックフェア物語」

写真:「ボローニャ・ブックフェア物語」の表紙

今年、「ボローニャ・ブックフェア物語」(白水社)という本が刊行されました。著書は、先日講演会にも来てくださった市口桂子さんです。市口さんは、これまでにもローマ、フィレンツェ、ヴェネツィアに関する本を書いていらっしゃいますが、ボローニャはご自身が長年住む町ですから、思い入れもひとしおだったことと思います。さまざまな見所があるボローニャですが、そのなかでもテーマに選ばれたのはブックフェアでした。
ボローニャ・ブックフェは、今では町ぐるみの大きなイベントとなり、関わり方によってまったく違うように見えるものです。このブックフェアが、どのように生まれ、育まれてきたのか、そしてどんな人たちが関わってきたのか、ボローニャ・ブックフェアを取り巻く様々な物語が、市口さんの丹念な調査から明らかにされます。もちろん、ボローニャ国際絵本原画展のこともくわしく書かれています。板橋区立美術館の展覧会場にも置いてありますので、お手にとってご覧ください。

2013年7月10日 一時保育とギャラリートーク

写真:2013年7月10日の一時保育の様子

本日は「一時保育とギャラリートーク」が開催されました。お子さんをお預かりしている間、ご希望の方には学芸員によるギャラリートーク(展示解説)を行いました。お母さん方は、展示を見たり、館内で絵本をお買い物をしたり、楽しく過ごしていただいたようです。今回は1~2才の子たちが7名でしたが、お母さんと別れて泣く子もなく、とってもおりこうさんでした。ディズニーのアニメを見たり、楽器や乗り物、木のおもちゃなどで楽しく遊び、お迎えまであっという間の二時間弱でした。

2013年7月7日 三浦太郎さん、講演会

写真:2013年7月7日の講演会の様子

本日は絵本作家の三浦太郎さんをお招きし、講演会を開催しました。三浦さんは、このページでも紹介しているように、今年の特別展示「ボローニャ発世界へ」の冒頭でご紹介している作家さんです。入選をきっかけにブックフェアへ行き、海外でも日本でも沢山の絵本を出版されています。三浦さんは、当館の子ども向けパンフレット、さらに当館のキャラクター「ミトちゃんとポン太」の生みの親でもあります。お話の聞き手は、当館でボローニャ展を長らく担当し、三浦さんのこれまでの活動を見てきた松岡希代子です。


写真:2013年7月7日のサイン会の様子

1999年、三浦さんは板橋区立美術館でボローニャ展を見て、自分も応募してみようと思い、2回目の応募で2001年に初入選したのだそうです。今や人気絵本作家の三浦さんですが、その道に進まれるきっかけとなったのが、当館のボローニャ展だったというのは、何とも嬉しいものです。
イラストレーターやデザイナーとしてはすでにお仕事をしていた三浦さんですが、初めて行ったブックフェアでは、なかなか絵本作家としての売り込みが出来なかったとのこと。とはいえ、このときに出会ったスペインの出版社から、数年後、絵本「Tokio」を出しています。2004年のブックフェアでは、スイスやイタリアの出版社と出会い、絵本を出版しています。
三浦さんは、日本では絵本「くっついた」をはじめ赤ちゃん向けの絵本でよく知られています。そして近年は「ちいさなおうさま」シリーズも人気です。日本での仕事は、読者からの反応がダイレクトに伝わって来るところが嬉しいともおっしゃっていました。
今年、三浦さんは久々にブックフェアを訪れました。海外の出版社との打ち合わせやトークイベントへの参加など忙しいブックフェアだったと思いますが、沢山の刺激を受け、これからの活動にも変化が出てくるかもしれないとも。イラストレーターとして10年、そして絵本作家として10年仕事してこられた三浦さん、現在準備している絵本もあるそうですが、再びボローニャをきっかけに、今後は別の面も見せてくれるかもしれませんね。(聴講約70人)
講演会終了後のサイン会には長ーい列!絵本によってサインも変えていらして、何冊もサインをしてもらう方もいました。
ちなみに、三浦さんの最新作は「おおきなおひめさま」。「ちいさなおうさま」に続くお話で、全3部作だそうです。この次も楽しみです。

2013年7月6日 市口桂子さん、講演会

写真:2013年7月6日の講演会の様子

「ボローニャブックフェア物語」の著者、市口桂子さんによる講演会が開催されました。最初に「関西弁ですみません」と市口さん。なぜブックフェアを取材し著書にすることになったのかというお話を中心に、今年50周年を迎えた現地での会場の様子やボローニャの町や歴史について、ブックフェアを取り巻く人間模様など、たくさんの写真と共に多岐に渡ってお話しいただきました。(聴講約60人)

2013年7月4日 カフェ・ボローニャ

写真:カフェ・ボローニャの様子

カフェ・ボローニャは、もちろん今年もオープンしております。美味しい手作りのパンとお菓子が自慢です。今年もいくつか新作がお目見えしています。カフェのスタッフのイチオシは、塩味のチョコレートクッキーだそうです。ココナッツが入ったお菓子も今年の新作、夏らしくておすすめです。
併設の書店では、今年も2Fで展示している作品や作家の絵本で、すでに出版されているものをできる限り揃えています。


写真:カフェ・ボローニャ併設の書店の様子

日本で出版されたものはもちろん、海外の絵本もなかなかの品揃えです。展覧会だけではなく、カフェでも、みなさんじっくり絵本を選んでいます。
展覧会の前後にぜひお立ち寄りください。展覧会を鑑賞の途中で疲れたらカフェで一息入れて頂いてもOKです。展覧会場に再入場する際は、チケットの半券を入口でご提示ください。

2013年7月4日 ボローニャ展 限定ミュージアムショップ

写真:限定ミュージアムショップの様子1

2011年から始まったボローニャ展の特設ミュージアムショップ。ボローニャ展ならではの商品がいっぱいです。図録、絵はがき、クリアファイルなどミュージアムショップの定番商品のほか、イラストレーター展のロゴを使った限定商品や、特別展示でもご紹介しているのだよしこさんのグッズも取りそろえております。のだよしこさんと言えば、昨年のボローニャ展のポスターを覚えている方も多いのではないでしょうか?黒いペンで描いた壁新聞のようなポスターです。


写真:限定ミュージアムショップの様子2

ちなみに今年のポスターの絵は、入選作家の一人フィリップ・ジョルダーノさんに描いてもらいました。フィリップさんと言えば、2011年の特別展示「かぐやひめ」。様々なものからインスピレーションを得ながらアクリルで描かれた作品は強烈な印象でした。一方、今年の入選作品やポスターはパソコンで制作していますが、よく見ると様々なテクスチャーが使われ、表情豊かに仕上がっています。

2013年7月3日 2013ボローニャ・ラガッツィ賞

写真:ラガッツィ賞受賞作品の展示1

毎年ボローニャ展の会場でご紹介している「ラガッツィ賞」。ボローニャ・ブックフェアが、出版された絵本に対して授与する賞です。フィクション、ノンフィクション、ニューホライズン(アフリカ、ラテンアメリカ、アジアの絵本)、オペラ・プリマ(作家の第1作)の4部門があり、それぞれ最優秀賞(Winner)と優秀賞(Mention)が選ばれます。
今年のフィクション部門の最優秀賞は、韓国の絵本「目」。


写真:ラガッツィ賞受賞作品の展示2

洗練されたイラストレーション、シンプルな仕掛け、そしてページをめくるという動作が組み合わさって、様々なものが見えてきます。「見る」ということを考えさせてくれる本でもあります。
ラガッツィ賞のコーナーでは、イラストレーションの面白さのみならず、テキストとの関係、ブックデザインの美しさ、書籍としての完成度といった、出版された絵本ならではの楽しみをお手にとってご覧ください。

2013年7月2日 2013ボローニャ展特別展示 ボローニャ発世界へ 絵本作家たちの挑戦

写真:2013年7月2日の展示の様子1

今年の特別展示は、ボローニャ展入選やブックフェアへの参加などを通して海外で絵本を出版した21人(組)のイラストレーターを、原画と絵本で紹介しています。過去のボローニャ展で展示したことのある原画も少なくありませんが、今回はすべて出版された絵本とともに展示しています
三浦太郎さんも、絵本作家の道を歩みはじめたきっかけはボローニャ展でした。ボローニャ展に2001年に初入選し、その後も2003年以降続けて入選した三浦さんは、ブックフェアにも赴き、自分に合う出版社を探しました。


写真:2013年7月2日の展示の様子2

これまでにイタリアやスペインなど海外の出版社と仕事をしています。日本での絵本のお仕事も大忙しの三浦さんですが、今もイタリアの出版社と絵本のプロジェクトを進めています。
絵本は、編集者と一緒に作り上げていくものです。この特別展示は、イラストレーターたちが、ボローニャ・ブックフェアという場をつかって、自分に合った編集者と出会って絵本を出版したことを検証するものです。ボローニャ展から生まれた絵本を、再びボローニャ展でご紹介できるというのは、本当に嬉しいものです。

2013年6月30日 ワウターさん、ひよこたぬきアトリエ

写真:2013年6月30日の会場の様子1

本日は、オランダの絵本作家ワウター・ヴァン・レークさんをお招きして開催されました。通訳は、ワウターさんの絵本を翻訳した野坂悦子さんです。オランダ式のご挨拶、「ダー!」で始まり、まずは絵本の読み聞かせから。「ケーブドリ」の絵本をオランダ語でワウターさんが読んだ後、通訳の野坂さんが日本語で読みました。その後、黒いペン一色で白い画用紙に「つながる絵」を描いていきます。


写真:2013年6月30日の会場の様子2

午前は「機械」、午後は「町」がテーマでしたが、子どもたちは最初は戸惑っていたものの、いったん描き始めると止まらなくなるのか、一人で何枚も描く子もいました。子どもにしかできないような独創的な表現が多く見られました。完成後、壁に貼りましたが、それぞれ異なる絵がひとつになると感動的です。最後にワウターさんと記念撮影をして、再び「ダー!」でお別れ。みんな楽しんでくれたかな?ケーブドリの絵本、おうちでも読んでみてね。

2013年6月29日 ボローニャ展、オープン

写真:2013年6月29日の会場の様子1

本日、無事にオープンいたしました。
朝一にNHKの取材があり、お昼のニュースでさっそく展覧会をご紹介いただきました。
午後からのオープン記念対談では、編集者のマイケル・ノイゲバウアーさんと共に、絵本作家のいまいあやのさん、たしろちさとさん、よねづゆうすけさんにお話しいただきました。よねづさんは、ボローニャブックフェアでマイケルさんのブースに並び、作品を見てもらったことを機に絵本を出版しています。


写真:2013年6月29日の会場の様子2

絵本作家を目指している方にとっては勇気づけられるエピソードかもしれません。たしろさんといまいさんも、マイケルさんとの出会いや、気になる新刊などについてお話くださいました。マイケルさんからは、最後にイラストレーターのみなさんに向けて「Never give up!!」とのメッセージもありました。(聴講約140人)
その後、レセプションが開催され、入選者の表彰式などが行われました。
初日よりたくさんのご来場があり、賑やかなオープニングとなりました。ご来館いただいた皆さま、ありがとうございました。

2013年6月26日 はじめての美術館は、ボローニャ展へ!

絵本と子どものイラスト

お子さんと一緒に、絵本の展覧会に来てみませんか?
間もなくオープンするボローニャ展では、親子での鑑賞を歓迎しています。

2013年6月25日 ボローニャ展鑑賞教室

写真:2013年6月25日の鑑賞教室の様子1

ボローニャ展はまだオープン前ですが、区内の小学生を対象に鑑賞教室を開催しました。気に入った絵を見つけたら、メモ代わりにスケッチをしてもらいました。元気いっぱいの小学4年生ですが、絵を見る様子は真剣そのもの。1人でお気に入りをじっくり見入っている子、お友達と一緒に好きな絵を探す子、絵の中に何かを発見して先生に知らせる子・・・みんな本当によく見てくれました。


写真:2013年6月25日の鑑賞教室の様子2

最後には、美術館の担当者から、絵本のお話。小さな絵本や巨大な絵本、蛇腹の絵本やタテ開きの絵本など、絵本の形にもいろいろあることや、誰もが知っている「赤ずきんちゃん」にもいろんなタイプがあることなどを例に挙げながら、絵本の表現の多様性についてもお話しました。
子どものころにボローニャ展を見たことがきっかけでイラストレーターになった人もいます。今日来てくれた小学生の中にも、これから絵本に感心を持つ子が出てくるでしょうか?ボローニャ展が、子どもたちにとっても、心に残る体験となりますように。
オープンまであと4日!もう少々お待ちください!

2013年6月23日 隠れ家系

写真:のぼり旗

毎年夏に替えているのぼり旗。今回は、こちら。
交通の便は決して良くない板橋区立美術館ですが、熱心なファンの皆様が足繁くご来館くださいます。23区にありながら、都心の美術館とは規模も雰囲気も違った「隠れ家系」の美術館として、「遠くても行ってみたい」と言って頂けるようこれからも頑張ります。「おしゃれ系」でも「大規模系」でもありませんが、だからこそ、ここでしか見られない展覧会をお楽しみください。
ボローニャ展の準備も着々と進行中。みなさまのご来館、お待ちしております。

2013年6月19日 ただいま休館中・・!

写真:ニャン子たちの様子

蒸し暑い日がつづいていますね。皆さまいかがお過ごしでしょうか。美術館は、6月9日(日曜日)に館蔵品展が無事終了し、ただいま休館中です。今週金曜より、ボローニャ展の展示作業が始まります。29日(土曜日)のオープンに向けて、着々と準備を進めています! 今年もイベント・ワークショップもりだくさんで開催しますので、ぜひご来館くださいね。写真は、美術館近くに住み着いているニャン子たち。時々このようにゴロゴロしています。

2013年6月9日 日本近代前衛絵画史展ギャラリートーク

写真:2013年6月9日のギャラリートークの様子

本日最後のギャラリートークを開催しました。梅雨入りしたにもかかわらず、週末もいいお天気に恵まれ、多くの方にご参加頂きました。
当館は、1930年代に日本で描かれたシュルレアリスム的な傾向をもった作品を多く収蔵しています。写真は、帝国美術学校(武蔵野美術大学の前身)の学生たちの作品を展示しているコーナーです。彼らは仲間同士で本や雑誌を回したり、映画に関心を持ったり、ヨーロッパの最新の動向に敏感に反応しました。作品からも、彼らが積極的にシュルレアリスムを取り込んでいるのがよく分かります。しかし、1941年にはシュルレアリスムと共産主義の関係が疑われ、福澤一郎と瀧口修造が検挙されるなど、こうした作品を描くことは急速に難しくなっていきました。また、学生たちの中にはその後従軍する者、さらには戦地で命を落とす者もいました。日本の近代絵画において、シュルレアリスムが試みられた時期は決して長くはありませんでした。しかし作品を見れば、厳しい時期に生きた若い画家たちが、自己や時代と対峙しながら描いた様子が想像できることと思います。(参加約30人)
4月から開催していた館蔵品展「日本近代前衛絵画史展」は、本日で終了です。常設展示室のない当館にとって、館蔵品展はコレクションを体系的にご紹介できる貴重な機会です。ご来館くださったみなさま、ありがとうございました。今月29日からは、毎年恒例のイタリア・ボローニャ国際絵本原画展が始まります。またのご来館をお待ちしております。

2013年6月6日 「ボローニャ発」の絵本作家たちの活躍

写真:丸善丸の内本店のフェアの様子

毎年恒例、ボローニャ国際絵本原画展が近づいてまいりました。今年の特別展示「ボローニャ発世界へ 絵本作家たちの挑戦」では、ボローニャ展入選やブックフェアでの活動によって海外から絵本を出版した日本のイラストレーターを検証するもので、三浦太郎さんはじめ、21人の絵本作家を紹介します。
現在、丸善丸の内本店(丸の内オアゾ3F)で開催されているフェアは、この特別展示にも関連しています。ボローニャ・ブックフェアをきっかけに活躍の幅を広げた絵本作家たちが、国内で出版した絵本が集まっています。これまでにボローニャ展に入選されたイラストレーターさんのその後の活躍を見るのは、本当に嬉しいものです。また、最近出版された「ボローニャ・ブックフェア物語」も並んでいます。
いまいあやのさんの「チャッピイの家」、たしろちさとさんの「ぼくはカメレオン」、いたやさとしさんの「オッチョコさんのさがしもの」などは、当館のボローニャ展会期中に原画の一部を展示します。書店では、出版された絵本をじっくり選ぶ楽しみを、そして出版の有無を問わずに絵本原画を紹介するボローニャ展では、絵本の表現として様々な可能性があることを感じて頂きたいです。

2013年6月2日 ギャラリートーク

写真:2013年6月2日のギャラリートークの様子

本日は、館蔵品展「日本近代前衛絵画史」展のギャラリートークを開催しました。何度目かの開催ですが、梅雨の晴れ間ということもあり、多くのお客様にご参加頂きました。(聴講約30人)
本展のトリを飾るのは寺田政明の「関門港叙詩」。昨日の講演会の中でも言及したように、戦後板橋区に住み制作をした寺田の作品は本展に何点か展示されていますが、これは戦後すぐの1940年代に描かれました。戦中は軍港だったため描くことのできなかった郷里の風景を、寺田が晩年まで描き続けた小さな生き物や植物と共に、あたたかなタッチで詩情豊かに描いています。近代の前衛画家が、海外からの影響や仲間たちからの刺激を受け、そして厳しい戦争の時代をようやくくぐり抜けた時期の作品です。

2013年6月1日 講演会「板橋区立美術館の前衛美術コレクション」

写真:2013年6月1日の講演会の様子

本日は、現在開催中の展覧会「日本近代前衛絵画史」展にちなんだ講演会の2回目を開催致しました。お話したのは、担当学芸員の弘中智子です。当館では、日本の近代絵画の中でも前衛的な傾向を持った作品を収集しております。今回の展覧会は、そのコレクションで構成したものですので、コレクションの成り立ちから簡単にお話を始めました。そして、本展出品作品に加え、日本の前衛を語る上で欠かせない他館の作品も交えたスライドをご覧頂きながら、展覧会に沿って1910年代~1940年代までの前衛絵画の流れをお話しました。
大正~昭和期、前衛作家たちは、おもにヨーロッパに大きく影響を受けています。そうした海外の思想や運動は、最初は雑誌や画集などの図版を通して、そしてヨーロッパで絵画を学んだ画家の帰国によって、日本の若い画家たちに広まっていったという経緯が見られます。戦争が近づくにつれ、前衛的な制作は厳しく制限され、さらには作品を失ったり、制作を続けられなかった画家達も多かった時期があったことも決して忘れてはいけません。
日本における前衛表現が、結局はヨーロッパ美術の追随にすぎない、ととらえられることも一方でありますが、しかし、やはり当時の若い画家たちが自己の表現を見つけるための大きな手助けとなり、道しるべとなったという側面も見逃せません。講演会の最後には、この時代の前衛画家の1人として寺田政明の画業をふりかえりました。フォービスム的な描き方の最初期から、シュルレアリスムに影響を受けた時期、戦中の作品、そして戦後すぐの作品までを見ていくと、様々な手法を試しながら消化し、自らのスタイルを確立していく様子が浮かび上がってくるのではないでしょうか。
講演会には約50人のみなさまにご参加いただきました。ありがとうございました。展覧会は6月9日まで開催しております。みなさまのご来館、心よりお待ちしております!

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