学芸員のウラ話vol.3
樺太アイヌ展の展示資料の選び方
こんにちは、コレクション展「樺太アイヌ-人類学者、樺太へ渡る-」の担当学芸員です。
コレクション展「樺太アイヌ-人類学者、樺太へ渡る-」は、4月以降の展覧会の予定にあわせて4月25日(日曜日)まで延長することになりました。つきましては3月30日(火曜日)から「続後期展」を開催いたします。せっかくの期間延長なので、複製写真とハガキ資料を入替えたいと思います。今回は、展示の資料選びについてご紹介します。
石田は、生前筆まめな人物で調査先で目にしたことや耳にしたことを細かく記録していました。驚くべきことに石田は、調査先での記録を自身の家や家族宛てへ送っていることがハガキ類の宛名から分かり、いつどこで調査をしていたのか後追いができるだけでなく、当時の樺太の様子も少しだけ垣間見ることができます。全てのハガキを紹介できればと思っていましたが展示ケースの都合もあり8枚に絞っています。
今回の資料は目録があるのでこの時点で展示候補となる資料を絞っています。会期当初のハガキの具体的な絞り方として、石田が調査した明治40年(1907)、明治42年(1909)、大正元年(1912)、大正6年(1912)、昭和14(1939)の合計5回の調査のハガキをそれぞれ選ぶようにしていました。ただ、昭和14年の最後の調査のハガキが1枚しかなく、ずっと展示していたので3月30日から始まる続後期では明治42年の第2回目の調査の際に書かれたハガキを多く選びました。
こういった資料の調査を行う際は資料のキズや折れなどを確認してその状態を記録します。また、書かれている文字も一通り読みます(読めない部分もございました)。
8枚のうち4枚を少しご紹介!
左上:幌内河畔(樺太の北から南へと流れる河)における漁労の光景
右上:クスンナイの風景
左下:蒸し風呂に入っている様子
右下:ピルドウヰスキー(ピウスツキ?)の息子に会った後、千徳太郎治のもとへ訪れたことが記されています
以上、一部だけ紹介しました。
続後期展もお楽しみに!
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