太公望図 河鍋暁斎 明治時代
- 技法
- 絹本墨画淡彩
- サイズ
- 191.0cm×83.5cm
太公望(たいこうぼう)は、現在では釣り好きの人を指していう俗称となって親しまれているが、本来は、中国・周代の斉の始祖である。初め渭水(いすい)の浜に釣り糸を垂れて世を避けていたところ、文王に用いられて武王を助けて天下を定めた。日本でも好んで水墨画の題材となった。幕末・明治の奇才、暁斎は、これを眼光鋭く、気迫のこもった人物像に仕立てた。ここでは、のんびりと釣り糸を垂れる人ではなく、水面下に世界の実像を見つめる哲人として描かれている。
KAWANABE Kyousai