白梅雪松小禽図 酒井抱一 江戸時代

このページの情報をツイッターでツイートできます
このページの情報をフェイスブックでシェアできます
このページの情報をラインでシェアできます

ページ番号4000475  更新日 2022年12月9日

印刷大きな文字で印刷

技法
絹本著色
サイズ
(各)117.2cm×47.5cm

左幅では、二羽の雀が何やら楽しそうにおしゃべりをしているようです。その上を粉雪がキラキラと輝くように舞っています。俳諧に慣れ親しんだ抱一ならではの表現です。抱一の作品が文学的であるとされるゆえんでもあり、作者の自然に対する温かなまなざしが感じられます。
一方、右幅の天高くどこまでも伸びていきそうな梅の枝は、鋭い線で描かれ、左幅の穏やかな情景とは対照的です。
酒井抱一は、江戸淋派を大成した画家として知られていますが、意外にも尾形光琳の画風との出会いは遅く、抱一が40歳前後のころであったといわれています。抱一の代表的な作品は、これ以降に集中しています。
この作品に見られる梅の枝や壺(つぼ)の表現は、「たらし込み」(墨や絵具のにじみの効果をいかす技法のこと)で描かれており、光琳の影響がうかがえます。抱一の描く四季折々の情景は抒情性にあふれ、独特の静寂の世界へと、いざなうかのようです。

作品:白梅雪松小禽図(左) 酒井抱一
双幅

作品:白梅雪松小禽図(右) 酒井抱一