猫鼠を覗う図 柴田是真 1884年(明治17)
- 技法
- 絹本著色
- サイズ
- 132.1cm×42.3cm
一コマまんがのようにとてもユーモラスな作品です。屏風(びょうぶ)の陰からねずみを狙う猫は、いまにも飛びかかろうと腰を高く上げています。猫とねずみのゆくえは、大壷(つぼ)とそれに生けてある花だけが知ることになるのでしょう。是真の作品は、日常の中のなにげない風景をとても親しみやすく鑑賞できる雰囲気をもっています。
柴田是真(1807~1891)は、江戸末期~明治初期の蒔絵師・画家で、江戸両国の彫工の家に生まれました。1817年、古満寛哉(こまかんさい)に入門して蒔絵(まきえ)を学びます。さらに、自ら下絵が描けるようにと四条派の画家・鈴木南嶺に入門して絵画を学びます。蒔絵では当時とだえていた青海波塗など数々の技法を復活させ、また絵画では漆絵を開発して新機軸を出しました。江戸っ子の粋を伝える漆工・絵画は、海外で高く評価されています。
SHIBATA Zeshin