2018年3月3日 「東京←→沖縄 池袋モンパルナスとニシムイ美術村」展 ギャラリートーク1回目
「東京←→沖縄 池袋モンパルナスとニシムイ美術村」展開催中です。
本日は1回目のギャラリートークがあり、25人の方にご参加いただきました。
担当学芸員が3つのアトリエ村に集った作家や、作品についてのエピソードなどをお話ししながら、一緒に展示をめぐりました。
展覧会の第1章「落合に暮らす画家たち」に展示している、金山平三《鱶七》(1969/昭和44年、国立劇場蔵)をご紹介しているところです。
1920年代の目白・落合一帯は、東京の郊外として整備が進められ、モダンな邸宅が立ち並ぶ住宅街が形成されました。
1925年より落合に暮らした金山は油彩で風景画を描く一方で、歌舞伎に関心を持っており、《鱶七》のような、歌舞伎の一場面を和紙に油絵具で描いた芝居絵を手がけています。
また、踊りへの関心から、自宅アトリエで芸能祭も開催していました。
こうした金山に影響を受けたのが、学生時代を落合で過ごし金山と交流した沖縄出身の画家、名渡山愛順でした。
第5章「沖縄・ニシムイ美術村とその周辺」では、《郷愁》(1946/昭和21年、沖縄県立博物館・美術館蔵)ほか、名渡山の作品についてお話しました。
名渡山は戦後、沖縄に帰郷したあと沖縄の女性や琉球舞踊を描きました。
また、絵画だけでなく尚家の陵墓、玉陵(たまうどぅん)など、沖縄の文化財保護にも携わりました。
舞踊への高い関心から、ホールを建設し、琉舞鑑賞会を開催しています。
こうした精神は深く交流した金山から受け継いだものでした。
ギャラリートークへのご参加、ありがとうございました。
トークはあと3回、3月17日(土曜日)、3月24日(土曜日)、3月31日(土曜日)に行います。
来週末、3月10日(土曜日)は、お話を聞く会「落合・池袋・ニシムイ 子どもたちの見たアトリエ村」を行います。
講師は、松本莞氏(松本竣介ご子息/建築家)、寺田農氏(寺田政明ご子息/俳優)、安次富隆氏(安次富長昭ご子息/プロダクトデザイナー)です。
当館1階講義室にて、午後2時00分〜午後3時30分(午後1時00分開場予定)、申込不要、聴講無料、先着100名です。当日会場へ直接お集まりください。
皆様のお越しをお待ちしております。
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