令和2年度 施政方針説明概要

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ページ番号1020508  更新日 2020年3月9日

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板橋区長 坂本 健

令和2年度施政方針説明

 本日、令和2年度予算をご審議いただくにあたり、私の所信、並びに予算の基本的な考え方、及びその概要を申し上げ、議員各位、並びに区民の皆様のご理解とご協力を賜りますよう、お願い申し上げます。

 令和2年度の日本経済は、国による各種政策効果により、雇用・所得環境の改善が続き、景気は、回復基調が続くと見込まれていましたが、海外経済の動向や消費税率引上げ後の需要変動に加え、新たに新型コロナウイルスの影響などに注視する必要があります。

 このような状況において、区の財政は、納税義務者数の増加などにより、特別区民税の増収を見込むものの、地方法人課税の税制改正等の影響を受け、特別区交付金の大幅な減収が見込まれています。

 さらに、平成31年度税制改正において、地方法人課税における新たな措置が講じられるなど、大きな減収をもたらす税制改正の動きが相次いでおり、今後、財源が恒常的に失われることで深刻な影響を及ぼすものと思われます。

 一方、幼児教育・保育の無償化への対応や老朽化した公共施設の更新、まちづくりの進展など、行政需要は増しており、区財政は一層厳しさを増すものと想定されています。

 令和2年度は、「板橋区基本計画2025」及び昨年1月に策定したアクションプログラムの二期目となる「いたばしナンバー1実現プラン2021」の中間年であり、目標達成に向けたステップとなる重要な年となります。また、「東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会」の開催年でもあり、レガシーをいかしたまちづくりとその継承に向け、政策を着実に推進していくことが求められています。

 そのため、令和2年度予算は、事業効果や必要性、効率性を検証し、事務事業を厳しく精査、見直しを行い、限られた経営資源の重点的かつ効果的な活用と、自治体レベルでの取組が期待されるSDGsの視点で事務事業の連携や改善を図る編成としました。

 それでは、区政の主要事業につきまして、基本計画における「三つの基本目標」に沿って申し上げます。

第1の柱「未来をはぐくむあたたかいまち」

 初めに、一つめの基本政策「子育て安心」の実現につきましては、これまで区が担ってきた「子ども家庭支援センター」における身近な子育て相談の機能と東京都が担ってきた「児童相談所」の機能を併せ持つ「(仮称)板橋区子ども家庭総合支援センター」を、令和4年度の開設に向け、令和2年度は建設工事に着手します。区民に身近な基礎的自治体の強みをいかし、全ての子どもたちが健やかに成長できる環境と保護者への相談体制を整備するとともに、関連機関との連携による支援を充実させてまいります。

 待機児童の解消に向けては、令和元年10月から始まった幼児教育・保育の無償化の影響や今後の保育需要などを踏まえながら、「子育て安心プラン実施計画」に基づき、適切に保育所整備を進めてまいります。

 次に、二つめの「魅力ある学び支援」につきましては、「いたばし魅力ある学校づくりプラン」に基づき、板橋第十小学校と上板橋第二中学校の改築工事を計画どおり進めるとともに、令和2年度は、舟渡小学校と紅梅小学校の長寿命化改修工事に着手します。

 児童・生徒の安全確保と、学校施設の機能向上、良好な学習環境を、ユニバーサルデザインに配慮しながら整備してまいります。

 今年度、中学校5校で冷暖房機を先行設置した効果の検証を踏まえ、既に設置済みの学校や長寿命化改修・改築で設置する学校を除く、区立全小中学校64校の体育館に令和3年度までの二か年で冷暖房機を設置します。これにより、近年の猛暑による熱中症対策と避難所の環境改善を図ってまいります。

 併せて、給食調理室にも冷暖房機を順次導入し、従事者の労働安全環境を改善してまいります。

 「コミュニティ・スクール委員会」と「学校支援地域本部」を両輪・協働の関係で運営する「板橋区コミュニティ・スクール」を区立全小中学校で本格的にスタートさせます。学校・保護者・地域が一体となって様々な取組を行うことにより、先生が子どもたちと向き合う時間を確保し、地域人材を活用した教育活動を充実させ、子どもたちの豊かな学びの実現につなげてまいります。

 通常の学級と特別支援学級にそれぞれ配置している介添員を学校生活支援員として一元化し、困難を抱える児童・生徒への支援体制を充実してまいります。

 次に、三つめの「安心の福祉・介護」につきましては、概ね16歳以上の発達障がいのある方とその家族が安心して暮らせるための総合的な支援拠点として、「発達障がい者支援センター」を開設します。専門相談、社会参加に向けた訓練のほか、従前より行ってきた15歳以下の方を対象とした事業や関係機関との連携により、切れ目のない支援を行うことで、ライフステージに合わせた支援体制を充実してまいります。

 成年後見制度の利用を必要とする、親族による支援が難しい高齢者や身寄りのない高齢者など、高齢者を取り巻く状況の深刻化、複雑化に対応するため、区長申し立てに係る相談等のケースワークを「権利擁護いたばしサポートセンター」に一元化し、利用しやすい地域連携ネットワークづくりを推進してまいります。

第2の柱「いきいきかがやく元気なまち」

 初めに、一つめの基本政策「豊かな健康長寿社会」の実現に向けては、ひきこもり状態にある方への対応及び支援の方法を学ぶため、家族を対象とした専門家による教室を年24回開催し、家族へのサポート体制を充実してまいります。

 団塊の世代が75歳以上の後期高齢者となる令和7年、いわゆる2025年問題を見据えて、シニア世代の活動支援、社会参加を通して、加齢による心身の活力低下を遅らせるフレイル予防事業や板橋区版AIPの構築を一層推進し、誰もが地域でいきいきと生活し、元気に活躍できる環境づくりに取り組んでまいります。

 次に、二つめの「心躍るスポーツ・文化」につきましては、今年夏に開催される東京2020大会本番に向け、いたばし花火大会会場における競技体験をはじめ、イタリア等をテーマとしたフードトラックイベントや、あずさわスポーツフィールドオープニングイベントを開催し、機運を醸成していきます。また、イタリアバレーボールチームの受入や、聖火リレーなどの事業を通して、区民の皆様とともに板橋区全体で大会を盛り上げていきます。

 さらに、区民の記憶に残る大会となるよう、記録動画を制作するほか、パブリックビューイングやオリンピックデーランなど、様々な機会を捉えてスポーツの価値を浸透させ、次世代につながるレガシーを創出してまいります。

 令和2年はイタリア・ボローニャ市との友好都市交流協定締結15周年を迎えます。これを記念し、ボローニャ市からの訪問団を受け入れ、文化交流などを通して、友好関係をさらに深めてまいります。

 区立美術館では、毎年恒例のイタリア・ボローニャ国際絵本原画展において、パラリンピック大会記念の特別展を開催します。 さらに、10月には、区役所一階のプロモーションスペースにおいて、15周年記念イベントを実施し、いたばしボローニャ子ども絵本館の魅力とともにイタリア文化にふれる機会を創出して、板橋らしい国際交流の推進と多文化理解の促進を図ってまいります。

 板橋区ゆかりの冒険家である「植村直己」氏の偉業を後世に伝えることを目的として開設された植村冒険館を、東板橋体育館の改修を契機として、住まいを構えていた仲宿に近い同体育館に複合化します。このエリアのにぎわいの起爆剤として区のシティプロモーションの核となる展示物等の制作を行い、チャレンジスピリットを育む施設として魅力ある冒険館の整備に取り組んでまいります。

 次に、三つめの「光輝く板橋ブランド・産業活力」につきましては、区内中小企業のSDGsに対する認知度の向上と普及に向けた機運醸成、事業承継・創業支援を通じた経営力の向上を図っていきます。また、区内産業の活性化を図るため、ベンチャー企業・起業家に対して、賃料補助制度を新設することで区内立地を促進し、安定した経営実現に向けた支援を行ってまいります。

 中小企業における人材の育成・確保に関する課題解消も視野に、概ね昭和45年から59年に生まれた方を対象とした就職氷河期世代や外国人人材に焦点を当てた就労支援を実施していきます。また、将来の区内産業を担う子どもたちの夢やアイデアの製品化をめざす「こどもドクター認定コンテスト」を実施し、区民、地域、産業界が一体となって産業の誇れるまちの実現をめざしてまいります。

 平成15年度に初回認定が行われ、区民に愛され親しまれている「板橋のいっぴん」について、事業の再構築を行い「品格」と「品質」を担保することで、付加価値を高め、販路拡大や新たなブランディングを図り、商店をはじめとした区全体の産業の活性化につなげてまいります。

 「日本資本主義の父」と謳われる一方、現在の福祉事業の原点ともなる、養育院長を約50年もの長きにわたって務めた、板橋区にゆかりのある「渋沢栄一」氏にスポットを当て、書籍やパネル、リーフレットを作成し、新たな魅力の発信につなげてまいります。

第3の柱「安心・安全で快適な緑のまち」

 初めに、一つめの基本政策「緑と環境共生」の実現に向けましては、東板橋公園内にリニューアルオープンする「こども動物園」を核として地域のにぎわい創出につなげていきます。この「こども動物園」は、草屋根や壁面緑化等の環境負荷低減に配慮するほか、大人・子ども・障がいの有無にかかわらず、誰もが安全かつ快適に利用でき、さらに動物とふれあうことにより、心の癒しや命の大切さを感じることができる、SDGsを体現する施設として、整備してまいります。

 地球温暖化の影響が世界的に懸念される中、区民・事業者・区のそれぞれが果たす役割を明らかにし、総合的かつ計画的に推進する「(仮称)板橋区地球温暖化対策実行計画(区域施策編)2025」を策定し、脱炭素社会の実現に向けた取組を進めてまいります。

 また、区有地を使って電気自動車をカーシェアリング事業や庁用車として活用することにより、環境負荷の低減を図り、スマートシティの実現に資する取組を進めてまいります。

 次に、二つめの「万全な備えの安心・安全」につきましては、区全体での防災力向上を図り、近年多発している自然災害に対応するため、30時間以上の電源が確保できるLPガス発電機の配備やWi-Fiを活用した通信網の整備により、避難所環境の向上を図ります。

 また、台風19号被災時に防災無線が聞こえにくかったことから、放送内容を確認できる電話応答サービスを拡充するほか、地域BWA事業に関する協定に基づき提供されるタブレットを全避難所へ設置することで、リアルタイムで情報を収集・発信する環境を整えてまいります。

 併せて、大規模災害により生じる廃棄物を円滑かつ迅速に処理するため、「板橋区災害廃棄物処理計画」を策定し、いつ発生するか予測がつかない自然災害への備えに取り組んでまいります。

 区内の危険ながけ・擁壁の所有者に対し、安全対策の必要性や工事内容、費用負担について調査・助言を行う専門家を派遣します。また、道路に面した危険なブロック塀等を撤去した所有者に対するフェンス等新設経費の一部助成により、引き続き安心・安全なまちづくりを進めてまいります。

 健康、衛生分野においては、感染すると急性胃腸炎を引き起こし重症化するおそれのあるロタウイルス、及び公的接種を受ける機会のなかった男性に対する風しんの定期接種を実施することで、区民が健康で安心して生活できる環境を整えてまいります。

 次に、三つめの「快適で魅力あるまち」の実現につきましては、東武東上線連続立体化事業や、大山駅周辺地区、板橋駅西口周辺地区、上板橋駅南口駅前地区の市街地再開発事業をはじめ、まちのにぎわい創出や不燃化促進による災害に強いまちづくりを進めていきます。引き続き、区民・事業者・大学・国・東京都などとまちの将来像を共有し、その実現に向け新たな公共空間を創出するとともに、コミュニティの力をいかしたまちづくりを進めてまいります。

 現在、策定作業を進めている「板橋区交通政策基本計画」では、区内交通のさらなる利便性向上のため、学識経験者、交通事業者、区民等を交えた協議の場の設置をもり込むこととし、誰もが安心・安全・快適に移動できる持続可能な交通環境の整備に取り組んでまいります。

 大雨などによる道路浸水を抑制するため、区内九か所に設置している排水機所の能力や老朽化の状態を調査し、計画的な更新につなげます。また、白子川のしゅんせつ工事を実施するなど、区内を流れる中小河川を安全に保つ取組を着実に進めます。

 令和2年度には、「ユニバーサルデザイン推進計画2025」における後期実施計画を策定し、誰もが住みやすく、暮らしやすいまちをめざし、ユニバーサルデザインの考え方に基づく取組をさらに推進してまいります。

「計画を推進する区政経営」

 見直しを検討してきた地域センターの方向性に沿って、町会・自治会や青少年健全育成地区委員会、第二層協議体、NPO・ボランティアなど、地域の多様な会議体相互や行政等をつなぐ新たなネットワークを形成し、地域課題の解決やさらなる地域振興を図ってまいります。

 これまで地域との関わりが希薄だった区民が、気軽に地域活動に参加できるきっかけとなる「地域活動デビューセミナー」を開催し、誰もが安心して暮らしやすいまちづくりを進めてまいります。

 買い物などで使えるマイナポイントの利用を支援する窓口の開設、コールセンターの拡大により、マイナンバーカードの普及・利用促進を図っていきます。また、キャッシュレス決済の普及に向けて、区内店舗への周知活動を行い、消費の促進を図ってまいります。

 定例的な単純作業を自動化・省力化するため、Robotic Process Automation及び会議録作成支援システムを導入します。業務効率の向上により削減できた時間を窓口業務や相談業務に振り向けることで、区民サービスの充実を図るとともに、職員の生産性の向上と効率化を図り、働き方改革にもつなげてまいります。

 最後に、現在、健康危機管理対策本部を立ち上げ対応している、新型コロナウイルス対策を始め、いつ起こるかわからない危機管理について、区民の皆様の安心・安全を第一に迅速・的確な区政経営に努めてまいります。

 以上、令和2年度予算の基本的な考え方と、主要事業などについて申し上げました。

 予算規模

 一般会計予算においては、2,219億1,000万円、前年度比56億4,000万円、2.6%の増となりました。

 このほか、国民健康保険事業特別会計では、549億7,000万円、前年度比2.8%の減。

 介護保険事業特別会計では、438億2,000万円、前年度比5.8%の増。

 後期高齢者医療事業特別会計では、122億3,100万円、前年度比1.9%の増。

 東武東上線連続立体化事業特別会計では、1億2,200万円、前年度比510%の増。

 全会計合わせまして、予算総額は、3,330億5,300万円、対前年度比2.1%の増となりました。

 おわりに

 令和2年度は、「いたばしナンバー1実現プラン2021」の二年目として、「レガシーと未来志向のステップアップ予算」と銘打った予算案を編成いたしました。九つの基本政策における様々な施策を推進していくとともに、行政経営・地域経営・都市経営の視点から持続可能な区政を実現してまいります。

 今後も区政が発展していくよう、基本構想における将来像「未来をはぐくむ緑と文化のかがやくまち〝板橋〟」の実現に向け、引き続き邁進してまいります。

 よろしくご審議のうえ、ご決定を賜りますよう、お願い申し上げます。

 

令和2年3月

板橋区長 坂本 健(さかもと たけし)

(令和2年3月3日 区議会本会議にて)

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