区長就任あいさつ要旨「区長就任5期目にあたって」

区長就任5期目にあたって

はじめに

皆さん、おはようございます。
先ほどの心温まる歓迎に対しまして、心より感謝申し上げます。
昨日行われました板橋区長選挙におきまして、区民の皆様からの多大なるご信託をいただき、5期目を務めさせていただくことになりました。
変わらぬご支援に感謝を申し上げるとともに、改めて、区長としての責任の重さを痛感し、身の引き締まる思いであります。
選挙戦を通じ、いただいた様々なご意見、ご要望を真摯に受け止めるとともに、57万区民の幸せのため、区政のさらなる伸長・発展に全力で邁進する決意を新たにしたところであります。

4期16年を振り返って

さて、初めて区長に就任してから16年間、「あたたかい人づくり、やさしい区政の実現」を信条として、ひたむきに取り組んでまいりました。
その主な成果として、区の公共施設の耐震化率100％を前倒しで達成し、保育所・学童クラブの待機児ゼロを実現したほか、民間の調査結果では「介護度・高齢化対応度調査」総合全国第1位、「共働き子育てしやすい街ランキング」23区中第1位、「SDGs先進度調査」都内第1位、国からSDGs未来都市に選定されたことをはじめ、数々のランキング・表彰でナンバーワンの証とも言える高い評価をいただきました。
「住みやすい」と感じる区民は就任前の82.0％から96.3％まで上昇し、定住意向も80.6％から84.5％へ高まるなど、区政経営の質は、確実に向上していると感じております。
一方、リーマンショックによる厳しい財政運営や未曾有の被害をもたらした東日本大震災、長期化する新型コロナウイルス感染症への対応、ウクライナ情勢の影響を受けた物価・エネルギー価格等の高騰など、幾度となく困難な事態にも直面いたしました。特に、コロナ禍への対応については、前例がなく、厳しい状況が続きましたが、区民の生命と健康・財産を守ることを第一に、区議会の協力を得て、3年間で合計24回の補正予算を編成し、様々な生活支援や産業支援、地域経済の活性化対策などに迅速かつ柔軟に対応することで乗り越えてまいりました。これも、高い使命感を持って職務にあたった全ての職員の皆さんが力を結集して成し得たものであり、この場を借りて改めて感謝を申し上げます。
しかしながら、少子高齢化や気候危機はさらに進行し、アフターコロナ時代に向けて区政を取り巻く課題は未だ山積しており、さらなる取組を加速させていかなければなりません。
また、現在の板橋区基本計画2025は、残すところあと3年で終期を迎えます。将来像の実現に向けた総仕上げに取り組むとともに、さらにその先には、2030年を目標とするSDGsを見据えながら、次の10年間における区政の新たな指針を示し、次期基本計画を策定・実行していくことが、私に課せられた使命であると考えております。引き続き、職員の皆さんと一致団結して、板橋区のさらなる飛躍をめざし、陣頭指揮を執ってまいりますので、ご協力をお願いいたします。

「東京で一番住みたくなるまち」の新たなステージへチャレンジ

これまで一定の成果を上げてまいりましたが、4期16年で培った実績と信頼のもとに、5期目ではさらに、新しい技術や発想を積極的に取り入れながら、「東京で一番住みたくなるまち」の新たなステージへ挑んでいくチャレンジ精神をマニフェストに掲げて、選挙を戦ってまいりました。
新型コロナウイルスの感染症法上の位置づけが、5月8日から5類に引き下げられ、新たなフェーズを迎えることとなりますが、引き続き、コロナ禍の波に備えた体制を維持しつつ、現在の緊急課題である物価高克服・地域経済の活性化にスピード感をもって的確に対応しながら、次の3つのチャレンジに取り組んでまいります。
一つ目は、「未来を担う人づくり」であります。「子どもを産み、育て、学ばせたいと思うまち」「いつまでも健康で、高齢者になっても住み慣れた地域で心豊かに暮らせるまちづくり」にチャレンジしてまいります。
二つ目は、「魅力あふれる元気なまちづくり」であります。「駅や商店街・公園などを中心にブランド力の高い未来指向の元気なまち」「SDGs未来都市・絵本のまち“板橋”として、区民が誇りに思う魅力あるまちづくり」にチャレンジしてまいります。
最後の三つ目は、「安心・安全な環境づくり」であります。「カーボンニュートラルの実現に向け、未来へ持続可能なスマートシティ」「公民連携・地域力の強化による安心・安全で災害に強いまちづくり」にチャレンジしてまいります。
これらのチャレンジに取り組みながら、今年度は「いたばしNo.1実現プラン2025」を改訂し、SDGs戦略、DX戦略、ブランド戦略のさらなる展開によって、区民サービスの質の向上を図ってまいりますので、組織横断的な連携と協力をよろしくお願いいたします。

おわりに

結びに、区を取り巻く環境は、依然として先行きが不透明でありますが、こうした時代であるからこそ、強いリーダーシップを発揮し、区政経営の舵を取っていく覚悟と決意であります。区政経営において大切なのは、人づくりであり、人を育て、活用できる組織の力であります。引き続き、職員一人ひとりが、自ら考え、変革を恐れず、区民のため積極果敢に挑戦するとともに、組織として、能力を最大限発揮できるような人づくり、職場づくりに取り組んでいただきますよう、よろしくお願いいたします。
最後になりますが、皆さんの益々のご活躍に期待するとともに、ご家族の幸せを心よりお祈り申し上げ、就任のあいさつといたします。

令和5年4月
板橋区長　坂本　健　（さかもと　たけし）
（令和5年4月24日　あいさつ要旨）