区長庁内放送(令和7年9月5日)

皆さんおはようございます。
今日ははじめに、令和8年度予算編成について、お話しします。令和8年度は、現在策定を進めている新たな基本構想における基本計画の初年度であり、区の将来像の実現に向けた成長と発展の礎を築くべく、新たなナンバー1プランに基づく施策展開を推し進めていく年度となります。
4月には、板橋区基本構想審議会の中間答申において、概ね10年後を想定した区の将来像「未来をひらく 緑と文化のかがやくまち“板橋”」と、その将来像につながる「9つの基本政策」が示されました。当初予算の編成にあたっては、縦割り意識を排し、組織横断・戦略的に進める視点を盛り込み、「9つの基本政策」の実現に向けた事業を創出していただきたいと考えております。
また、同審議会では、将来像が実現されたまちの姿に「誰もが幸せを実感している」「つながりと愛着がはぐくまれている」まちが示されています。その実現のカギとなる考え方に、「子どもから高齢者まで、地域の中で誰もが居場所と役割を持ち、生きがいを感じながら暮らす」ことが挙げられています。この「誰もが地域で生涯活躍のまちづくり」の取組は、CCRC(Continuing Care Retirement Community)と呼ばれ、板橋区は国が「日本版CCRC」の構想を掲げる前から検討を進めてまいりました。
多様な人々が活発に交流し、地域の課題解決に住民が主体的に参加できる仕組みを整え、つながりと愛着がはぐくまれ、「住みたい」「住み続けたい」と思える持続可能な区政運営に向けて、予算案の策定に取り組んでいただきますよう、お願いいたします。
また、今後も安定した区民サービスを提供していくためには、人材の育成を進めながら、限られた人員で最大の効果を発揮できる体制を整えることが求められております。前例にとらわれない創意と工夫による業務形態の抜本的な見直しに加え、AIをはじめとしたデジタル技術の活用による行政サービスの質の向上や働きやすい職場環境の充実を図っていただくようお願いいたします。
次に、絵本のまち板橋の取組についてお話しします。
板橋区とイタリア・ボローニャ市は、1981年に区立美術館で開催された「ボローニャ国際絵本原画展」を契機に、絵本を通じ40年を超えた交流を継続してまいりました。そして今年は、イタリア・ボローニャ市友好都市交流協定締結20周年を迎える節目の年であり、来週から中央図書館や区役所1階イベントスクエアで記念イベントが始まります。
区ではこれまで、イタリア・ボローニャ市との絵本を通じた交流や、印刷製本産業が多く立地する特徴を活かし、板橋のブランドとして絵本文化を発信しながら、文化振興、産業振興、観光振興、教育活動など、あらゆる分野において、絵本のすばらしさを活かした取組を進めてまいりました。
この「絵本のまち板橋」の取組として、7月には、東京家政大学や区にゆかりのある編集者・絵本作家に協力をいただき、子どもに寄り添うこころの絵本『ぼくとモヤモヤ』を発行いたしました。この絵本は、子どもたちが自分の中にため込んでいる「モヤモヤ」を外に出し、身近な信頼できるおとなに相談するという、「SOSの出し方に関する教育」に通じる内容です。こうした言葉だけでは伝えることが難しいテーマに向き合い、絵本のもつチカラを活かして子どもたちにメッセージを伝える、絵本のまち板橋の地域資源を生かした新たな取組であります。この絵本は、区立小学校児童に貸与しているタブレット端末で閲覧できることから、区立小学校の学級活動の授業などでの活用が予定されています。また、区立図書館への配架、読み聞かせイベントの開催など様々な場所で周知されることにより、子どもたちのこころの健康に関する教育の一翼を担ってくれるものと確信しております。職員の皆さんにも、ぜひ手に取っていただき、言葉にしにくい悩みを抱えた子どもとの向き合い方、声かけや対話の大切さなど「おとながすべきこと」をぜひ知っていただきたいと考えております。引き続き、各部署における「絵本のまち板橋」の推進に寄与する事業展開に期待しております。
結びになりますが、9月に入ってもなお、厳しい残暑が続いております。職員の皆さんも暑さ対策や健康管理に十分留意し、職務に励んでいただきますようお願いいたします。
令和7年9月5日
板橋区長 坂本 健(さかもと たけし)
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