ボローニャ絵本係のストーリー
たくさんの絵本の中から、自分に、子どもに合った絵本を探したい。そんなとき、一緒に絵本を探してくれる図書館職員。
今回は図書館に置く絵本の選書から、来館した方に寄り添った絵本探し、イベント開催まで、絵本に関わる多くの仕事をしている、板橋区立中央図書館のボローニャ絵本係に話を聞きました。
ボローニャ絵本係の仕事
中央図書館ボローニャ絵本係は、現在7人のメンバーで、中央図書館1階にある児童コーナー及びいたばしボローニャ絵本館の運営を担当しています。
主な仕事は、図書館に受け入れる資料を決める「選書」や、図書館見学や職場体験の対応、「ちゅうおうとしょかんだより」の発行、そのほか各種展示やイベントの企画・実施などです。ボローニャから新しく寄贈された海外絵本をお披露目する「ボローニャ・ブックフェアinいたばし」は、特に大きな絵本の展示イベント。今年も8月に中央図書館で開催予定ですので、ぜひお越しくださいね。
そして、絵本ガイドとしてみなさんに絵本や児童書のご案内をすることも、重要な仕事の一つです。探している本がある、おすすめの本は？など、絵本や児童書についてお困りのことがありましたら、絵本ガイドデスクにお声がけください！ 精一杯お手伝いさせていただきます。
児童コーナー・絵本館に置く絵本の選定のポイント
児童コーナーの絵本は、子どもの目線で見た時を考えながら選んでいます。絵を見て、内容が読み取れるか、何を感じられるか…。また、読み聞かせなどによって子どもに提供されることが多いことから、文章も重要な要素です。声に出して読んでみて、日本語のわかりにくさがないかや、絵と並べて違和感がないかなども見ています。
いたばしボローニャ絵本館は、イタリア・ボローニャ市のボローニャ児童図書展事務局から寄贈された貴重な海外の資料を、区民のみなさんにご覧いただけるようつくられた図書館。そのため、絵本で世界と繋がることをテーマにし、世界各国の文化に親しめる資料や外国語の絵本とその翻訳作品、またボローニャ・ラガッツィ賞をはじめとした絵本の賞を受賞した作品の充実につとめています。
レイアウトで工夫している点
新館1階は、曲線を描いた書架がまず大きなポイントです。全体的にやわらかな印象の開架にし、みなさんにおくつろぎいただけるスペースになっています。
さらに児童コーナーでは、表紙が見えるように本を並べるスペースを多く設けるなど、小さなお子さんにも楽しんでいただけるよう工夫しています。また、えほんの森とおはなしの部屋は、靴を脱ぎ、絵本に囲まれながらのびのびと過ごせる空間にしています。連日たくさんの親子連れにご利用いただいていますよ。
絵本館ですと、海外の絵本は難しそうと感じる方も多いと思いますので、気軽に手に取っていただけることを意識しています。たとえば絵本の日本語版と外国語版をセットで並べている「セット絵本」コーナーは、知っている絵本の外国語版や、出版国による装丁の違いなど、言葉がわからなくても見て楽しめるコーナー。そのほかにもいろいろな切り口で作ったコーナーで、世界の絵本に親しんでいただけます。
やりがいを感じるとき
やはり展示やイベント参加者の方からの「楽しかった」「また参加したい」といった声は、とてもうれしく思います。また、絵本ガイドとして利用者の方とやり取りをし、お探しの本を見つけられたときやご案内に喜んでいただけたときは、本当にうれしい気持ちになります。
絵本や児童書についての知識の積み重ねが必要な仕事なので、自分の知識不足に悔しい思いをすることもありますが、その分、レファレンスがうまくいったときには喜びもひとしおです。直接利用者の方とやり取りをできる仕事だからこそ感じられる喜びですね。
ボローニャ絵本係の仕事は、子どもたちとその保護者から、絵本好きの大人まで、みなさんに少しでも楽しんでいただける場所を作ることに携われる、とてもやりがいのある仕事だと思います。
絵本のまち板橋を盛り上げたい
中央図書館・いたばしボローニャ絵本館は、「絵本のまち板橋」を担う一拠点。
令和4年度からは、世界の絵本事情や絵本が出版されるまでの裏話を聞ける講演会シリーズ「世界の書棚から」と「On the table」や、区に縁のある方々におすすめの絵本をご紹介いただく「イチオシ絵本リレー」などの絵本関連の企画も、本格的にはじまりました。
今後もいろいろな切り口から、絵本を知り、楽しめるイベントや展示を実施していきたいと思います。そのうえで、区内各施設や上板橋北口商店街など区内各所に設置させていただいている「小さな絵本館」のように、あちらを見ても絵本、こちらを見ても絵本…という、日々の生活の中に絵本が当たり前にある環境をつくっていけたらと思います。
子どもにも大人にもどんな方にも、絵本をより身近に、より魅力的に届けていけるよう、係一同これからも頑張っていきます！
