向原小学校(令和4年9月7日訪問)
教育長ぶらっと訪問
板橋区教科等指導専門官 向原小学校 福田 匡恭主任教諭の公開授業を参観して
今回の訪問も質の高い素敵な授業、しっかり学ぶ子どもたちの姿を見ることができ感激しています。福田先生はその授業力の高さから、板橋区の小学校社会科の教科等指導専門官に認定され、板橋区の授業革新の先導役として活躍されています。この日は、担任する6年1組の社会の授業を公開していただきました。板橋区のめざす「読み解く力」(Input・Think・Output)の育成と、その学び方の根底にある「板橋区授業スタンダード」がベストミックスされていました。
【導入】
源氏と平氏の戦いについて、タブレットに映し出された写真からそれまでの戦(いくさ)との違いを連想させ、ペアでの話し合いでのスタートとなりました。そして、本時の学習のめあてを共書きで全員がノートに記入しました。ここまで、約5分、テンポある先生の話し方が印象的でした。
【展開1】
「源氏と平氏の争いはどのような結果になったのかを調べ、分かったことを友達と伝え合おう」とのめあてのもと、まずは平治の乱の結果勝利した平氏、敗北した源氏がこの後どうなったかを調べる学習に入りました。その折、グーグルアースを用いて源頼朝が京都から伊豆に流されたことを確認し、それについての考えをまたまたペアで述べ合っていました。そして、教科書や資料集、タブレット内の資料を基に、めあてに沿った一人学びが10分間行われました。こういった学習に慣れているのでしょう、聞こえるのは鉛筆の滑る音、どの子も根拠を明確にしてノートにまとめていました。
【展開2】
10分後、調べて分かったことをトリオ(3人組)で発表し合うよう先生が指示すると、子どもたちは瞬時に机を移動し、資料等を指し示しながら互いに説明を始めました、Input・Think・Outputが見事に回っていました。伝え終わると、先生がグーグルアースを用いて、平氏が西へ西へ追いやられていく様子を確認しました。そして、展開2の「平氏が滅びた理由」について再度一人学びが始まりました。これも先ほど同様教科書等を読み込みながら、皆、脳に汗しながら考えていました。
【展開3】
5分ほどして、ここでもペアでのOutputする(自分の考えを話し、相手の考えを聞く)場面が設定されました。なぜ、ここまでペアでの学習を大切にするか、授業後福田先生にお尋ねすると、本学級は挙手して発表することには消極的な子どもたちが多いため、一人一人の子どもたちのOutputの場面を確保するためにも導入しているとのお話に納得感を得ました。
【まとめ】
その後、子どもたちの意見を先生が黒板に整理し、学習のまとめをし、振り返りに入りました。ここでもどの子も、めあてに沿った自分なりの考えをまとめていました。本来は、オクリンクのカードに記入する予定だったそうです。最後に、先生が録画していたのでしょう、NHKの「平家物語」の番組から、あの有名は「祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり・・・・」の一節を視聴しながら、みんなで「驕るものはひさしからず」という言葉を味わっていました。
参観させていただき、私自身も授業を楽しませていただくと同時に、子どもたちが教科書等をしっかり読み込み、自分の考えを書き、伝える(ペアトークやトリオトーク等)活動の充実ぶりと、先生のそれを支える資料等を含む学習環境の整備及びポイントポイントでの適切な発言やあたたかな表情に心が満たされました。グーグルアースの活用は、8月29日の板橋アカデミー(教育委員会主催の先生方対象の学習会)での講師からの紹介で、使ってみようと思い立ったそうです。これもうれしいお話でした。
板橋区では、生涯にわたって学び続ける力(自己学習力・自己決定力)の向上を目的に、読み解く力「教科書等の文章や図表等から読み取ったこと(Input)を基にして、分かったことや考えたこと(Think)を相手に伝える(Output)力」を幼稚園、小中学校の全教育活動で身に付けていくようにしています。そのための学び方の基盤として、1時間のめあてを確認する→課題解決に向け一人学び→友人や他者との学び合い→学級全体での学び合い→振り返り という板橋授業スタンダードにそった授業展開をめざしています。そこに、文房具としての一人一台端末の活用が昨年度から新たに導入されました。先生方は、子どもたちの充実した学びの実現のために、質の高い授業をめざして日々授業研究に励まれています。
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