仕事と介護を両立させるための制度を知って、介護離職を防止!
雇用労働者のうち、55~59歳の10人に1人以上が介護に直面しています。(出典:総務省「令和4年就業構造基本調査」)
以前は主に女性が家族の介護を担う傾向がありましたが、高齢化の進展や女性の社会進出に伴い、現在では男女を問わず介護に携わる時代となっています。そのため、家族のいる方であれば誰でも介護に直面する可能性があります。
介護への関わり方にはさまざまな方法があります。施設介護、家族による介護、介護保険の通所サービスや訪問サービスの利用など、要介護者と介護者双方の状況や希望に応じて適切な支援を組み合わせながら介護を行うことが大切です。
育児や介護を行う労働者が仕事と家庭生活を両立できるよう、「育児・介護休業法(育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律)」が制定され、これまで複数回の改正が行われてきました。特に令和7年(2025年)4月1日からは、介護離職の防止を目的として、事業主に対する新たな義務が設けられるなど、仕事と介護の両立支援が強化されています。以下、制度の概要です。(出典:厚生労働省ホームページ)
1 介護休業制度
労働者(日々雇用される方を除く)が、要介護状態(負傷、疾病または身体上もしくは精神上の障害により、2週間以上の期間にわたり常時介護を必要とする状態)にある対象家族を介護するための休業制度です。
労働者は事業主に申し出ることにより、対象家族1人につき通算93日まで、3回を上限として分割して介護休業を取得できます(育児・介護休業法第11条)
2 介護休暇制度
要介護状態にある対象家族の介護その他の世話(通院の付き添い、介護サービス利用手続きの代行など)を行う労働者は、事業主に申し出ることにより、対象家族が1人の場合は年5日、2人以上の場合は年10日まで介護休暇を取得できます。休暇は時間単位で取得することも可能です。
また、令和7年(2025年)4月1日からは、これまで労使協定により除外できた「継続雇用期間6か月未満の労働者」も取得対象となり、制度を利用しやすくなりました。
3 短時間勤務等の措置
事業主は、要介護状態の対象家族を介護する労働者に対して、介護休業とは別に、対象家族1人につき、利用開始から3年以上の期間において2回以上利用できる措置を講じなければなりません(育児・介護休業法第23条)。
措置の内容としては、次のいずれかが該当します。
- 短時間勤務制度
- フレックスタイム制度
- 始業・終業時刻の繰上げ・繰下げ(時差出勤)
- 労働者が利用する介護サービス費用の助成その他これに準ずる制度
4 所定外労働の制限(残業の免除)
要介護状態の対象家族を介護する労働者は、事業主に請求することにより、介護終了まで所定外労働(残業)の免除を受けることができます。
また、時間外労働や深夜業についても一定の制限を請求することができます。
5 令和7年(2025年)4月から強化された介護離職防止のための支援
(1)介護と仕事の両立支援制度に関する雇用環境整備
事業主は、次のいずれかの措置を講じなければなりません。
- 介護休業・介護両立支援制度に関する研修の実施
- 相談窓口の設置
- 制度利用事例の収集・提供
- 制度利用促進方針の周知
(2)介護に直面した労働者への個別周知・意向確認
労働者から介護に直面した旨の申し出があった場合、事業主は介護休業制度や介護休業給付金などについて個別に周知し、制度利用の意向確認を行う必要があります。
(3)40歳前後の労働者への情報提供
介護に直面する前の段階から備えられるよう、事業主は40歳前後の労働者に対し、介護休業制度や介護両立支援制度等について情報提供を行わなければなりません。
(4)テレワーク導入の努力義務
要介護状態の家族を介護する労働者がテレワークを選択できるよう、事業主が措置を講じることが努力義務となりました。
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