高島平地域グランドデザインを策定しました
グランドデザインとは
グランドデザインとは、中長期のまちづくりの理念や将来像、進むべき方向性を示した構想のことです。
板橋区では、「グランド」を建物を含めた敷地空間だけでなく、そこに集う人々が活動し関わり合う空間・雰囲気の全てとし、「デザイン」は人々の意識に訴え、共感を呼び、行動につながる(人生設計にも影響を与える)ことをめざす『デザイン化』を内容とする意味で捉えています。

策定の背景と目的
高島平地域は、昭和40年代以前は「赤塚・徳丸田んぼ」と呼ばれる広大な水田地帯が広がっており、食料の供給地帯として、建物の新築や増築等が制限される「緑地地域」として指定されていました。
その後、経済成長に伴う都心部への人口流入による深刻な住宅不足が大きな社会問題となり、昭和41年から区画整理事業に着手し、50年代前半までに、高島平という近代都市が誕生しました。
現在、地域のシンボルともいえる「高島平団地」も、竣工から43年が経過しました。当時住宅と併行して作られた都市に必要な様々な基盤施設も老朽化や陳腐化し、施設の更新について検討する時期に来ています。また、区の平均を上回るスピードで少子・高齢化も進行しており、様々な課題を抱え、将来発生するであろう問題も予測しながら、持続的な発展を可能とする都市への転換が必要となっています。
そうした状況を踏まえ、区では、いたばし未来創造プラン(平成25年1月策定)で掲げる成長分野8 「都市の顔となる駅前周辺市街地と交通軸の整備」の重要な一翼を担う「高島平地域のまちづくりの推進(都市再生)」に取り組むために、都市再生の方向性を示す地域全体のグランドデザインの策定に着手しました。
策定にあたっては、「高島平地域 分析報告書(平成26年9月)」及び「高島平地域グランドデザイン検討状況の中間報告(平成26年11月)」を経て作成した、「高島平地域グランドデザイン素案(平成27年1月)」を公表し、関係機関の意向や区民意見を踏まえつつ、必要に応じた修正を行うという作業を進めてきました。
策定後は、設置予定の「高島平デザインセンター」を中心に、民・学・公の連携の下で、グランドデザインの推進に向け取り組んでいきたいと考えています。
対象範囲
グランドデザインは、高島平地域全体の骨格となる「全体構想」と高島平駅周辺の核となる「公共用地の再整備基本計画」の二部構成となっています。
全体構想については、原則として高島平一丁目~九丁目(約314ヘクタール)を対象としています。
公共用地の再整備基本計画想定地区は、原則として下記の既存公共施設が集積する区有地(約2ヘクタール)としています。
- 旧高島第七小学校跡地
- 高島平健康福祉センター[仮設の建物](隣接緑地を含む)
- 高島平図書館
- 高島平区民事務所
- 高島平地域センター
- 高島平区民館
- 高島平児童館
- 旧高島平健康福祉センター跡地
※JA東京あおば(高島平支店)との連携を前提として、検討をしていきます。
めざす将来像
人口減少社会において健全な区政経営を維持するためにも、地域の定住人口、とりわけ生産年齢人口の確保とともに、地域を訪れる交流人口を増やすことが不可欠と考え、20歳代から40歳代までの若者世代に照準を合わせ、この世代が集い移り住みたくなる魅力の創造と、高齢者までを含む多様な世代が歩きや自転車利用を中心とした生活を楽しんで暮らすことができる都市モデルの構築をめざしていきます。
グランドデザインの展開にあたっては、いたばし未来創造プランで掲げる『魅力創造発信都市』と『安心安全環境都市』の2つの都市像を念頭に、“願いに応え、みんなでつくる『高島平スタイル』”をキャッチフレーズとして設定しました。
将来像の実現に向けては、「にぎわい」、「ウェルフェア」、「スマートエネルギー」、「防災」の4つのテーマに沿って都市づくりを展開し、「多くの人を惹きつけ、時を過ごし、住みたい、働きたいまち」と「暮らし続けたいまち」への転換・強化を図っていきます。
にぎわい
高島平地域の活性化及び生活の中心として、地域の内外からの交流の促進やにぎわいを創出しながら、地域住民にとっても利便性の高いまちへと発展させていきます。
ウェルフェア(健康福祉)
多様なライフスタイルへの対応や地域包括ケアシステムの早期構築など、安心して暮らせる生活基盤の導入などにより、子どもから高齢者までが交流し、誰もが元気に明るく暮らせるまちを形成します。
スマートエネルギー
環境負荷の低減や循環型エネルギーの導入など、新たな時代に対応した環境に優しく持続可能なまちをつくります。
防災
今ある高島平地域の強みを活かし、更なる安全性を高め、災害時でも継続的に生活の安定や都市機能が維持されたまちに転換します。
計画期間と目標
概ね10年間を目安に段階的に施設整備を進めていくとしています。
また、公共施設や市街地の再編が予定される第2期(令和8年~17年)以降を視野に、4つのテーマに応じたハードとソフト両面での設定した成果指標の数値の改善をめざします。
第1期(平成27年度~令和7年度)
- センターゾーン(再整備地区)の整備
- 高島平団地のストック活用、リニューアル
- プロムナード(散策道)の整備
- 更新時期を迎えた公園の再生
第2期(令和8年度~令和17年度)
- 交流核・生活核の整備
- 分譲団地に関する地元発意の街づくり
- 歩行者・自転車利用ネットワークの整備
第3期(令和18年度~)
- 流通業務団地の再整備に合わせた再生
- 駅前広場の整備、駅のバリアフリー化
- 公共公益施設の健康づくりの観点からの機能の質的向上と未利用エネルギーの活用
グランドデザインのポイントと構成
ポイント
グランドデザインのポイントについては、下記リンクページ(「高島平地域グランドデザイン概要版」)をご参照ください。
高島平地域グランドデザインの構成
第一部 第1章
策定にあたって
- 策定背景と目的
- 位置づけ・構成
- 策定対象範囲
第一部 第2章
高島平地域の現況と特徴
- 沿革
- 現況
- 特徴・課題
第一部 第3章
グランドデザインについて
- 戦略的視点
- 高島平地域の将来像
“願いに応え、みんなでつくる『高島平スタイル』” - 将来像の実現のための4つのキーワード(テーマ)
- 一体的なマネジメントによる推進
第一部 第4章
4つのキーワード(テーマ)の基本方針
- にぎわい
- ウェルフェア
- スマートエネルギー
- 防災
第一部 第5章
整備方針
- 交流核(高島平駅周辺)
- 生活核(鉄道駅周辺)
- 都市軸(プロムナードの整備)
- 交通ネットワーク(自動車交通網・鉄道網など)
- 個別エリア(町丁目)
- 施設(ハード)整備に関する展開
- 整備方針に係るタイムスケジュール
第一部 第6章
高島平デザインセンター(TDC)
- 交地域デザイン
- まちづくり事業
- まちの維持管理運営
- TDCの展開
第一部 第7章
評価指標と目標の設定
- 歩いて暮らすことのできるまち
- 区内に暮らし続けたいまち
- 目標人口
- 4つのテーマに応じた指標
- 健全な区政経営
第二部 第1章
再整備地区の現状
- 区施設が果たしてきた役割
- 基本的な考え方
- 現状
- 都市計画等
第二部 第2章
民間活力の導入手法の整理
- 民間活力の導入の経緯(効率的・効果的な公共施設の整備が出発点)
- 民間活力導入手法の分類
- PFI事業の取組
第二部 第3章
民間事業者へのヒアリング調査
- 調査目的
- 調査対象
- ヒアリング調査に際してたたき台としたモデルプラン
- 結果概要
第二部 第4章
再整備地区の活用方針、展開、基本計画
- 事業スキーム
- 再整備基本計画の検討
- 再整備地区での事業展開における事業性の把握
- スケジュール[可能性の検討]
第二部 第5章
公共施設(公共サービス)として必要な機能の導入
- 住民ニーズの把握
- 行政需要の考察
- 公共施設再編の展開
第二部 第6章
まとめ
- 「民間活力の活用」の追求
- 「連鎖的な都市再生」の追求
- 行政需要への早期対応のための「公共施設の展開可能性」の追求
その他
- 検討体制
- 検討経過
- 「素案」に関する区民への周知・意見集約
グランドデザインの各章は、上記タイトルから閲覧できます。
添付ファイル
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このページに関するお問い合わせ
まちづくり推進室 高島平まちづくり推進課
〒173-8501 東京都板橋区板橋二丁目66番1号
電話:03-3579-2183 ファクス:03-3579-5437
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