板橋区立美術館が「第30回 BELCA賞」を受賞!
「継承と刷新」によりSDGsを体現する施設へ!
令和3年3月26日、板橋区立美術館が、公益社団法人ロングライフビル推進協会が主催する、BELCA賞(ベストリフォーム部門)を受賞した。
BELCA賞は、建築物の長期にわたる適切な維持保全や、優れた改修を実施した既存の建築物のうち、特に優秀なものを選び、その関係者を表彰することにより、日本におけるビルのロングライフ化に寄与することを目的に、平成3年からスタートした表彰制度。
30回目の節目を迎える今回のコンテストには、全国から建築物がノミネートされ、厳しい審査を通過した 10件が受賞に至った。
30回の歴史の中で、公立美術館の受賞は、世界文化遺産に登録された国立西洋美術館、東京国立近代美術館、東京都立美術館等、名だたる美術館が受賞しており、区立美術館が受賞するのは、コンテスト史上初めてのことである。また、東京都23区立の施設では、令和2年に、港区立郷土歴史館等複合施設 (ゆかしの杜)が受賞しており、それ以来の快挙となる。
板橋区立美術館は、昭和54年5月、東京23区初の区立美術館として開館した。開館40周年を迎える令和元年6月に、時代のニーズを反映した美術館へと進化するため改修を行った。今回の改修は、より魅力的で地域に親しまれる美術館となるよう進めていくことをコンセプトとして掲げ、今までの板橋区での大規模改修工事のスキームにはない基本計画・設計の段階から設計者と美術館職員の間に専門アドバイザーをいれ、お互いの考えを十分理解しあえる手法で進めることにした。その結果、設備などの老朽化対策、ユニバーサルデザインや環境基準対応だけではない、古き良き部分を大切に活かしながら新たな可能性を追求する、継承と刷新の調和がとれた美術館が完成した。
今回の受賞にあたっての講評では「一見、完全建て替えと思えるほど新しい建築となっているが、村田政眞の空間の連続性を踏襲したエントランスホール廻り、アプローチでの印象的な大屋根など間違いなく既存建物をベースにして蘇った建築であることが明快に読み取れる。設計者の意図した『落ち着いた緑あふれる周辺環境に溶け込みながら美術館としての品格のある顔を持つ』ことを見事に達成していると同時に、設計者自身の品格と卓抜したセンスが感じられる建築である」と高く評価されている。
この受賞を受け、坂本健(さかもと・たけし)板橋区長は、「区民の誇れる財産としての美術館が、今回の大規模改修事業を進めていく手法やそれらを最大限反映できた建物を高く評価され、このような大変栄誉ある賞の受賞につながり光栄に思っている。今後は、板橋区以外でも多くの美術館が老朽化の問題を抱えており、その解決にあたっての先駆的な良い事例として参考にしていただけるのではないかと期待しているところでもある。」と力強く語った。
主な改修の特徴
施設のコンセプト
「継承と刷新」をキーワードに、区民や利用者に慣れ親しまれた建物の基本的な構造とシルエットを維持しながら、美術館展示の3つの柱である「絵本」「古美術」「近現代」で培ってきた伝統を生かしてリニューアルした。照明や、床材、可動電磁パネルなどについて学芸員や専門家と基本構想・基本設計の段階から徹底的に議論した。
展示空間の充実
展示室・収蔵庫の温度・相対湿度・照度を適正に保てるよう設備等を一新し、現代の美術館に相応しい展示環境を整え、国宝・重要文化財などの公開を可能とする展示ケースを設置した。さらに、展示スペースの増加や展示パネルのリニューアルによる配置自由度の高い展示設備の整備をした。
地域に開かれた美術館
どなたでも自由に休息・交流できる場所としてエントランス付近にラウンジを設置。美術資料・展覧会案内などの情報発信スペースのほか、赤ちゃんの駅整備し、サービス向上を図った。
外断熱工法の採用と外観デザイン
外壁を外断熱、屋根を内断熱による改修により、施設全体の熱負荷を低減し、室内環境を改善。さらに、外観を新たにし、板橋区のシンボルとなるような立面デザインとした。
設計者
柳学アーキテクツ・茜設計共同企業体
展示アドバイザー
尾崎文雄(Studio REGALO)
施工者
立花・古川建設共同企業体
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