コラム「史跡公園実験室」第13回 出前講座(東板橋図書館)を終えて

このページの情報をXでポストできます
このページの情報をフェイスブックでシェアできます
このページの情報をラインでシェアできます

ページ番号1056480  更新日 2025年2月25日

印刷大きな文字で印刷

半径150メートルの149年

出前講座の様子

2025年2月19日、東板橋図書館が主催する板橋歴史講座に、講師としてお招きいただき、「この場所の149年」という演題でお話をしました。

板橋火薬製造所の敷地は、設立された明治9年(1876)には3万坪でしたが、大正期まで断続的に拡大して、最終的には15万坪以上の大工場となりました。実は、現在の東板橋図書館周辺は、明治9年当初の敷地に位置する重要な地点です。

今回の講座ではこの立地に着目して、東板橋図書館からおよそ半径150メートルの範囲(加賀スポーツセンターや金沢小学校、マンションがある辺り)、つまり「この場所」に焦点を当て、火薬製造所ができた明治9年からの149年間の展開について解説しました。これがタイトルの理由です。

象徴的な写真

rg111sc_box592_296244

「この場所」の149年間をたくさんの史料から読み解いてゆくと、明治中期には原料プラントが建設されたこと、全国の火薬製造所を管轄した東京第二陸軍造兵廠の本部が置かれたこと、さらに戦後は跡地に民間の工場、学校、研究機関が入居したことなど、史跡指定地とは異なる特徴が見えてきました。

ところで講座のポスターには、この地域で撮られた写真を使って頂きました。「この場所」に入居した工場の社員がドッチボールをして過ごす様子を写した昭和20-30年代のスナップです。現在の東板橋図書館から北の方角に向けてカメラを構えています。

若者たちが遊ぶその穏やかな風景の背後には、明治期に火薬工場として建てられた煉瓦建築が聳えます。戦前の戦後が同居するような、象徴的な一枚です。

ご企画頂いた東板橋板橋図書館のみなさま、そしてご参加頂いたお客さまに心より御礼申し上げます。

本講座のように、生涯学習課では区内の団体・グループを対象に講師として区職員を派遣する出前講座を承っています。ぜひお気軽にお問い合わせください!

写真:加賀五四自治会(肥田一穂氏寄贈)文書より、板橋区立郷土資料館、区登録有形文化財

より良いウェブサイトにするために、ページのご感想をお聞かせください。

このページの情報は役に立ちましたか?
このページは見つけやすかったですか?

このページに関するお問い合わせ

教育委員会事務局 生涯学習課
〒173-8501 東京都板橋区板橋二丁目66番1号
電話:03-3579-2633 ファクス:03-3579-2635
教育委員会事務局 生涯学習課へのお問い合わせや相談は専用フォームをご利用ください。