こうぶんしょ館電子展示室50号「公文書館は『知』の宝庫です」

こうぶんしょ館電子展示室50号

「公文書館は『知』の宝庫です」

公文書館は現代社会の成り立ちを理解するためのヒントがたくさん詰っている「知」の宝庫です。板橋区公文書館では、区の組織で作成された区民の文化財産であり歴史的価値を持つ公文書を保存し、閲覧に供しています。
今回の電子展示室では前年度に移管された公文書の紹介を手始めに、公文書館に所蔵されている興味深い公文書および行政資料の一部を紹介したいと思います。

「公文書館」は、区長部局（政策経営部他8部）、行政委員会（教育委員会他4委員会）から発せられた知的生産物（文書、図画、写真、フィルム等）を、保存しています。（登録公文書=平成20年4月1日現在19,818件）

先ずは現用文書として長く実施機関（区長部局・行政委員会）に保管されていた「文書」で、今次初めて公文書館の「移管文書」として保存した文書の中から、興味深い移管文書をご紹介いたします。

1.「起債」に係る関係文書（財務課　昭和40年度～昭和54年度分　523件）

1. 実施機関（財政課）から「平成19年度移管文書（公文書館保存）」として移管された文書（起債償還期間中は、「現用文書」として実施機関で保管していた文書）。
2. 当該文書から「見える」事柄（興味・刺激）
   1. 起債（地方債）とは？（「自治用語辞典」より）
      • 地方債を起こすこと。
      • 地方債は、地方公共団体が必要な財源を調達するために負う債務
      • 地方債は、資金を借り受ける年度には財源として歳入に計上するが、翌年度以降はその償還のための支出を義務づけられる。
   2. 起債範囲は？（「自治用語辞典」より）
      • 交通事業等の公営企業に要する経費の財源として
      • 災害応急事業費、災害復旧事業費、災害救助事業費の財源として
      • 学校その他の文教施設、保育所、その他の厚生施設等、公共施設の建設事業費の財源として。
      • 公共用、もしくは公共に供する土地又はその代替地としてあらかじめ取得する土地の購入費の財源として。
   3. 起債許可は？
      自治大臣(地方債許可方針)または都道府県知事の許可
   4. 償還期限は？
      30年以内の償還を目途に起債する（板橋区）。
   5. 区の「起債」経緯を知ることで、財政状況を垣間見るきっかけとなり、新たな「知的好奇心」が刺激されるのではないでしょうか。
3. 「起債関係文書」（昭和40年度～昭和45年度）から見る「起債許可状況」
   下記添付ファイル「【参考】起債許可状況（「起債関係文書」昭和40年度～昭和45年度）」をご参照ください。

2.新築施設に係る「建築関係文書」（平成17年度移管文書）

1. 実施機関（営繕課）から「平成17年度移管文書（公文書館保存）」として移管された文書（新築後10年間は、設計図と共に「現用文書」として実施機関で保管していた文書）。
2. 設計図付き公文書（起工書）は、公文書館としては初めて移管を受けた文書。
   1. 板橋区立エコポリスセンター新築工事関係文書
   2. 板橋区立熱帯植物館新築工事関係文書
   3. 板橋区立仲町区民センター新築工事関係文書
   4. 板橋区立大山児童館新築工事関係文書
      （設計図・建築工事・電気工事・空気調和換気設備工事・給排水衛生工事・昇降機設備工事）
3. 設計図を見ることで、建設当時の建築技術水準を知ることができる。
   （例）エコポリスセンター＝自然エネルギーの活用・燃料電池の新技術
4. 板橋区立エコポリスセンターは、「設立コンセプト」をから含め「環境問題」を提起・実践の発信基地として、社会的に注目されている施設でもある。

行政資料（板橋区・板橋区関係機関・民間企業が発刊した書籍類の中で、歴史的価値を持つ刊行物）（平成20年4月1日現在8,533冊）

興味ある「事項」をキーワード検索し、関連資料を閲覧いただけます

（例）「財政」をキーワードとした場合（54件ヒット）

• 東京都財政史（上・中・下巻）　1969年発行
• 都区財政調整について　1975年発行
• 板橋区財政のあらまし（各年度版昭和62年～）　1988年発行～
• 板橋区財政白書（2004版）　2004年発行
• その他50件

「福祉」をキーワードとした場合（204件ヒット）

• 板橋地域社会福祉活動あんない　1978年発行
• 板橋区福祉のまちづくり整備指針　1989年発行
• 障害者福祉のしおり（各年度版平成4年度版～）　1992年発行
• 板橋区保健福祉オンブズマン報告書　2007年発行
• その他200件

この他にも、当該年度発行の行政資料も公文書館にてご覧いただけますので、どうぞご来館いただき、存分にご活用ください。