2015年12月22日 井上照子《モンマルトル》
ご好評いただいている「没後20年 井上長三郎・井上照子展」ですが、次の日曜日、27日でおしまいです。
今日は出品作の中から、井上照子さんの《モンマルトル》(1950年、個人蔵)をご紹介したいと思います。
照子さんは、1936年頃にパウル・クレー(1879〜1940)の画集を買い求めたと言います。
クレーは同時代の作家で、井上夫妻はパリに滞在中、画廊でクレーの絵を出して見せてもらっていたそうです。羨ましいお話です。
《モンマルトル》は、方形に塗り分けられた様々な色により構成された、クレーの影響が感じられる1点です。
この作品は1950年と画面に書き込まれており、帰国から10年経って制作されました。
色鮮やかなパリのモンマルトルの丘がイメージされています。
この後、照子さんはクレーの作品から学んだ色彩や構図をもとに、彼女の独自の絵画を制作するようになるのです。
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