2015年10月3日 記念講演会 絵画修復の現状 ―東洋絵画 指定文化財の修理―
本日は、「まぁ!オモシロ江戸屏風」の記念講演会が開催されました。
テーマは「絵画修復の現状 -東洋絵画 指定文化財の修理―」
講師は、選定保存技術保存団体 国宝修理装潢師連盟株式会社半田九清堂 代表取締役半田昌規氏です。
まずはじめに、半田先生より文化財修復とはどのようなものかご説明頂き、さらに半田先生の工房で修復された国宝「上杉本 洛中洛外図屏風」についてお聞きしました。
織田信長が上杉謙信に贈ったこの屏風が、修復でどのように蘇ったのかがよくわかりました。
続いて、小さな模型をつかって屏風を組み立てる手順を実演しました。当館の学芸員2人もお手伝い。
屏風の「扇」同士がどのようにつながって自在におり曲がるのか、そのしくみをご覧いただきました。
「尾背(おぜ)」(和紙でできた蝶番(ちょうつがい))がその鍵を握っているのですが、和紙は本当に強くてしなやか。屏風を陰から支えているのです。
また、屏風がスムーズに開閉し絵を守り縁の厚みを調整するため、合差という道具を使うなど、修復には、大変きめ細やかな心配りが必要なのです。
さらには、屏風を一人で取り扱うための筋力も!
最後に、屏風制作の工程がわかるレプリカに参加者が集まり、近くでじっくり見たり触れたり、先生に質問したり、屏風の仕組みを肌で感じる機会をつくりました。
参加者の皆さん、熱心に屏風の周りに集まって大盛況でした。
この講演に参加した後、改めて展示室の屏風と向き合うと、とても感慨深くなります。
貴重な機会をありがとうございました。(聴講約100名)
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