時代を紡ぐ 「西台で古墳を発見!」

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ページ番号1004902  更新日 2020年1月25日

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写真
西台後藤田遺跡第4地点1号墳

平成23年(2011)1月、西台三丁目1番の住宅建設に伴う発掘調査により、新たに古墳が発見されました(西台後藤田遺跡第4地点1号墳)。
古墳という言葉から皆さんはどんなものを想像するでしょうか?例えば、山のように大きな古墳や鍵穴のような形をした前方後円墳、湿った薄暗い石室、装飾古墳の壁画、きらびやかな装飾品、大量の武器や武具、馬や人の形をした埴輪など…人によって様々なイメージを抱くことでしょう。
ところが、今回発見された西台の古墳は、皆さんが想像されるような古墳とは異なるものでした。古墳の墳丘は削られて無くなり、周りに掘られた溝(周溝)だけが全体の八分の一程度が見つかりました。この他には、周溝内から埴輪の破片が見つかっています。
写真はその周溝を撮影したものです。周溝から全体の大きさを復原すると、直径20m程度の円墳になると考えられます。また、写真の赤い矢印下にあるのが円筒埴輪の破片です。接合部にキザミが入れられ、刷毛による仕上げも丁寧であることから、6世紀第一四半期に作られたと考えられています。古墳も埴輪と同時期に造られたと想定されます。なお、近隣における過去の調査でも6世紀代の埴輪が採集され、周溝が見つかっており、いくつかの古墳が群集していた可能性も考えられます。
一方で、古墳に埋葬された人はどのような人であったのか?古墳を造った人々の集落はどこにあったのか?また、西台地区以外に目を向けても、区内では5世紀代や6世紀後半以降の古墳がほとんど見つかっていませんが、これにはどのような理由があるのか?…というように、新たな発見と同時に新たな謎が出てきました。
このように墳丘が残っていない古墳でも、発掘調査から歴史を復原するための手掛かりが得られることもあります。今回の調査では、古墳の部分的な調査でしたが、課題とともに多くの調査成果が得られました。
【学芸員 中村新之介】
※平成23年12月17日発行「広報いたばし」掲載

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