時代を紡ぐ 「板橋の具足を求めて」

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ページ番号1004903  更新日 2020年1月25日

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猪山家具足

2月4日(土曜日)から郷土資料館で特別展「当世具足-大名とその家臣団の備え-」を開催いたしました。具足(ぐそく)とは一般的には鎧(よろい)のことを指し、使われる時代によって今具足と昔具足とに大別されています。今具足とは、織田信長らの活躍した戦国時代の終わりごろに作られ、江戸時代までの基本的な鎧として使われていました。変わり兜(かぶと)に代表されるものです。昔具足とはNHK大河ドラマ「平清盛」でも見られる大鎧のことを指し、甲冑(かっちゅう)とも呼ばれます。
毎年11月の農業まつりと3月の梅まつりでは、子供たちによって赤塚城戦国絵巻武者行列が再現され、具足を身近で見ることができます。
赤塚城が廃城となる天正18年(1590)、豊臣方が小田原の後北条氏を囲んだ時、赤塚城の千葉氏一門は後北条氏に加勢して小田原や江戸辺りに出陣しており、後北条氏と最期を共にしました。彼らは具足を身につけ戦に備えていましたが、残念ながらその実物は残っていません。赤塚城が豊臣方の軍門に下るときに具足や武器も没収されたため、板橋に残らなかったのかもしれません。
江戸時代以降、街道と宿場町、農村域であった板橋では、具足を身近に見る機会はめったにありませんでしたが、加賀藩下屋敷には、いざという時に兵となる足軽が50数人前後おり、そこには必ず具足が備えられていました。 今回の特別展でもいくつかの加賀具足を出展しています。その一つが磯田道史氏の著作で映画にもなった「武士の家計簿」の主人公、猪山成之が着用していた鉄錆地二枚胴具足です。貧しい侍でしたが、具足はしっかりと持っていたのです。古文書とあわせての初公開となります。
【学芸員 小西雅徳】
※平成24年2月25日発行「広報いたばし」掲載
※当展示は平成24年3月25日で終了いたしました。

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