徳丸・旧粕谷家(東の隠居)の年中行事 荒神棚飾り

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ページ番号1004916  更新日 2020年1月25日

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正月飾り

徳丸七丁目11番に、板橋区指定文化財となっているかやぶきの古民家があります。この住宅は、江戸時代に徳丸脇村の名主を務めていた粕谷浅右衛門が、享保11年(1726年)以前に隠居した際に現在地に建てたと伝えられています。以来この粕谷家では、生活の中で様々な年中行事が行われ、歴史を紡いできました。それらの中から今回は荒神棚のお飾りについて紹介します。
「荒神」は「こうじん」と読み、多くの場合「様」をつけて「こうじんさま」と呼ばれています。荒神様は火の神、火伏せの神として、かつてはどの家でも土間にあるかまどの上や土間の一隅に棚を設けておまつりしていました。その後、生活様式の変化により竈が姿を消した後も、台所に荒神棚を見かけたものですが、現在のダイニングキッチンではまず見かけることはなく、急速になじみがなくなりつつあります。旧粕谷家住宅でも、荒神棚はもともと竈の上にありましたが、昭和33年に土間を板敷きに変えた際に台所の隅へと移りました。
荒神棚は10月から12月に特別な飾りが行われます。
荒神様は10月31日に出雲へ旅立ち、11月30日に帰ってくるといわれています。それに伴い「荒神様のおたち」「荒神様のお帰り」と呼ばれる飾りが、年中行事として、かつて区の西部域では一般的に行われていました。粕谷家では「お発ち」を10月31日に、「お帰り」を11月30日に行います。内容はいずれも松3本、ピンポン玉くらいの団子3個、直径1センチメートルほどの団子36個、みかん3個を供えます。なお、粕谷家以外ではお供えにかゆや菊も供えたり、あるいは3個の団子は供えなかったりする例が多いようです。
12月は正月用の飾りです。粕谷家では大掃除を終えた30日に行います。その内容は、両脇にさかき3本と実のついた南天を竹筒に挿して供え(この竹筒には水は入れないそうです)、その向かって左手内側に松3本を飾り、中央の荒神様の前にはみかん3個と、その右手にお供えもちを一座り供えます。みなさんが行っている、あるいはご存じの荒神棚のお飾りと比べるといかがでしょうか。
【学芸員 秋山 道生】
※平成21年12月19日発行「広報いたばし」掲載

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