2017年11月8日 江戸の美術を行って見る第3回目
11月5日(日曜日)に鑑賞講座「江戸の美術を行って見る」の第3回目を行いました。
今回は静嘉堂文庫美術館の庭園一部と「あこがれの明清絵画~日本が愛した中国絵画の名品たち~」展の見学をしました。
講師は学芸員の山田正樹氏と、河野元昭館長です。
まずは、三菱の2代目社長の岩﨑彌之助、小彌太父子によって設立された静嘉堂についてご説明いただきました。
静嘉堂では、国宝7点、重要文化財84点を含む、およそ20万冊の古典籍と6,500点の東洋古美術品を収蔵しています。
庭園内にあるこちらの廟は、イギリス人建築家、ジョサイア・コンドルの設計によるもので、明治43年(1910)に建てられました。
正面の扉には、中国の孝行話である「二十四孝」が表現されています。
次に、室内で「饒舌館長」こと河野元昭館長に今回の展覧会の見どころをレクチャーして頂きました。
静嘉堂の明清書画は、明治の半ば頃に彌之助が蒐集したものが多く、古渡りが多いそうです。
今回の展示では、日本人が愛し日本人の絵師が影響を受けた、「日本目線」の明清絵画が展示されています。
河野館長のなめらかなお話ぶりに、参加者の皆さんも引き込まれている様子です。
猫好きを自称する河野館長、写実的にねこを描いた沈南蘋の名品「老圃秋容図」の解説には、特に力がこもっていらっしゃいました。
展示室では、講義で学習した作品を実際にじっくり鑑賞しました。
中国絵画と日本人絵師による模写が比較できるように展示されていたので、明清の絵画に日本における受容を実感することができました。
静嘉堂の誇る名品がずらりで、見逃せない展覧会です。
「あこがれの明清絵画~日本が愛した中国絵画の名品たち~」展は、12月17日(日曜日)まで。
また、この企画は泉屋博古館「典雅と奇想―明末清初の中国名画展」(東京・六本木、~12月10日(日曜日))との連携企画だそうです。
こちらもあわせて鑑賞したいですね!
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