2023年7月16日 トークベント「2023ボローニャ展入選者にきく」

このページの情報をXでポストできます
このページの情報をフェイスブックでシェアできます
このページの情報をラインでシェアできます

ページ番号4001787  更新日 2023年7月19日

印刷大きな文字で印刷

7月16日には、2023年のボローニャ展入選者の5名の皆様にお越しいただき、トークイベントを開催しました。
ボローニャ展の応募者数は近年増加傾向にありますが、2023年はいっきに増えて、91ヵ国から過去最多の4,345組もの応募がありました。審査員は、スペイン、フランス、カナダ、アメリカ、スウェーデンから集まった5人の専門家です。1次・2次審査で約300組のファイナリストを選び、最終選考で27ヶ国79人(組)の入選者が選出されました。当館の展示室ではすべての入選作品をご紹介しております。

トークイベントでは、あお木たかこさん、チェン・ウェイシュエンさん、さぶさちえさん、スズキトモコさん、寺澤智恵子さんの5名にお集まり頂き、当館館長の松岡希代子が聞き手となって、入選作品の技法や、普段の制作、ブックフェフェアに参加した方にはその様子、今後のことなどをお伺いしました。
スペイン在住のあお木さんは、2021年続く2度目の入選です。2021年のときは、友人に応募方法を教えてと言われたのがきっかけで、自分も応募してみたのだそうです。デジタル技法で仕事をしていることもあり、ボローニャ展応募は、ある程度の大きさの作品を手描きで作るモチベーションにもなっているそうです。ご自身のコラージュ技法についてもお話くださいました。
チェンさんも、2021年にも入選し、今回は2度目の入選です。台湾出身ですが、日本でイラストレーションを学び、現在は東京を拠点に活動しています。これまでにさまざまな技法を試みてきたチェンさんは、現在アクリルガッシュで絵を描いています。自分の作品を客観的に見返し、コンペに出品することをみんなにすすめたいとおっしゃていました。現在絵本を制作中のようで、出来上がるのが楽しみです。
さぶさんは初めての入選です。入選作品の技法である切り紙について詳しくお話くださいました。大きな黒い紙に下絵を描いた紙を重ねて、ひたすらカッターで切っていくのだそうです。ご自身もおっしゃるように職人肌のさぶさんですが、明るく朗らかな性格で、3月に訪れたブックフェアについては、笑いの絶えないエピソードを次々に披露してくださいました。
スズキさんも初入選ですが、数年前にアメリカで出版した絵本が、ちょうどこの夏に邦訳出版されました。普段はイラストレーターというソフトでお仕事されていますが、入選作品はフォトショップを使って制作したそうで、ご自身にとって新たな挑戦だったのではないでしょうか。スズキさんも初めて参加したブックフェフェアでの体験について、事前の準備や、現地での打ち合わせのことなど、具体的にお話くださいました。
寺澤さんは銅版画作品で初入選されました。銅版画はサイズも小さく、モノクロであるため、コンクールでは不利になるのではないかと不安だったそうですが(実際にはそんなことはありませんが)、一方で銅版画の魅力についても語ってくださいました。寺澤さんも今年のブックフェアで経験されたことをお話くださいました。ボローニャ展入選をきっかけに、現在絵本を準備中とのことで、今後が楽しみです。

今回いらした5名の皆さんは技法の点でも実にバラエティーに富んでおり、ボローニャ展の多様性の一面がよくあらわれています。また、入選を糧にして、積極的に活動を広げていらっしゃる様子もお伺い出来ました。これからボローニャ展に応募したりブックフェアに挑戦したりしたいという方々にとっても、大変参考になったのではないでしょうか。
皆さんが率直にお話くださったおかげで楽しいトークイベントとなりました。ありがとうございました。入選者の方々のさらなるご活躍を期待しております。

トークイベント1
左から、あお木さん、チェンさん、さぶさん、スズキさん、寺澤さん

トークイベント3

トークイベント2

トークイベント4

トークイベント5

トークイベント6