2023年7月23日 オオノ・マユミさん講演会「出会うよころび、ブックフェア!」

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ページ番号4001788  更新日 2023年7月25日

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7月23日には、2017年ボローニャ展入選者で、その後国内外で絵本を出版しているオオノ・マユミさんにお越しいただき、ブックフェアや当館のボローニャ展での活動についてお話をいただきました。

イラストレーターとして長くキャリアを積んでいたオオノさんですが、新しい挑戦をしたいと思っていた頃に、ボローニャ展と出会ったそうです。2015年、初めて当館のボローニャ展をご覧になり、「夏のアトリエ」(講師:クラース・フェルプランケ氏)に参加されました。翌年・翌々年にも、「夏のアトリエ」(講師:三浦太郎氏、スティーヴン・グアルナッチャ氏)を受講し、ご自身の作品についてアドバイスを受けたり、絵本づくりについて具体的に学んだりしました。
2017年には初めてボローニャ展に応募して入選し、ついにボローニャのブックフェアを訪れることになりました。講演会では、ボローニャの町の様子や、ブックフェアの概要を紹介いただいたあと、2017年のブックフェアについてのお話から始まりました。このときは初参加だったため、コミュニケーションや準備の点で反省することもあったとのことですが、それがむしろ起爆剤となり、翌年以降のブックフェア参加につながったそうです。
2018年と2019年には周到に準備してブックフェアに臨み、出版社との打ち合わせも順調にすすみました。その間、日本ではオオノさんならではの「色」をテーマにした本が出版されました。こうしてオオノさんは翌年もブックフェアを訪れるつもりでいたのですが、2020年以降はコロナ禍による現地開催の中止もあり、3年間ブックフェアを訪れることができなくなってしまいます。それでも、2018年と2019年にブックフェアを訪れて蒔いた種は、メールなどオンラインのやりとりを通して実を結び、コロナ禍の3年間にイタリアやスペインで6冊の絵本が出版されました。
さらに2020年以降は、当館のボローニャ展でも、ポスターや印刷物のイラスト、イベントの講師、「絵本さんぽ」の展示など、様々なご協力をいただいています。こうしたことを通して、オオノさんの作品を知ったという方もいらっしゃるのではないでしょうか。
そして2023年、4年ぶりにブックフェアを再訪したオオノさんは、ようやく自身の絵本を出版した出版社の人たちと会い、サイン会やトークイベント、イラストレーター向けのワークショップの講師も務めました。前3回のブックフェア参加では出版に向けた売り込みや打ち合わせを中心にされていたオオノさんですが、2023年のブックフェアでは新たな段階で活躍されていたのが印象的です。

このように、ボローニャ展やブックフェアの機会をしっかりと捉え、試行錯誤しながら沢山のことを吸収していったオオノさんは、一つ一つの出会いを大切にして、各国で絵本の出版を実現し、今では次に続く人たちにも経験を伝えていらっしゃいます。講演会では、オオノさんのイラストをふんだんに使った素敵なスライドをたくさん用意してくださり、大変充実の内容でした。最後に会場からの質問に対して、あきらめないこと、続けることの大切さをお話くださいました。これからのオオノさんのご活躍も楽しみにしています。

7月23日講演会1

7月23日講演会2

7月23日講演会3