2023年 7月30日 子どもアトリエ「葉っぱとお花を貼って、絵を描こう」

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ページ番号4001792  更新日 2023年8月3日

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7月30日には、2012年・19年のボローニャ展入選者の工藤あゆみさんを講師に、こどもアトリエを開催しました。普段はイタリアでアーティストとして活動をしている工藤さんは、現在一時帰国中なのですが、滞在先の岡山からわざわざ東京まで来てくれました。
今回のワークショップは、工藤さんが12年ほど前に手掛けていた植物をコラージュした作品からヒントを得て、葉っぱやお花を貼りながら絵を描きます。参加者のみなさんには、事前に落ちている植物を拾ったり、草花を摘んでくることをお願いしていました。摘みたての植物は水分が多くて制作には向かないので、1週間~数日前までに集めて少し乾かしてきてもらいました。

ワークショップは、工藤さんの作品を子どもたちと一緒に見るところから始まりました。絵を描いたところに穴の開いた葉っぱやシワシワの葉っぱをコラージュして、短い言葉を添えた作品を見せてもらうと、みんな興味津々です。中には綿毛を貼ったものも!工藤さんが「何に見えるかな?」と問いかけると、子どもたちからたくさんの答えが返ってきて、作品鑑賞を楽しんでくれました。続いて、工藤さんが作品を作る様子をみんなで一緒に見ました。工藤さんはインクとペンで絵を描きます。そこに葉っぱを1枚置くと... 飛んでいるように見えたり、何かをつかんでいるように見えたりします。自然の形を生かしながら作品を作る面白さが伝わり、子どもたちもいろんな想像をしてくれました。アーティストの人が作品を作る様子は、保護者の方々にも新鮮だったようで、みなさん熱心にご覧になっていました。
工藤さんが葉っぱをボンドでつけるときのコツも教えてくれたので、次はいよいよ子どもたちの制作です。まずは練習として、工藤さんの絵を印刷した画用紙を2枚ずつ配りました。そこに葉っぱやお花を置いてみて、ちょっと角度を変えたり、別の葉っぱに置き替えたり。絵を描くのが好きな子は、ペンや色鉛筆で描き加えたり。ボンドで植物を貼るのにも、すぐに慣れたようです。美術館や工藤さんもたくさん植物を用意していたので、「好きなのを持っていっていいよ」と声をかけると、みんな大喜び。お気に入りの葉っぱやお花を探すのも楽しんでいました。
こうして、工藤さんが描いた絵から、それぞれの作品が出来上がっていきました。練習を終えたら、次は真っ白い紙を配りました。白い紙に枯れ葉を1枚貼るだけでも、なんだかおしゃれに見えてきます。葉っぱを貼ってからイメージを膨らませる子もいれば、絵を描いたところに葉っぱやお花を貼る子もいます。今回は、保護者のみなさんも制作に参加してくたので、テーブルの上は作品と葉っぱでいっぱいになっていきました。
最後は発表会です。葉っぱとお花のコラージュから、海の生き物や、ピアノ、花火、お姫さま、クリスマス、、、いろんなものが描かれました。作品に使われた植物もじつにさまざま。もらった花束から作ったドライフラワーだったり、お庭で枯れてしまったトマトやお花だったり、なかにはトウモロコシの髭や松ぼっくりを持ってきてくれた子もいました。どれもとっても素敵な作品に仕上がっていて、ひとつひとつに工藤さんがコメントを添えてくれました。

猛暑の中、葉っぱやお花を集めるのはちょっと大変だったかもしれませんが、乾燥させたり、押し花・葉にすると、またちがった表情になり、自然の形や色、質感の面白さにも気づいたのではないでしょうか。季節が変われば別の種類の植物で楽しめますね。工藤さん、すてきなワークショップをありがとうございました。
工藤さんはこの夏に新作絵本『今日は自習にします』を刊行したばかり。秋には岡山の美術館での展覧会も予定され、日本でも工藤さんの作品を見られる機会が増えそうです。

こどもアトリエ1

こどもアトリエ2

こどもアトリエ3

こどもアトリエ4

こどもアトリエ5

こどもアトリエ6