2026年7月18日 夏のアトリエ5日目
夏のアトリエ、ついに最終日です。さみしいような、でもみなさんの疲労もピークかもしれません。
この日の午前中はおもに個人制作の仕上げですが、朝の少しの時間を使って、3日目に共同制作したジャバラ本の表紙と裏表紙をみんなで作りました。ヤラさんの提案は、参加者たちが切った小さな色紙をコラージュするというもの。もちろん、あまり時間はかけられません。みんなで話し合うなか、絵本のテーマである「MACRO micro」という文字にしたらどうかという案が出て、表裏に入れるとちょうど合計20文字! すぐにこのアイデアでいくことになり、それぞれが1文字ずつ担当して台紙にくっつけることにしました。大きさも色もスタイルもバラバラですが、置いてみると意外にも素敵な表紙になりました。そのあと、みなさんは自分の制作に戻っていき、その間に、ヤラさんと森泉さんが糊で貼って製本をしてくれました。
あとはプレゼンテーションに向けてラストスパート。この日の午前中も、ヤラさんと森泉さんはみんなのテーブルの周りを歩き、声を掛けたり、相談に乗ったりしてくれました。このワークショップ中にヤラさんが何度も「制作のなかで悩みがあったら、いつでも相談してください」と言ってくれたことは、参加者たちの大きな安心感につながったようです。この日のランチはそれぞれに。制作の合間に自席で食事をとる人が多かったようですが、パンやおにぎりを食べながら、近くにいる仲間とおしゃべりできるのは、ちょうどいい息抜きになりますね。20人の参加者たちは、みんな制作に追われて必死ですが、長い友人同士のようなリラックスした雰囲気に包まれていきました。
13時すぎ、制作を終えてまずは片付けです。20台のテーブルは小さな20個のアトリエのようになっていましたが、みんなの協力で部屋の中はプレゼンテーションのためのセッティングに早変わりです。 最後まで制作を続けていた参加者のテーブルも、他の参加者たちが一緒に片付けてくれました。
13時30分、プレゼンテーションが始まりました。時間の目安は、プレゼンテーション4分、質疑応答3分です。短い時間で自分のプロジェクトを説明するのは簡単ではありません。前日に原稿を準備してきた人もいました。アイデアを思いついたきっかけを話したり、ダミー本をめくりながら読み聞かせをしたり、ストーリーボードを元に内容を説明したり、原画を見せたり。大勢の前で話すことに緊張している人や、思うように仕上げられなかった人もいたようですが、他の参加者たちは熱心に耳を傾けていました。質疑応答はとても活発に行われ、次々に感想や質問、ときには作品に対する具体的な提案も出ました。その部分の仕掛けはなくてもいいのではないか、きれいな色だけどモノクロの方がいいのではないか、といった踏み込んだコメントも多くありました。5日間を共にし、互いを信頼できるようになったからこそのやりとりとなり、有意義な時間となりました。共同制作でコミュニケーションを取りながら作業を進めたり、仲間と机を並べて一緒に制作したりする時間のなかで、参加者同士で影響を与え合うこともあったのではないでしょうか。
5日間、朝から夕方まで美術館に通うのは大変なことだったと思います。制作が終盤になると、家でも作業を続け、寝る時間を削っていた人も多かったようです。プレゼンテーションでは作品を発表するだけでなく、充実した意見交換が見られ、「絵本を作りたい」という参加者たちの強い思いが伝わってきました。最後にヤラさんは、素晴らしいワークショップだったことを伝え、そして絵本が完成したらぜひ見せてほしいと念押しをして、ワークショップを締めくくりました。
この夏のアトリエから生まれる創作のエネルギーやイラストレーター同士の関係性は、いつも美術館の原動力となっています。参加者のみなさんにとって、この経験がこれからの活動の糧となることを願っています。ヤラさん、森泉さん、みなさん、本当にありがとうございました!


