2026年8月16日 2026ボローニャ・チルドレンズ・ブックフェア総復習

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ページ番号4002092  更新日 2026年8月18日

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ボローニャ展最終日の8月16日には、ボローニャ展恒例のイベント、絵本評論家の広松由希子さんと当館館長松岡による、「ボローニャ・チルドレンズ・ブックフェア(以下BCBF)の総復習」を開催しました。

広松さんは前の日の午後に、オタワで開催されたIBBY世界大会から帰国したばかりという、タイトなスケジュールのなか登壇くださいました。冒頭、広松さんが世界大会にてIBBY国際理事に選ばれたというニュースで会場は拍手で盛り上がりました。松岡も15年ほど前に同じく理事を務めた経験があり、二人とも長年にわたり児童書をめぐる活動を国際的に展開し、BCBFにも毎年参加してきました。そんな二人による総復習、今回はどんなトークとなったのでしょうか...

前半は、広松さんによる「ボローニャ・ラガッツィ賞」のお話から。2025年に60周年を迎えたこの賞は、出版された絵本に与えられるもので、世界的にも著名です。2026年は4000を超えるエントリーがあり、6部門に分けて選考が行われ、合わせて25冊が選ばれました。広松さんは、JBBYと国際交流基金によるBCBFの出展ブースにおける絵本のセレクションにもかかわっています。2026年は広松さんの発案により、ラガッツィ賞の6部門と出品規定に合わせて、「ジャパン・ラガッツィ・セレクション」として選書しました。ボローニャでとりわけ注目度の高いラガッツィ賞に関連づけた絵本を展示することは、ブックフェア来場者に向けたアピールになると同時に、日本の出版関係者にも同賞を認知してもらうきっかけになります。この選書は年末に行ったのですが、3月のラガッツィ賞が発表されると、なんとこのセレクションのうち2冊がメンションされ さらにブックフェアが主催するアメイジング・ブックシェルフにも2冊が入っており、大きな快挙となりました。そんなおめでたい話題からスタートし、広松さんはラガッツィ賞受賞作のなかから10数冊をピックアップして解説してくださいました。長年ラガッツィ賞を見てこられた広松さんは、この賞の特徴や、これまでの受賞作との違い、審査員の視点なども指摘してくれました。また、絵本の楽しみ方を熟知している広松さんが、ページをめくりながら1冊1冊を見せてくれると、それぞれの本の魅力がじわじわと伝わり、聴講者のみなさんもすっかり引き込まれていました。

さて、後半は2026BCBFのあれこれを、松岡が準備したスライドとともに振り返りました。BCBFでは各国の出版社ブースが並ぶだけでなく、ボローニャ展、ボローニャ・SM出版賞、ゲスト国の展示、さらには国際アンデルセン賞やリンドグレーン賞の発表もあります。また今回のフェアでは、安野光雅さん生誕100年を記念したイベントや、広松さんと松岡の企画によるコミックに関するトークも開催されました。(ボローニャはイタリアの中でもコミックの出版が盛んな町として知られ、それはBCBFの日本の出版社のブースに並んでいた漫画がその発祥であったことも明らかになりました。)ボローニャのブックフェアを知り尽くした松岡が、フェア会場内外での多数の取り組みについて、駆け足ではありましたがたっぷりとお話しました。なかでも、会場内の「イラストレーターズ・サバイバルコーナー」は、イラストレーター向けの講演会やワークショップを行う人気のエリアです。松岡は、このコーナーで配布されていたパンフレットから、BCBFを訪れる際の心構えや、フェア終了後の身の振り方について紹介しました。板橋においてもボローニャにおいても、絵本作りをめざすイラストレーターたちといつも一緒に歩んできた松岡からの、みなさんへのエールとなりました。

最後は、広松さんと松岡のこれまでのボローニャ展とBDBFの振り返りとなりました。広松さんが初めて当館のボローニャ展でイベントをやってくださってから、もう30年近くがたとうとしています。とくに2000年以降は、子ども向けから大人向けまで多様なプログラムの講師や企画者としてご協力いただくようになりました。その中で、「BCBF総復習」は、2017年に初めて開催し、2019年からは定番企画となりました。また、松岡は日本の絵本を海外にもっと発信したいという想いを広松さんと共有し、BCBFをフィールドに、たくさんの企画や時間を共にしてきた仲でもあります。懐かしい蔵出し写真も投影しながら、これまでの話に花が咲きました。

会場には、これまでの総復習をずっと見続けてきた方や、ボローニャ展ゆかりのイラストレーターたちも多く、温かい雰囲気のなかで、広松さんと松岡の息の合った軽妙な掛け合いや、ときに辛口のコメント、そしてボローニャと絵本への愛にあふれるトークを楽しんでくれていたようです。毎年登壇してくださった広松さん、参加しくださったみなさん、ありがとうございました。

館長松岡と広松由希子さん

ラガッツィ賞の紹介の様子

これまでの「総復習」を振り返る様子